政府、外国人の「経営ビザ」要件を厳格化 資本金500万円→3000万円に
政府は日本で起業する外国人向けの「経営・管理ビザ」の要件を厳格化する。資本金の要件を500万円以上から3000万円以上に引き上げる。経営者の経歴や学歴の要件も新たに設け、本来の目的から外れた不適切なビザの取得を防止する。
出入国在留管理庁がパブリックコメント(一般の意見公募)を経て、10月に省令の改正を目指す。
経営ビザは現在、日本での事業所の開設に加え、「500万円以上の資本金を準備」もしくは「2人以上の常勤職員を雇用」のいずれかを満たす外国人に発給する。最長5年の在留を認める。
このビザの要件を見直し、必要な資本金を現行の6倍の3000万円以上に引き上げる。「1人以上の常勤職員の雇用」とともに必須条件とし、両方を満たすことを求める。
新たに経営者の経歴・学歴の要件も設ける。「3年以上の経営・管理経験」または「経営・管理に関する修士相当以上の学位」を盛り込む。在留資格の決定時には原則として、公認会計士や中小企業診断士による新規事業計画の確認を義務づける。
経営ビザでの在留者は2024年におよそ4万1000人と5年前に比べて5割増加した。制度を悪用し、経営実態のないペーパーカンパニーを申請して日本に滞在する外国人が増えているとの指摘がある。国会でも「手軽に定住するための抜け穴になっている」という意見が相次いだ。
入管庁によると、韓国では同様のビザに必要な資本金を3億ウォン(約3200万円)、米国は10万〜20万ドル(約1500万〜約3000万円)ほどに設定している。日本での取得条件は諸外国に比べて緩いと言われていた。
14年の入国管理法の改正により従来の「投資・経営」ビザが「経営・管理」ビザに変更された。外国人による日本での起業を促し、経済の活性化と技術・サービスの多様化につなげる狙いがあった。
要件の厳格化は不正な在留を防止する一方、取得のハードルが上がれば日本での起業の意欲がそがれるおそれもある。
制度改正に向けて入管庁が開いた有識者会議では、資本金の引き上げについて「まじめに経営する意欲をもつ人の排除につながりかねない」という意見も出た。「在留資格の更新時の調査を厳しくするべきだ」との指摘もあった。
経営実態の把握も強化する方針だ。入管庁の幹部は「すべての企業を調査するには人手が足りない」と話す。現在は申請書類に不自然な点があった場合などに限り現地調査を実施しているという。
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(更新)- 加藤雅俊関西学院大学経済学部教授ひとこと解説
妥当な措置と言えるだろう。外国人に限らず、人的資本(学歴、職歴など)の水準が高い起業家(経営者)による企業のパフォーマンスは高いことが広く知られている。起業の数自体が増えても、質が伴わなければ経済活性化は実現しない。
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