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繁忙期は月100時間を超える時間外労働も
「実態は給与形態は不明瞭で基本給は6万~8万円。繁忙期には120時間を超える時間外労働。横行するパワハラ、事故や労災隠しなどが常態化しているんです」
「僕は前職も引っ越し業界。サカイは一部上場企業だし、それなりにちゃんとしているのか、と思い中途採用で就職しました。ですが勤務時間のわりに給与は低く、これらを疑問に思うことがありました。
「長時間労働や給与形態などこれまで何人もの従業員が訴えてきても改善されないままなんです。今回も私たちが問題にしているひとつに時間外労働の長さがあります」(組合関係者)
「最高で120時間を超えたことがあります。中には150時間という人もいました」(前出・大森さん)
疲労困憊、死亡事故も
「過重労働なんてレベルじゃないですよ。完全に労働基準法違反ですよ。150時間働かされている証明は必要ですが、労働基準監督署に申告すれば調査に立ち入り、会社側に指導をします。場合によっては検察に送って刑罰対象にしてもおかしくない。こうした状況は改善しないとだめです」
「事故を隠す管理職もおります。高速道路で工事車両に突っ込んだり、物損だけでなく、人身事故を起こし、亡くなった人もいます」(前出・組合関係者、以下同)
「特に残業が長いのはトラックのドライバーと主任など中間管理職と営業職。営業職は業務外でも対応しろ、と言われていて休日でも深夜でも業務用携帯で仕事をしている。“見えない鎖につながれている”なんていう人もいます。
“仕事が忙しくて夫が帰ってこない”と心配する従業員家族も少なくありません」
「給与は6万~8万円の固定給+歩合です。1日の引っ越し代金の中から数パーセントが上乗せされるシステムなんです。そこにさまざまな手当がプラスされ、支給されます。どれだけ件数をこなすかで給与は左右されます。
「みんな給料を取るか、自分の時間を取るかの選択を迫られているんです。会社はどんどん低価格化を進めており、そうなると従業員の給与も必然的に減るんです。人手不足で数もこなさないと手取りで20万円ももらえません。勤務中に休憩時間を削ってでも1件でも多く現場を入れようとするのは珍しいことじゃない」
「一般的に基本給6万~8万というのは労働基準法27条に違反する疑いがあります。厚生労働省の解釈で基本給は、“少なくとも平均賃金の6割程度を補償することが妥当”と言っています。また、保障給がない場合は刑罰対象になります。保障給部分を上げるように組合で運動していくことが重要」
従業員が抱える不満、パワハラの温床にも
「威圧的で怒鳴り散らす上司からのパワハラによって心の病になってしまう人もいます。上からパワハラを受けて業務にあたっていた若手が管理職になったとき部下に同じことをする。負の連鎖が起きています」(前出・組合関係者、以下同)
「会社の言い分としては部屋をきれいに使っているかの確認、だそうです。会社の弁護士も会社の管理物件だから問題がないと言いますが……」
「左遷をちらつかされているんです。本社で部長クラスであっても会社にたて突くと見せしめのように一支店の支社長に異動させられることがあります。肩書も給与も下がる。その恐怖を管理職は持っていると話す人もいます。役職を上げたり下げたりして意思をコントロールしている。同じ支社で落とされるのは管理職にとってキツイ。これも会社からのパワハラではないでしょうか」
「こうした前時代的な会社経営を続けている原因はトップダウンの親族経営であることも理由として考えられる。本社の役員会が機能しておらず、これまでの問題が改善・再発防止されていない。会社は社員ではなく株主のことしか考えていない」
社員の幸せはいずこへ
「“社員の幸せを求めて”とあるんですが何を言ってるんだと思ってしまいます。労働時間が長いため家庭を顧みられない、給与が低いなどの事情から離婚に至った社員も多いそうです」(前出・大森さん、以下同)
「会社の弁護士は“宮前支社に労基署から長時間労働の指導が入り、今後は全社で長時間労働がないようにする”と言っています。ですが組合員以外の社員は変わらず80~90時間の残業。組合員だけが残業が極端に減りましたが同時に引っ越し現場も割り振られないので給与の支給額も減り、手取り20万円以下の組合員もいます。
「子どもが生まれたばかりの組合員がおり、いくら早く帰れても20万円に満たない手取りでは生活できません。社員は副業禁止なのでバイトもできない。これは僕たちに死ねってことなんですかね。会社は僕たちを解雇するのではなく、自主退社をうながそうと圧力をかけているんです」
「交渉中のため取材は控えさせていただいております」
「会社側からは残業しないことで現場が減り、落ち込んだ給与への補償はない、と言われました。14万でも頑張ってもらわないと、と……。歩合給が7割の現状で僕たちもこの給与額では生活が厳しい。せめて手取りで20万円はもらえたら……」
「PANDA BAMBOO LEAF JAPAN(通称・笹の葉会)という支援団体も立ち上がり、活動を支えてくれています。厳しい状況ですがみんなで乗り越えたい」(前出・組合関係者)
「経営者はきちんと法律を守らなければなりません。8時間労働でちゃんとした金額の給与が支払われ、家族との時間や自分の将来を考える時間を過ごせるように、企業も変わらなければなりません。労働基準法を守るのは当たり前。ですが、それすら守っていない企業は、その規模を問わず多いのが現状です」
「お客様に直接“ありがとう”って言ってもらえるこの仕事にやりがいは感じています。でも1日に何件も引っ越し現場が入るとやっぱり集中力は切れていきます。トラックの運転、大きな荷物の運搬、常に事故やケガと隣り合っているのも僕たちの仕事です。ほかの社員のためにも会社の方針を変え、一緒に仕事を続けていきたいんです」