体の自由と声を失っても「生きればいいじゃん」 ALS患者の「ニャンちゅう」声優・津久井教生さん 視線でパソコン操作し書き上げた闘病記 妻の言葉に背中押され
―特に読んでほしいところはありますか。 「どこも読んでいただきたいものばかりです。申しておきたいのが、これはALSのことに関しての答えを書いた本ではないということです。なぜなら、ALSは、患者の数だけ、種類があると言われる難病なのです。ですが、いろいろな共通点はあるはずなのです。確かに私のALSの体験談ではありますが、そういう共通点がきっとあるのではないかと希望を持っています。私のALSがどんな病気なのかを知っていただけたらうれしいです」 ▽妻の「外出したいね」に揺れる心 ―ご自分のブログでも闘病する日々を発信し続けていますね。それはなぜでしょうか。 「ええかっこしい、の精神を自分自身でも大切にしているつもりです。難病に罹患してしまったけれども、どうせならば元気に自分の置かれている状況や状態をお伝えしたい。ALSという難病を皆さんに知ってもらうのであれば、できる限り事実をしっかりとお伝えすることが大切だと思います。罹患した当事者の私が、読みやすく発信していこうと思うのです。そして、私らしく、ALSに罹患したことを暗く捉えずに、発信できると良いんじゃない? なーんていうのが原動力だと思います。読んでくださっている皆さんから、たくさんの“元気玉”をいただいていると思っています。本当に感謝しています」
―最近はどのように過ごされていますか。 「今年の3月で、外出をしなくなって2年が経過しました。アウトドア派の私としては驚くべきことです。ALSに罹患しても、気管切開をするまでは、ギリギリまでお仕事をやらせていただきましたし、積極的に車いすを使っていました」 「しかし、呼吸器を装着して車いすに乗ると、思ったよりも人の手がいることが分かりました。周囲は車いすでの外出を勧めてくれたのですが、私は介護ベッドの上の空間で、どれだけ充実して過ごせるかを追求し始めてしまったのです。そして、2年以上が経過しました。すっかりとインドア派に転身してしまった私がいます」 「もともと音楽やビデオ鑑賞は好きでしたし、スポーツ観戦は好きな野球チームとサッカーチームを全試合、観戦してしまいました。今年は冬季オリンピック観戦、それが終わると、WBCの観戦と結構充実しています」 「できることをやっていって、楽しいことを探していった結果だと思っています。気持ちは充実しています。ただ、妻の『一緒に外出したいね』の一言には心が少し揺れています」