被爆者の立場で核兵器廃絶を訴えて2024年にノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の田中煕巳代表委員(93)が3月、埼玉県所沢市の所沢まちづくりセンターで講演した。テーマは「核兵器のない平和な未来へ 次世代へのメッセージ」。田中さんの訴えに耳を傾けた。【高木昭午】
「危険な状況、肝に銘じて」
核兵器がない世界の実現は、皆さんが生きている間にできれば本当に素晴らしいと思うくらい大変だ。核兵器は兵器の名に値しない。兵器ではなく、悪魔の凶器だ。
広島の原爆は1945年末までに14万人、長崎の原爆は同期間に7万4000人を殺した。これは戦争で敵をやっつけたことにならない。全くの殺人行為だ。核兵器は使ってはいけない。持っていると使いたくなるので、持たせない、地球上に存在させないことまで実現しないと人類は安心できない。これを、私たちはずっと訴え続けている。
その悪魔の凶器が地球上に1万2000発ある。うち3000~4000発はすぐ使える。米国とロシアが各5000発、中国、フランス、イギリス、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮が各250~500発くらい持っている。この危険な状況をしっかり肝に銘じてほしい。
発言を禁じられた被爆者
1945年8月、日本の大都市はほとんど(米軍の空襲で)壊滅していた。生き残った人たちが「戦争はもうしない」と心に…
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