来年3月で閉校予定の西岬小学校(館山市)の5、6年生の児童らが、学校の敷地内にあるハマボウの木を、学校があったことの証として地域のシンボルにしようという取り組みを始めた。苗木を育てて地元の人たちに配り、それぞれ庭などで育ててもらう。14日には樹木医などの手も借りて、苗木として育てるため、ハマボウの枝の挿し木作業をした。子どもたちは「ハマボウで西岬をきれいにしたい」との思いで閉校までの約1年間、苗木の世話をすることにしている。
ハマボウの木は、学校の正面玄関近くに立っている。県のレッドデータブックでは、重要保護生物にランク付けされている。高さは3・5メートルほどで、毎年7~8月にレモンイエローの花を咲かせ、子どもたちからも、地域の人たちからも、学校のシンボル的な存在として親しまれてきた。
少子化で児童数が減り、学校が来春で閉校になるのを前に、子どもたちは総合学習で「西岬地区に残したいもの」をテーマに話し合いを重ねた。その中で今回の「西岬小学校のハマボウを残そうプロジェクト」を企画した。
プロジェクトでは、ハマボウの親木から剪定(せんてい)した枝の挿し木をし、子どもたちが育てた苗木を地域の人などに配る。ハマボウを西岬地区に増やしていくことで、観光の一助にもなればと思いを込める。
14日の挿し木作業には、市内の樹木医、齊藤陽子さん(79)や学校の歴代PTA役員らで組織する「岬会」、地元の住民なども協力するために集まった。この中には、2024年8月2日付房日新聞に、このハマボウの木について「シンボルとして残されることを期待します」と寄稿した市内の山根秀人さん(76)も姿を見せた。
この日の作業で子どもたちは、「2芽以上残して剪定する」などのコツを齊藤さんに教わりながら、ハマボウの木から挿し木をするのに適切な太さの枝をのこぎりで剪定した。この他、あらかじめ3月末に剪定して冷蔵庫で休眠させていた枝も持ち出し、土を入れた植物用のポットに1本ずつ、丁寧に挿し込んでいった。
田邉未陽さん(5年)は「(ハマボウの)花言葉が『楽しい思い出』と聞いて、最後の1年にぴったりだと思った。ハマボウを残して、きれいな西岬をつくりたい」と笑顔で話していた。
この日、挿し木をしたのは100本。子どもたちは、これから約1年をかけて育てる。成長した苗木は地域の人たちに配ることにしているが、具体的な方法などは今後、子どもたちが自分たちで考えていくという。
(島袋立夏)
会員登録ですべての記事が読み放題
登録月無料