その校則、本当に必要?対話を通じて校則を見直す取り組み
今回のテーマは「その校則、本当に必要?対話を通じて校則を見直す取り組み」
髪の毛の色を黒く染めさせられる。下着の色は白のみ。このような理不尽な校則、いわゆる「ブラック校則」への注目が高まる中、生徒と先生などの対話によって校則を見直そうという動きを取り上げます。
自動販売機が自由に使えず、熱中症に
まずは、認定NPO法人カタリバのサポートのもと、現在、全国11校が参加する「みんなのルールメイキングプロジェクト」について。参加校の1つ、栃木県立足利清風高校ではこのような事例がありました。
「自動販売機の利用時間がすごく制限されてたんですね。朝と昼休みと放課後しか使えなかった。ただ夏はものすごく学校の中が暑くて、熱中症とかで搬送されるような生徒さんとかも中にはいらっしゃって。具合が悪くなってしまう子が多くなってしまうので、10分休みとか、基本的には自販機の利用制限の排除というようなところを実際に変えた」(「みんなのルールメイキングプロジェクト」事務局・古野香織さん)
短い10分休みの間に自販機で飲み物を買うと授業に遅れてしまうのではないか、という懸念が学校側にあったようです。ですが先生と生徒が話し合って、最初の5分で買いに行き、授業に遅れないよう気を付ければいいという結論に落ち着き、自販機の利用制限は撤回されました。このように「みんなのルールメイキングプロジェクト」では見直すべき校則について、対立ではなく対話によって、納得できる解決策を生み出すことを目指します。
広島県立安田女子中学高等学校における活動の様子
校則が無い学校で、髪染めを指導?
一方、校則に関して独自の動きがあったのが、東京都立北園高校です。通称「自由の北園」。私服校で校則はなく、生徒手帳には注意事項として「高校生として学ぶ場にふさわしい服装頭髪で学校生活を送る」とだけ書かれています。そんな北園高校で今なにが起きているのでしょうか?
「金髪とか明るい茶髪とか、髪を明るく染髪している生徒に対して先生が個別に声掛けをして染め直してくるようにと言ったり、あとは時々、一斉の頭髪検査が行われたりということもありました。髪染めは高校生らしくないからとか、君たちはその格好で受験の面接とか行くのかいとか、そういう感じのことをおっしゃっていて、理屈での説明はないといった感じですね。明確な理由もなしに、その人の権利を侵害したり制限することはできないはずなんですよ。」(東京都立北園高校の元生徒会長、現在高校3年生の安達晴野さん)
このような指導が行われるようになったのはここ10年のことだそうで、中には、地毛が元々茶色いのに注意されたという人もいました。安達さんは、ちゃんとした理由や説明がないままに指導が行われている点も問題だと指摘します。この状況に対し学生側は、問題提起をすべく、生徒や学校関係者への取材をまとめた動画「北園現代史」をYoutubeに公開したほか、学校側に意見書を提出したり、校内でプラカードを掲げるなどしました。
東京都立北園高校の安達晴野さん
抗議行動を受けて生まれた対話
北園高校では、生徒達の訴えを経て、最近学内で変化があったということです。
「担任の先生が結構しっかりとプラカードに向き合ってくださいまして、クラスのホームルームの時間とかに頭髪指導についてみんなで考えたり、今年度の生活指導部の先生方は結構生徒との対話にも前向きに取り組んでくださっていまして、今後生活指導部の先生方と生徒会との話し合いの場が設けられる予定です。」(東京都立北園高校の元生徒会長、現在高校3年生の安達晴野さん)
この先生達との話し合いの場は、1回限りではなく継続的に開催していけたらと考えているということです。また安達さん個人は「みんなのルールメイキングプロジェクト」に中高生メンバーとして携わり、イベントの場で北園高校の事例を発表したり、他校との情報共有を行っています。
対話による校則見直しをサポート
「みんなのルールメイキングプロジェクト」事務局の古野さんは、校則の見直しを終えた生徒や先生達の反応で印象的だったことをこのように話しています。
「まさかルールなんて変えられると思っていなかったっていうような声が上がって、すごく印象的だったなと思います。これから校則を見直していきたいとか、既に校則の見直しに取り組んで、変えてみたけれどもプロセスはこれでいいんだろうかというような先生方とか生徒さんにカタリバとして間接的なサポートをしていきたいという風に考えています。」(「みんなのルールメイキングプロジェクト」事務局・古野香織さん)
広島県立安田女子中学高等学校における活動の様子
校則に関する課題を抱えている学校関係者の方、「みんなのルールメイキングプロジェクト」のパートナー校は現在も募集中です。詳しくはホームページ(https://rulemaking.jp/associate)をご覧ください。
(担当:中村友美)