街を歩いていても、SNSを眺めていても、やたらと目に入るピンクのマーク。最近よく見るこの炭酸飲料が、サントリーの「ギルティ炭酸 NOPE」だ。
「発売から好調らしい」「かなり売れているらしい」といった話は聞こえてくるが、正直なところ、最初は半信半疑だった。ネーミングは個性的だし、パッケージも主張が激しい。穿った見方をすれば“わかりやすく流行らせにきている商品”に見える。
しかも商品説明には、
・完熟フルーツやスパイスなど、99種以上のフレーバーを掛け合わせた複雑な味わい
・ギルティフードとの相性の良さ
・“ストレス溶解”を中心とした幅広い飲用シーン
と書いてある。……正直、味のイメージがまったく湧かない。甘いのか? 苦いのか? コーラの亜種なのか? 色は黒い炭酸らしいが、それ以上の情報が頭に入ってこない。複雑そう、という印象だけが残る。
そんな「ギルティ炭酸 NOPE」。名前も見た目も主張が強く、正直なところ「まあ、自分向きではないかな」と思ってスルーしていた。それに加え、新しい飲み物を試すのが年々おっくうになってきた、おじさんの悪い癖だ。
とはいえ、SNSでの盛り上がりを目の当たりにすると、さすがに編集者として自分で確かめない訳にはいかない。ということで、飲んでみることにした。
まず思うのは「うまい!?……でも何味なんだ、これ?」という衝撃と戸惑い。甘いのだけど単純ではなく、フルーツっぽさの奥に何かスパイスのような引っかかりがある。何か一つをはっきりと指して「これは〇〇味」と言い切れるほど単純ではない。言葉では説明しづらいのに、なぜかもう一口飲みたくなる。
一方で、爽快感を求めるタイプの炭酸飲料とは方向性が異なる。喉を一気に潤すための飲み物というよりは、「味を感じながら飲む炭酸」といった立ち位置に近い。甘さも決して軽くはないため、好みが分かれる可能性は高いだろう。ただ、その分かれそうな感じこそが、NOPEらしさであり、万人受けを狙うよりも、「自分に合うかどうか」を飲み手に委ねている印象だと感じた。
まとめると、めちゃくちゃ尖った特徴があるというより、たくさんの要素が混ざり合っている感じ。よく言えばやみつきになる、悪く言えばクセ強め。だが、そこが妙に印象に残る。健康的とは言えない味だと思うが、「今日はまあいいか」と思わせる大きな魅力がある。“私と同じ腰の重いおじさん”たちにも強くおススメしたい。
また、今回は単体で飲んだが、ギルティフードと合わせたときにこそ真価を発揮しそうだとも感じた。これはリピート確定だ。ピザや唐揚げ、深夜のポテチあたり。次は覚悟を決めて、会社の帰り道のコンビニで購入し、背徳セットで試してみようと思う。
私的にはアリだったNOPEについて、SNSをのぞいてみると、よくある「おいしい!」「最高!」一色、という感じでもないのも面白い。
・「○○と○○を混ぜた味? 何味か説明できないけどうまい」
・「最初は戸惑ったのに、気づいたら1本飲み切ってた」
・「好みは分かれそう」
評価は一方向ではなく、むしろ揺れている。そしてこの揺れこそが、今のNOPEの広がり方を象徴しているように見える。はっきり「万人向け」と言い切らずに、飲んだ人がそれぞれ勝手に解釈して、勝手に語っている。
ラーメンやピザと合わせる人もいれば、お酒や麦茶で割ってみる人、料理に使ってみたという人までいる。味をメーカーが定義しきらず、「これはアリかナシか」を飲み手に委ねている。だからこそ、「試して確かめたい」という気持ちが連鎖しているようにも見える。
流行をそのまま信じない私のような人ほど、「本当に?」「自分はどう感じるんだろう?」と、逆に気になってしまう。NOPEは、その疑いごと飲ませにくるタイプの炭酸だ。
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