なぜ日本ではなく米独立リーグに? 模索していたバウアーに提供された“自由の約束” 米紙が伝えた電撃契約の「舞台裏」
かねてから母国でのプレーを望んできたトレバー・バウアー。彼は今春にその念願をようやく叶えた。とは言っても、舞台となるのは米独立リーグ。MLBとはかけ離れた場所が、新たな拠点となる。 【動画】果たして挑発か? バウアーの「刀パフォーマンス」をチェック 現地時間4月2日、バウアーは自身のXで、米独立リーグ「アトランティック・リーグ」のロングアイランド・ダックスとの契約を発表。女性とのトラブル(すでに裁判で和解済み)をキッカケにドジャースと契約解消に至った2023年1月以来となる“米球界復帰”を果たした。 いわゆるトップリーグでのプレー機会を得る可能性もあった。それはバウアーが自身のXに投稿した動画内で「気前のいいオファーをしてくれたNPB(日本)とメキシコの球団に、最初に感謝したい。KBO(韓国)やCPBL(台湾)の球団に対しても同じだ」と明かした通りだ。それでも彼は母国でのプレーを選択した。 現在35歳の右腕に衰えが見られないわけではない。2年ぶりにDeNAに復帰した昨季は、21試合で4勝10敗、防御率4.51、WHIP1.37と成績が悪化。平均球速が低下した4シームの質が尾を引き、リーグ優勝の使者となるはずが一転、V逸の元凶になった。 それでも日本、メキシコ、そして韓国からオファーは舞い込んでいたというバウアー。ではなぜ、彼はレベルがトーンダウンする米独立リーグでのプレーを決意したのか。 何よりも考えられるのは、ダックスがこれ以上ないほど当人を優遇するオファーを出した影響だ。同球団の社長兼最高事業責任者であるマイケル・プファフ氏は、公式リリースにおいて、「トレバーの才能と知識は、我々の球団にとって重要な財産となる。さらに彼にもMLB球団に現状を見せる機会を提供するとともに、ファンの方々にもかつてないほどチームを身近に感じていただける機会を提供できる」と発言。興行面も含めて、「自由」を提供する意向を示している。 米紙『USA Today』によれば、ダックスは、バウアーに対して、試合中の解説やインタビューも担当させ、出場する全試合と練習でマイクを装着し、SNSやライブ配信のコンテンツ作成を許可するという。自らのYouTubeチャンネルやSNSでの発信に力を入れてきた彼にとって、こうした舞台裏の支援も契約を前向きに進める一因になったのかもしれない。 無論、彼の悲願はあくまでメジャーリーグ復帰だろう。その上でMLBとの業務提携を締結しているダックスが所属するアトランティック・リーグは格好のアピールの場ともなる。 もっとも、決して楽な挑戦ではないのも確かだ。過去に1450人以上の選手をMLB球団に移籍させた実績を持っている同リーグだが、そのほとんどが10代か20代前半の若手たち。最盛期を越えたバウアーに、メジャーのスカウトマンたちが目を向けるかは不透明だ。実際、米メディア『TMZ Sports』も「この契約がメジャーリーグ復帰に繋がるか、単にYouTubeの視聴者数を増やすだけかは微妙なところだ」と論じている。 いずれにしても、母国でのプレー再開は決まった。真価の発揮を求められる新たな舞台で、バウアーがどれだけの成績を残すかに注目だ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]
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