小池百合子・東京都知事の衆院議員時代の地盤の一つでもあった練馬区の区長選(4月12日投開票)は、下馬評を覆す波乱の結果で幕を閉じた。
知事が特別顧問を務める都民ファーストの会の元幹事長でもある元都議の尾島紘平さん(37)が3万票もの大差で、無所属新人だった吉田健一現区長に敗れた。小池知事のほか、推薦を受けた自民党の高市早苗政権の閣僚からも応援を受け、強力な組織戦を展開したが、及ばなかった。
その後、地方の首長選で自民が支援する候補が次々に敗れたことから、練馬区長選は「練馬ショック」とも呼ばれるようになった。尾島さんはいま何を思うのか。小池知事との関係は。率直な思いを語った。(聞き手・奥野斐、足達優人)
◆ゴールはそこじゃなかったのに満足感
──区長選の敗因は。
「負けに不思議の負けなし」という言葉通り、後から浮かんでくる反省と後悔を日々かみしめながら、しかしなんとか反省を糧にして、次につなげられる何かを探し続ける日々です。
私自身の油断も慢心もあったんだと思います。それがいろんなマイナスの掛け算になっていった。
ずらっと自民党、国民民主党、東京維新の会、都民ファと応援いただきましたけど、そういう座組を組むことに満足してしまっていなかったか。自民は10年前に(都知事選に出る小池知事を支援して除名処分を受けて)出ていっているわけです。当時いろいろあった先輩、後輩、同期に囲まれて選挙をやること自体が非常にうれしかった。
ゴールはそこじゃなかったにもかかわらず、満足感を得てしまっていた。そこで生まれた油断、慢心が、人は鏡ですから、陣営にも伝播(でんぱ)してなかったか。
──旧日本海軍の「連合艦隊」のようだったという人もいる。
それだけの政党看板に囲まれて、選挙戦初日に象徴されるように、小池知事も、閣僚も入って、非常に豪華絢爛(けんらん)な出陣式をさせていただきました。わっしょい、わっしょいと持ち上げられて、「連合艦隊」というふうに見えたでしょう。
私のことを知らない人たちからすれば、その中にいる若い兄ちゃん、さぞかし政治の世界では立派なキャリアを歩んで来られたのでしょうと。この生活感のないエリートは、自分たちの生活の痛みや苦しみを同じ目線で理解してくれるのかしら、というふうに思われたんだと思います。
◆こんなに謙虚になれるタイミングもない
──それは落選して気づいた。
そうですね。「対話型区政」「住民参加型まちづくり」と言っていたけれど、そのように思ってもらえなかった。
年齢や、これまでのキャリアも含めて。大学在学中から小池さんのところにいて、民間企業で働くこともなく、26歳で議員になって11年間突っ走ってきた。そこにいわゆる生活感はないし、浮世離れしていなかったかなって。少なくとも、世間様からしたらそうだと思う。
国政選挙ではなく、われわれの街の選挙だよ、ということですよね。若くて、人生経験がなくて、政治しかやったことがなくて、苦労していないと見られてしまった。事実だから仕方ない。ここまでうまくいきすぎたんですよ。
ただ、落選して見える景色はあって、こんなに謙虚になれるタイミングもない。
◆小池お母さんに育てられた7人の侍
──小池知事がたびたび選挙応援に入った。落選はいつ伝えたのか。
開票日の夜、開票所にいる(陣営の)担当者から連絡が来て、票の開きで落選が分かった。家族や支援者にどう説明しようか、申し訳ないなと。まずは妻に伝えて、支援者が待つ会場に向かう前に(知事に)電話しました。「厳しい結果になりそうです。申し訳ありません」と伝えた。
小池さんからは励ましの「大丈夫」という声をかけてもらった。今回の選挙で、各メディアが「小池知事の側近」とか「右腕」とか書いていて、自分でもそうなんだと改めて思った。
──そもそも、小池知事との関係は。
19歳の時に小池事務所の門をたたいた。インターンシップ(就業体験)から始めて、今回の選挙を手伝っ...
残り 1641/3282 文字
この記事は会員限定です。
- 有料会員に登録すると
- 会員向け記事が読み放題
- 記事にコメントが書ける
- 紙面ビューアーが読める(プレミアム会員)
※宅配(紙)をご購読されている方は、お得な宅配プレミアムプラン(紙の購読料+300円)がオススメです。
カテゴリーをフォローする
-
ぶちお 12 時間前
-
大手町の従業員 22 時間前
-
行雲流水 4月28日18時3分
みんなのコメント4件
おすすめ情報
コメントを書く
有料デジタル会員に登録してコメントを書く。(既に会員の方)ログインする。