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子どもに「徳」を積ませる2つの習慣

子どもに徳を積ませる方法についてお伝えしたいと思います。

簡単に言うと、「徳を積む」というのは、良い行いをすれば、いずれ必ず良い結果となって返ってくるという意味合いになります。人間としての気品や品格のような感覚で捉えていただければいいかもしれません。あるいは、「この人には何かオーラがあるな」「気品があるな」と感じるようなイメージでもいいと思います。

習慣①:毎朝の掃除を家族で行う

では、具体的にどうやって徳を積ませるかということですが、私は「掃除の習慣を身につけさせる」ことがとても大事だと考えています。

わが家では、毎朝家族で掃除をする時間を設けています。うちの子が生まれたときからずっとそうですが、2歳や3歳くらいになると、掃除の真似ができるようになってきます。

朝起きて、「おはよう」と挨拶した後、一緒に体操をして、その後に5分ほど室内でレクリエーションをしました。それから、家族で掃除を始めるんです。

例えば、「今日は窓拭き」「今日は床のモップ掛け」「今日はトイレ掃除」というように役割を分担して、一緒に掃除を進めます。最初はやり方を見せてあげて、それから子どもにもやらせてみる――毎朝、「今日はここを掃除しよう」と一緒に取り組んできました。

この習慣は、息子が今14歳になった現在も続いています。

掃除がもたらす心への効果

掃除をすることで、私自身が感じるのは、心が落ち着き、スッキリするということです。

人間の心は目に見えません。世間の波に揉まれて汚れた心を直接取り出して磨くことはできません。けれども外にあるものを磨く行為で、心がきれいになる効果があるのを実感しています。

汚れているものがきれいになるのは、良い効果を生みます。結果的に、自分の心が磨かれていくわけです。たまにやるのではなく、毎日続けて、できれば朝一番にやると、気持ちのいいスタートが切れるようになります。

掃除で育つ「気づく力」

また、掃除の取り組みで「気づく人」になれるとも感じます。「ここが汚れているな」と、ちょっとした箇所にも気づけるようになるんです。

息子を見ていても、自分で汚れているところに気づいて、私が何も言わずとも片付けたり拭いたりするようになりました。逆に、私が「お父さん、ここ汚れてるよ」と指摘される場合すらあります。

これは掃除に限らず、人生のいろんな場面で気づけ、配慮できる人になれると思います。

感性と集中力を磨く瞑想効果

さらに、掃除には感性を磨く効果もあると感じています。感動する心や感謝の心が育まれるし、瞑想のような効果まであるんです。

毎朝無心で掃除をしている時間は、私にとってちょっとした瞑想の時間でもあります。家族全員が無心で掃除に取り組む中で、自分自身の心が整っていくのを感じています。

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イエローハット創業者の実例

掃除の話をするときに思い出すのが、イエローハットという会社の創業者・鍵山秀三郎氏のエピソードです。

戦後、イエローハットを立ち上げた鍵山氏は、社員教育の一環として自ら率先してトイレ掃除を始めたそうです。社員には強制せず、自分だけで毎朝トイレ掃除を続けました。つまり模範を示し続けたのです。

10年経つと、ぽつぽつと手伝う社員が出てきて、20年を超える頃には全社員が一緒にトイレ掃除や事務所周辺の掃除をするようになったそうです。それに比例するかのように取引先からの信頼も高まり、会社は爆発的に発展、全国展開を果たしたのだと言います。

鍵山さんは「徳を積み続けた結果がこういう素晴らしい成果につながった」とおっしゃっています。

「謙虚になれる」、「気づく人になれる」、「感動や感謝の心が育まれる」、「心が磨かれる」、これが掃除の効用だと感じます。わが家でも、息子が小さい頃から毎朝掃除を続けてきて、現在に至っています。住環境を快適にする行為は、心を整える効果につながるし、子どもに徳を積ませる良い方法だと実感しています。

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習慣②:お手伝いを継続させ、年齢と共に増やす

もう一つ、子どもに徳を積ませる方法として私がこだわっているのは、「毎日数々のよい習慣を継続させる」ことです。掃除以外のお手伝いにも良い効果がたくさんあります。

3歳から始めた洗濯物たたみ

息子が3歳か4歳の頃からお手伝いをさせるようになりました。最初は洗濯物畳みをお願いしたんです。

「君は今は小さくても、あっという間に大人になるよ。大人になるっていうのは、当たり前のことを当たり前にできる人を言うんだよ」と話しました。

「毎日服を着替えると洗濯物が出る。それを洗って、干して、乾いたら取り込んで、たたんで元の場所にしまう。それを毎日できる人が大人なんだよ」

そのように聞かせて、たたみ方を教えて、やってもらうと、最初は面白そうにやってくれました。

継続の壁を乗り越える親の根気

けれども3日を過ぎると、「もう面白くない」「やりたくない」と愚痴や文句が出始めました。そのたびに、少し角度を変えて似たような話を聞かせて諭し、しぶしぶでも続けさせました。毎日、毎日、愚痴が出るたびに話を聞かせる行為を繰り返しました。

4年くらい経つと、愚痴や文句が減ってきて、5年を経過するあたりからは愚痴文句を言わなくなりました。今では洗濯物を畳んで元の場所にしまう作業を淡々とこなせるようになりました。

そうなると、次々とお手伝いの数を増やしていけるようになります。

親が根負けしてはいけない理由

多くの親御さんがここで根負けしてしまいます。私は研修でも「親は子どもに対して根負けしてはいけない」と話しています。大事なことは何度でも言って聞かせる根気強さが大切です。

小学校に上がって忙しくなっても、「忙しいからお母さんがやっておくわね」と手伝ってしまうのは、やってはいけない行為です。

年齢と共に忙しくなるのは当たり前ですが、理想は年齢と共にお手伝いを増やす取り組みです。そうすると、忙しい中でもやりくりできる力が身につきます。手伝いすぎると、その能力が育たないまま成長してしまいます。

大人だって、仕事や子育て、地域活動をしながら生活していますね。子どもに早くその現実に慣れさせるためには、忙しいからこそお手伝いを増やす育児が大事です。それが人格形成や人間力につながります。

お手伝いで育つ8つの非認知能力

お手伝いには、継続力、忍耐力、責任感、協力の精神、自立心、達成感、自信、感謝の気持ちといった非認知能力が育つ要素が詰まっています。

親の苦労が分かるようになると、「お母さん、ご飯作ってくれてありがとう」という感謝の言葉が増えます。自分がある程度苦労することで人の苦労が分かり、感謝の言葉が出てくるんです。

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14年間の成果:自立した息子の姿

お手伝いを継続させ、年齢と共に増やしていくしつけ方で、うちの子は「あれもできる、これもできる」といった具合に成長してきました。ご飯も作るし、掃除もする――

年々手が離れて、息子の自立も早くなり、去年からは自分で起業しようと動き始めています。今年に入って、さらにその動きが加速しています。


この2つの習慣――「毎朝の掃除」と「継続的なお手伝い」を通じて、子どもの心に徳を積ませることができると確信しています。大切なのは親の一貫した姿勢と、継続する根気強さです。小さな積み重ねが、やがて大きな人格形成につながっていくのです。

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子どもに「徳」を積ませる2つの習慣|大城浩詩(日本エッセイスト・クラブ正会員)
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