日本映画の黄金期に活躍した俳優の月丘夢路さん(2017年に95歳で死去)の主演映画「乳房よ永遠なれ」(1955年、110分)が4月、広島市南区の市映像文化ライブラリーに寄贈された。「戦争と原爆は絶対反対」と言い続けた母の遺志を継ぐ娘の決断がきっかけだった。
ライブラリーは4月1日、広島市立中央図書館とともにJR広島駅南口に移転した。その開館行事で月丘さんの娘、井上絵美さん(66)=東京都=に感謝状が手渡された。井上さんが代表を務める井上・月丘映画財団が、作品の購入費用を寄贈したことへの謝意だった。
こけら落としとして上映された作品を鑑賞した井上さんは「光栄です。母も喜んでいると思います」と語った。
月丘さんは1921(大正10)年、広島市に生まれた。県立広島高等女学校(現・広島皆実高)から宝塚歌劇団へ入団し、娘役トップスターとして活躍。映画出演は170本以上にのぼる。
15歳で故郷を離れた月丘さんが再び広島と関わるようになったのは、原爆投下から8年後、被爆の惨状を描いた映画「ひろしま」(53年、104分)に教師役として出演してからだ。日本教職員組合が資金を出し、市民ら延べ8万5千人以上がエキストラとして出演。大手映画会社と専属契約を結ぶ俳優の出演は異例で、井上さんによると「これだけは譲れない」と主張して無償で引き受けた。
記事の後半では、月丘さんが生前、映画「ひろしま」について語った言葉を紹介しています。
「内容の一部が反米的」 半世紀後に再評価
ただ、完成後、「内容の一部…