本当の心
ある朝銀時は夢を見る。
それは攘夷時代の一幕。あの時は言えなかった本当の心を、寝言で呟き。
それを土方と沖田は耳にする───……
☆斎のサイトで80000hit記念に書いた小説。短篇のつもりだったのに、文字数が半端ないことになっていた……
☆10/21追記:い、一日でブクマ30超えたのは初めてかもしれない…っ
無駄に長い小説読んでくださってありがとうございます(_ _)
☆12/4追記:100usersありがとうございます!!
☆2016/3/23:何か地味に評価し続けられて…800users感謝
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「…俺、他の隊に配属してもらえるように、桂さんに言ってみようかな」
ピタリ、と。
その言葉に部屋に入る足を止める。
部屋の中には先程の戦で負った怪我の治療や武具の手入れをしている攘夷志士が数名いた。
そう言った志士に他の志士が顔を向ける。
「他の隊に? 何でまた」
「…怖いんだよ」
「怖いって…そんなのどこの隊に居たって同じだろ。天人と対峙すんのが怖いなら、戦自体抜けた方が良…」
「違うって。天人が、怖いんじゃなくて……」
──白夜叉が、怖い。
その言葉が静かに波紋した。
暫く沈黙が降り注ぎ一人の志士が頬をかきながら困惑したように口を開く。
「白夜叉はお前らの隊長だろ? 白夜叉のおかげで、鬼兵隊や桂さんの隊や坂本さんの隊よりも死人が少ないって聞くが…」
「…実は俺さ、さっきの戦で白夜叉に助けてもらったんだよ。天人から殺されそうになって」
「じゃあ何で」
「…近くで、見たから。戦う白夜叉を。白夜叉は、人間より遥かにデカい天人を、一太刀で斬り伏せたんだ。ソイツの血で真っ赤に染まったアイツを見て、思っちまった」
鬼だ、って。
その志士は少し震える手で目を押さえる。
「本気で、思った。目の前のコイツは、人間じゃないって。天人よりも、化物だって。そんな風に思った俺は、もう白夜叉に従えない」
怖くて、仲間とは思えない。
そう言い終わる前に、戸に寄りかかっていた銀髪の青年は、その場を去った。