米女優アン・ハサウェイさんが主演し、5月1日に劇場公開される映画「プラダを着た悪魔2」がSNSで炎上している。X(旧ツイッター)へ投稿された宣伝動画に登場するアシスタント役のアジア系女性の姿が、時代遅れのステレオタイプ(固定観念)で描写され、「人種差別だ」との批判が殺到した。日本でも「楽しみにしていたのに観る気をなくした」など、失望の声が上がり始めている。
この映画は、2006年に公開された「プラダを着た悪魔」の続編。1作目は地方の大学を卒業した素朴なヒロインが、ニューヨークで発行されるファッション誌で、敏腕編集長の無理難題に振り回されながらもタフでおしゃれな女性に成長していく姿を描き、大ヒットした。主要キャストが20年ぶりに集結する今作は、「今年最も期待されている作品」(英BBC放送)の一つだ。
炎上の原因は38秒の予告動画
5月1日の日米同時公開を控え、製作・配給元の「20世紀スタジオ」の宣伝にも力が入る中、4月17日にXの公式アカウントで投稿された38秒の予告動画が炎上の原因となった。
この動画は、映画本編から、ヒロインがアシスタントになるアジア系女性と初めて出会う場面を切り抜き、宣伝用に加工したもの。
アシスタントは、無造作なひっつめ髪に風変りなデザインの大きな眼鏡、チェック柄のシャツにチェック柄のスカートを合わせる「ダサい姿」で登場。SNSでは、アジア系の女性から「今どき、ニューヨークのオフィスにこんな女性はいない」と怨嗟の声が上がった。ただ、前作でのヒロインと同様、「物語が進むに連れて垢抜けるのでは」と期待する声もある。
決定打は侮蔑用語に似た名前
「人種差別」との非難を受ける決定打は、アシスタントが名乗った、米社会で中国人や中国系米国人を嘲笑する際に使われてきた侮蔑用語「チンチョン(Ching Chong)」とよく似た発音の名前だった。「中国のまともな名前すら思いつかない」などと怒りの声が上がった。
また、ヒロインに気に入られていないと早とちりしたアシスタントが、名門エール大を優秀な成績で卒業したなどと一方的に自己アピールを始める描写に対しても、「勉強はできてもコミュニケーションに課題があるアジア系」をことさらに印象づけたとの指摘が出ている。
この動画の投稿は既に2500万回以上表示されており、リプライ(返信)は批判的なコメントであふれている。失望の声は米国のアジア系社会に止まらず、日本や韓国にも広がり、中国でボイコットの動きがあるとも伝えられている。(平田雄介)