あれ…なんかやっちゃいました?
無自覚な男はいらいらする。
無自覚なシャニPはムラムラする。
ハーレム系Pドルでお願いします。
若干の下ネタが入ります。
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『お〜い、冬優子〜、ちょっと待ってくれー!』
…
『あ、いいよ、こういう重い物は男がー…っと』
……
………
『んっ…!これ美味いぞ…!冬優子も―――』
………
…………
……………
「……ムカつくわあいつ」
開口一番。
足を組み腕を組み、黛冬優子は口を開いた。
「へ?どしたん冬優子ちゃん〜、おこ?」
「おこっす!」
素早く聞きに回る和泉愛依とニューロンより早く何となくの言葉を繰り出す芹沢あさひ。
これをもってストレイライト。
「あいつよあいつ、ふゆがあいつって言ったらあいつしかいないでしょうが。ムカムカすんのよあいつ」
ガタガタと組んだ足を貧乏ゆすりする事で何とかその怒りを紛らわそうとしているようだがその太ももがぷるぷると揺れる。
あさひがそれを指でつっつこうとしたが愛依にやんわりと止められた。火に油だからだ。
「なになに〜プロデューサーまたなんかやっちゃったってやつ〜?」
「あ!それ知ってるっす!なろーって言うんすよね!」
てへへ、というよりときょとんとした顔で「なんかやっちゃいました?」とヘンテコなポーズを決めるあさひは冬優子の話を聞く気はないらしい。
「なんであんたそんな変な知識も付けてんのよ…まぁいいわ」
若干あさひにもむかっとしたが今の矛先はあいつの方だ。
なんかやっちゃった系プロデューサーの方。
「それで〜?何にそんなにムカついてん〜?」
「…あいつ、たまにドジって時間ギリギリに来ることあるじゃない」
アイドルもそうだがそれを支えるプロデューサーも多忙な職業。
ましてや抱えている人数とその仕事に全力な人柄が合わさればそれはもう。
「あ〜、あんね〜ギリのやつね」
「ぎりっす」
意味のない阿吽の合いの手を挟む白い物体𝐗を冬優子はじろりと睨むがため息を一つ、静かに目を閉じる。
だが𝐗につられたのか今度は愛依が話を脱線させる。
「まぁ、プロデューサー事務所に泊まんの社長にダメって言われてるっぽいし。あ!前さ〜それで怒られてるプロデューサーにバッタリあって―――」
楽しそうにペラペラと話しだす愛依
それはそれで気になる話だ。が、今はこっちの番。
愛依にもじろりとした視線が向けられた。
「………」
「あ、ごめんごめん、どぞどぞ〜」
てへへ、とにこにこしながら「今は冬優子ちゃんのターンだよね」と笑う愛依に冬優子ははぁっと息を吐き仕切り直した。
「そうそれで、ちょっと締りのない格好して髪もなんか無造作で…走ってきたからって汗かいちゃって襟の所パタパタやってるじゃない?」
「……んー…やってんね…」
「そうなんすか?それ何時くらいなら見れるっすか?冬優子ちゃん教えて欲しいっす!」
やってる、とはdoの意か否か、愛依は想像にかたくないその光景に微妙な顔で同調する。
してあさひはというと猫缶の音を聞いた猫のようにピクリとその話に食指を向ける。
もちろん冬優子はそれを無視する。
今は冬優子のターンなのだ。
「あれね……くっっっっ―――」
「あーダメダメ!冬優子ちゃん、一応ク○はNGっしょ」
アイドルにとってのNGワードをすんでのところでカバーする。
結果
「―――っっ……あ゛~もう!!」
発散の行き場を失った冬優子渾身のタメは霧散しきれずク○というワードとどっこいどっこいだろうがなり声となった。
「あはは〜、まっ気持ちはわかっけどね〜」
(実際めちゃ捗るし〜………)
そう、わかる。わかってしまう。冬優子の言うあいつとやらはそんな無自覚ムーブを高頻度でする。事務所では逆アイドルムーブに皆心を乱したりしている。
そんな時バタバタと扉から廊下へと誰かの急ぐ音。
ここまで来ればここにいない件のアイツが帰ってきたのだと2人と𝐗は考えるより先に知った。
そしてガチャっとその本人が顔を出した。
「っとただいま戻りました!」
「お〜、おかえりぃプロデュ―――」
「あんた遅いのよ打ち合わせ―――」
「ん!プロデューサーさん今―――」
急いで来たその人物は整えられた髪も走ってきたからか幾分か無造作に、少し汗ばんだ体を荒れた息に上気させ暑いのか襟を緩めていた。
「 「 「………」 」 」
「ふーっ、悪い悪い。ちょっと遅れ…いやギリギリ、か?ごめんな向こうが長引いちゃってさ」
未来予知かのように冬優子が言った文句の通りパタパタと襟をつまんでその熱を冷まそうとするプロデューサー。
鎖骨の陰影が覗きそこに消えていった汗を3人は追いかけていたせいか無言のまま男を睨めつける格好となっていた。
「 「 「………」 」 」
「…え、なに…怖いぞ、3人とも…」
「クっっっっ―――」
「冬優子ちゃーん?」
「―――っっ……わかってるわよ…」
わかってないだろう。
たぶん言われなきゃ今度こそク○と言っていた。○ソエ○イと言っていた。
それ程までに何とは言わないが扇情的だった。
「……?」
当の本人は「俺、なんかやっちゃいました?」ぐらいの感想しか思っておらず知らん顔。なろう系だ。
そしてそのままその多忙な業務に移行するのだ。
「あー、じゃあ打ち合わせ、向こうの部屋でやろうか。ちょっと資料の方を」
「ああ、これ?いいわよ、こんくらい。……それよりあんた汗でもふいたら?」
目のやり場に困るから、という言葉は唾液と共にゴクリと飲み込みつつ冬優子は言う。
「え?まぁ後でやるよ。こーゆー重いヤツは男がー…っと」
プロデューサーは纏められた資料の入ったダンボールの前に腰を落としグッと腕をまくった。
その腕部の青い血管の陰影がこれまた3人を惑わせる。
「 「 「………」 」 」
「おーい、ドア開けてくれないかー?…あれ、おーい?」
しばらくの間ドアの前でダンボールを抱えてヘルプを出すプロデューサーとそれをじっとりと見つめる3人があった。
「俺なんかやっちゃいました?」みたいな顔をしていたのは言うまでもない。
□ □ □
「―――で、ここが―――」
ペラペラと紙をめくりイベントの段取りの説明をこなす。
「―――で今度向こうでまたリハが―――」
捲られた腕はそのままで、てことは血管のアピールもそのまま。本人には全く気のない無自覚アピール。
「―――ってことで…よし、ここまで大丈夫か?」
3人とも「大丈夫(っす)」とそれぞれ言うがまともに聞いてたのかは定かではない。後で読み直す羽目になるだろう。
「じゃあオッケーだな、次のイベントもいいものにしよう。よろしくな」
(コイツ自分のエ○さ自覚してんのかしら、有罪よ有罪。刑務所にぶちこまれる楽しみにしててくださいってやつよ。当然看守はふゆだけど)
(あー冬優子ちゃんが変な事言うから余計にプロデューサーがセンシティブに見える)
(…………なんか……むかむかするっす…)
3人からの湿度の高い視線に爽やかな笑顔で応対するのだからこの男はタチが悪い。
「あ!そういえばこないだ行ったお店新作出てたんだけど食べないか?めちゃくちゃ美味しそうだったぞ」
(なにコイツいちいちスイーツで子供みたいにニコニコしてんのよ)
(あーむりむり…まじむりプロデューサー、なんか間違いでもいーからいーかんじになんないかな〜…)
(…………スイーツ?…新作…プロデューサーさん…)
当然3人は「食べる(っす)」と言った。何に対してかはわからないが明確な意志を持って。腹ぺこなのは見れば明らかだった、プロデューサー以外は。
□ □ □
「ん、!これ美味いぞ!ほら皆も―――」
スイーツを大きなひと口で頬張ったプロデューサーは目をかっと見張り机を挟んで向かい合う3人の方を向いた。
大の大人がスイーツを口の端にクリームをつけ「あ!これ季節限定のやつなんだけどさ―――」等と言う様は整った好青年の容姿をもって1種の麻薬的煌めきと化していた。
(コイツ…狙ってやってるのかしら……そうだとしたら合意?相思相愛…?)
(やばばばばばばば、やっばプロデューサーやっば…)
(………………むーー…)
「んー…ってあれ皆食べないのか?」
がっついてるのが自分だけなのかと照れつつ指についたクリームをぺろりと舐めるプロデューサー。
その光景にバグったかのような目線を向ける3人に「あ、ごめんごめん。ちょっと下品だったか…」としょんぼりとする様子も相まって―――
「ふゆ今む○む○してるから」
(ふゆ今調整中だから)
「あ、ごめん。えーと、じゃプロデューサー食べちゃおっかな〜♪」
(あ、ごめん。えーと、じゃそのタルトのやつ食べちゃおっかな〜♪)
「…ちょっと、ちょっと顔こっちに寄せて欲しいっす」
(ちゅー…ちゅーぐらいなら…)
―――3人は心の声が出てしまった。
「………ン?」
静寂、点が3つ続いたような静けさと何か耳を疑いたくなる言葉を聞いた男は疑問符。
3人は自分の口をついて出た言葉に「あ…」とやってしまった顔をする。何かやっちゃった系だ。
「……しょーがない…しょーがないのよ」
「……プロデューサーが悪いんだよね〜」
「……ちょっとだけ…ちょっとだけ…」
男が耳の次に疑ったのは目。
2匹の獣と白い物体𝐗の鎌首をもたげるような舌なめずり。
「え、ちょ…待っ―――」
ここまで言って283プロのとある日は幕を閉じた。
もちろん、『何かやっちゃった』系なのは言うまでもないだろう
こういうの大好き♡