再審制度の改正案をめぐり自民党の法務部会で怒号が乱れ飛んでいる。
「人は誤る。検察も同じ」
稲田朋美衆院議員の発言だ。そのとおりだ。人は誤るもので、検察官も例外ではない。だからこそ、検察官の誤った起訴を是正するために裁判制度がある。そして、検察官の誤った不起訴を是正するために検察審査会制度がある。
もし、検察官が誤ることがないのであれば、裁判制度も検察審査会制度もいらない。
さらに、検察官だけでなく、裁判官も誤ることがある。だからこそ、検察官にも弁護人にも上訴権が与えられており、地裁、高裁、最高裁と合計3回も審理することになっているのだ。
日本の刑事司法制度は、検察官も裁判官も誤る可能性があることを前提にして作られている。
地裁の再審請求棄却に対する再審請求者側の抗告は認め、再審開始決定に対する検察官の抗告は禁止するという制度は、裁判官は誤って再審開始決定をするはずはないが、誤って再審請求棄却決定をする可能性はあるという極めて偏頗(へんぱ)な前提に立つことになり、従来の日本の刑事司法制度の前提と相いれない。
そのような制度が大方の国民から支持されるはずがない。さらに、明らかな法令違反のある再審開始決定に対しても検察官の抗告が許されないような制度は、法治国家になじまない。