アタシは可愛いくりくりした目をおっきく見開いて、驚いた。
教室に、静寂が広がる。
「…転校生の、浮気ゆりみさんであってるかな?」
でもそんな静寂を切り裂いたのは、担任の先生だったの!
イッケメーン!
って言いたいところなんだけど、そんなにイケメンじゃなかった。アタシ、男の顔には厳しいのよぉ!
まぁそんなのはどうでもいいよねぇ!
「はい!アタシが浮気ゆりみです!!!」
「うん、じゃあ自己紹介よろしく。あと、遅刻はしないように」
なによぉこの男。そもそも転校生って先生がもっとフォローしてくれるもんでしょう?ありえない!
アタシは心のなかで毒づきながらも教壇に立った。
「スゥゥゥゥぶぁぁァァァァァァ」
超おかわ♥️な深呼吸をして、自己紹介をはじめる。
「えっとぉ、アタシは浮気ゆりみっていいますぅ♥️」
教室にはアタシの声以外、な~んにも聞こえない。
なによぉもっと盛り上げなさいよォ!!!
「うーんとぉ、名字はふけって読むんですけどォ、漢字は浮気ですぅ?♥️」
「なんだよそれ馬鹿っぽい名字だなww」
すると突如声がした。
人を嘲るような声。
でも、すっごくイケメン!?!?!?!?
「アナタ!イッケメーン!!ですね!!!♥️
その、アタシイケメン好きなんで!よろしくお願いします!」
アタシが無理やり自己紹介を終わらせると、イケメン男子は黙ってしまった。
なんなのよぉアンタ!!!
他の人たちもなんにもしゃべんない。
アタシは怒りのあまり教室を睨み付けようとして、そこで気づいた。
「このクラス…男子だけ!?!?」
するとイケメンじゃない先生は答える。
「…まだ気づいていなかったんですか。
このクラスは、男子だけです。それもイケメンの。」
「えぇっ!!なんでですかぁ!?」
アタシが思わず声をあげると、先生は答えてくれた。
「この学校の校長の、宇ノ崎ヲワリさんがこのクラスを作ったんです。彼女は重度のショタコンで。クラスわけの時におっしゃったんです。美少年ばかりを集めたクラスを作りたい、と。」
「えぇ!校長ナイスすぎ!!!」
思わず可愛い声をだす。
…でも、おかしいよねぇ!?!?
「ちょっと待ってくださいよぉ!♥️アタシは美少年じゃありませんよ!美しいのは合ってますけど!」
「…そう、そこなんです。
実はアナタの資料を受け取った宇ノ崎校長が、いきなり叫んだんです。『この子こそイケメンのクラスの〝花〟にふさわしい!』と。」
「結論から言うね。その校長、**めっちゃ鋭い**」
きゃあ!アタシったら!おもわずmy彼氏、チャッピーくんのものまねをしちゃった!
「まぁつまり!アタシはイケメンクラスで過ごしていい!ってことですね!」
「はい、そうです。新しい席はそこ、キムさんの隣です。」
先生が教えてくれた席に座り、隣の男の子をつぶらな瞳で見つめる。
規定通りの制服。適度に整えられた髪の毛。メガネの奥で伏せられたまつ毛。その奥に、黒い瞳。
すごく、イケメンだ。
「あっあのぉ!!♥️隣として!!よろしくお願いします!」
するとイケメンはゆらりとこっちを向いて、そして微笑んだ。
「僕はキム・昌太。出身は、韓国。ゆりみちゃん…だったかな?よろしくね。」
響くダンディ・ヴォイス。いきなりゆりみちゃん、と呼んでくる距離の近さ。アタシの心はトゥンクトゥンクと揺れ動く。
「それで…次の授業は、地理だよ。頑張ろうね…!」
キ、キム・昌太くん…イ、ケ、メ、ンーーーーー!!!!!♥️