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Cities: skylineをプレイして - 一方通行とインターチェンジに魅せられて

またひとつゲーム記事を書きます。今回は都市開発ゲー『Cities: skyline』の話。

個人的な思いとして、あるゲームに関する記事って、「攻略情報」と「紹介程度の記事」が多すぎて、「実際にやりこんだ感想」とか、腰の入った文章がヒットしづらいと思ってます。自分はそのゲームをプレイした人がプレイしてるときに感じたことをウダウダ語っているような記事を読みたい。だからこうして雑多な「感想」を自分も放流してみる訳です。もしよければお付き合いください。

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前段としてキラキラとゲーム紹介したあと、プレイした結果の本題として「ヤベェよ……」って話をし、最終的に「ジャンクション(人間)って面白」に至る記事となってます。


前段:魅力をPRする

『Cities: Skyline』は2015年リリースの都市開発シミュレーションゲーム。7年たった今でもDLCが供給され、Youtubeにも多くの動画があり根強い人気を誇っています。

このゲームは非常に懐が深くて、「こういうことをする」よりかは「どう遊んでもよい」という代物です。街づくり。単純に人口を増やして大都市を目指してもいいし、理想の街・景観を求めてもよし、悪政を楽しむもよし(?)、縛りプレイするもよし。プレイヤーごとに色んな体験が出来るようになっています。


■大都市を目指そう!

たぶん最もシンプルで分かりやすい楽しさはコレ。たった2本の道路から街を広げていく。コツコツと積みあげて、大きくしていく(大きくなっていく)この感じ。子供のころブロックで遊んでたらなじみ深いと思います。「誰にも壊されずにずっとレゴブロックを広げ続けられる」そんな魅力です。

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始めたばかりのころ(人口300人くらい)
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発展の様子(人口3,000人くらい)
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さらに発展の様子(人口10,000人くらい)

そして大都市に至るには、財政難・労働力不足・公害・電力問題などなど様々な障害が立ちはだかります。マジでビックリするくらい立ちはだかります。適当にやってるとどこかで立ち行かなくなる。膨れ上がった問題が小手先ではもうどうしようもなくなり、実質的に都市の再設計を迫られる。そうした諸々をウンウン唸りながら解消して街を大きくしていくのは、単純に「課題解決型ゲーム」としても面白いです。後述しますが、初見殺し、パズルゲーの側面もあります。

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10万人都市

10万人都市になるころにはスケールが凄いことになります。『塊魂』やってるときに近い。でも作ってきた側からすると、上の画像の主要道路・地区それぞれ全てに「ここはねぇ……」と語れるくらいの歴史と愛着がある。そんな都市、もとい箱庭を作れるわけです。


■理想の街(街観)をつくろう!

さきほどレゴブロックの例えを出しましたが、「大きくしたい」よりも「ここは海が豊かだから水産業が盛んな都市で……」ってトータルデザインに興味があるプレイヤーもいると思います。できます!ただ、それなら絶対Steamでプレイしたほうがいいです。MODが全ての制約を取っ払ってくれるので。

この辺を極めてるプレイヤーの街がYoutubeで観れます。まさに「観る」もとい「(架空の)観光」の域で凄いです。勝手にリンクを張ります。

ここまでとは言わずとも、「ここで木材を作って都市に供給する!」とか「ここは一大商業地区!都市の交通網も集約!」みたいな脳内ストーリーをガチャガチャ具現化・発展させるのは楽しいもんです。


■悪政と破壊と楽しもう!(?)

ここまではマジメな楽しみ方、言うなれば「良き市長」なプレイングを取りあげましたが、もちろん(?)「クズ市長」としてもプレイ可能です。"良く"できるということは、"悪く"もできるということです。クソみたいな労働環境・道路整備・税制だって思いのまま。

こういうムチャクチャするときって、やった時のリアクションもそうですが(MGSでステルスすててブッパするとき、初めてGTAやって人をヤるとき……)、何よりその後の「ゲーム側の反発」こそ肝と思うんですが、『Cities: Skyline』は「真っ当な反発」と「ガバ」のバランスが絶妙です。ゲーム仕様の許容範囲がユーモラス。いろいろ試したくなります。

仕様のスキを突こうとするものからクズ市長ムーブまで。

一番キャッチー、動画受けがいいのはココな気がするので、最初はこの辺の動画から入ってみても良いかも。

・・・・・・・・・・

ということでゲーム紹介でした。

Steamに馴染あるひとは初手Steam一択。ただCSでもゲームの面白さはしっかり感じられるし、ハマれるかは人を選ぶと思うのでCSスタートでも良いと思います(自分もCS、PS4で始めました。定額ゲームプレイのカタログに入ってるのでこれだと一か月1500円程度で遊べる)。※2

最初は覚えることが多くて大変だと思いますが、慣れてくるとこんなにのめりこめるゲームもありません。分からないことは検索しながら進んでくのが良いと思います。攻略Wikiが非常に充実しているのでぜひ参考にしましょう。


さぁ、みんなも都市開発を楽しもう!!!



ここまでは

前段で・・・・・・

書き出したいのはここから。※3
(以下、文体が変わります)


本題:このゲームはヤバい

このゲームはヤバい。危険なゲームと言っていい。その異常性は攻略WIkiの「渋滞対策」ページの章目次をみれば分かる。

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骨のあるシミュレーションゲームはみんなそうだが、「ある箱庭」(ゲーム)に何かを広げていくには、その仕組みや仕様を解き明かし・学び・理解する必要がある。


■永遠のシーソーゲーム

楽しく「10万人を目指そう」なんて書いたけれども、実際は「そ ん な に」というくらい障害が立ちはだかる。自分が一番感心(?)もとい苦心したのは「シーソーゲーム」具合である。このゲームは諸々の要素ほとんどが絡み合って複雑な天秤が形成されている。

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このゲームの攻略サイトにはとかく図が多用される。リンクより

例えば「労働力」について。基本的にCities: Skylineの都市は<居住区><商業区><産業区>の3エリアで構成される。何となくイメージできるように、<居住区>ばかりだと失業者があふれるし、<産業区>ばかりだと売り場がなくなり、<商業区>ばかりだと売る商品がなくなる。これだけならまだ難しくない。3点倒立程度のものだ。

しかしこのゲームはここに「教育」といった要素を絡ませてくる。市民への教育が滞っていると街が発展しなくなり、<商業区>から「教育を受けた労働者が足りない」と文句を言われるので、なるほどと積極的に市民への教育を進めると、高等教育を受けた市民はなんと産業区への就業を渋りだすようになる。こうなると今度は<産業区>から「労働力(就業者)が足りない!」と叫ばれ、就業者を失った施設が廃墟化していく。攻略WIkiはこの状態を「過剰教育」と呼ぶ。なんだこのゲーム!?


■"これさえすればいい"がない

基本的に完全上位互換の存在がないのもニクい。自分がキレたのは通称「デスウェーブ」という現象である。

都市が発展していくと<居住区>を"高密度"で建てられるようになる。

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←低密度の居住区 高密度の居住区→

高密度の方が大都市感があるし、実際により多くの人口を獲得できる。如何にも上位互換であり「なるほどここからは"高密度"の時代か」と思わせる。が、そうなっていない

性格の悪いことに、高密度居住区には単身者ばかりが引っ越すよう設定されている。低密度が子供1/大人2/シニア1みたいな家族なら、高密度は大人1×12みたいに偏るのだ。より多くの雇用が必要になるのは言うまでもないが、一番の問題はこの大人の単身者たちが一定期間後「一斉に寿命で死ぬ」ことにある。一斉に引っ越してきて、あるとき一斉に死ぬ。このクソみたいな現象(仕様)をしてプレイヤーは「デスウェーブ」と名付けた。街の景色が急にこんなことになる。

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画像は借り物

自分のプレイミスをこれみよがしの烙印のごとく押し付けられたような上の光景に、すべてのプレイヤーの腸は煮えくりかえる。お前(ゲームガイド)が建てろっつった居住区だろ。

このゲームはもちろん「遺体処理(デスケア)」も扱っているので、遺体は「墓地」に埋めるか「火葬場」で焼く必要がある。おぞましいが、遺体の回収が滞るとその住宅は放棄されるので、デスウェーブに対応できないと遺体まみれの廃墟都市が完成する。さて、ここでも「墓地」と「火葬場」はこのように一長一短の関係にある。

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デスウェーブ期は「墓地」を使いたいが平時は「火葬場」にしたい

「これだけひたすら増やせばいい」というものがない。何をどう足してもシーソーは傾く。


■ソシャゲ並みの果てなき外刺激による時間泥棒

つまりシステム上、何かを足すと、必ず別の何かが不足するようになっている。憎らしいほど良くできてる!

だからプレイヤーは街を発展させていくとひたすら「次はこれだよ~」と対応していくことになる。無限の外的刺激。これはソシャゲに近いものがあると思う。手慣れた周回プレイをこなすときのアレである。時間が無限に吸われていく。信じられないかもしれないが、この作業は、楽しい。信じてほしい。ヤバいゲームとはそういうことである。※4


■「渋滞解消」とかいう無限(パズルゲー)

そしてそんなシーソーの究極に「渋滞問題」がある。大都市を目指す場合、端的に『Cities: Skyline』は渋滞を解消するゲームである。

渋滞が街を崩壊させるのは言うまでもない。輸出入と往来が終わるので、<産業区>は商品を作れないし運べない、<商業区>は商品も人も来ない、<住宅区>の労働力は行き場を失い、もちろんゴミ収集車や消防車・警察の到着も遅れ、そして都市全体が機能停止していく。

渋滞は回避しなければならない。
だけど都市を広げる以上、物理的に交通量は増え続ける。
ここに永遠の天秤として「渋滞解消」が君臨する。

だからこういう攻略ページが生まれるのである。改めて見てみよう。

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めんどくさ……ってゲンナリする人もかもしれない。でも自分はめっちゃテンション上がった。

・・・・・・・・・・

まず敵を知る必要がある。『Cities: Skyline』に生きる全ての者たちは超高性能なポンコツである。彼らは目的地に向かうとき「理論上の最短経路」しか通ろうとしない。目的地に向かう最短距離の道路がどんなに明らかに渋滞で停滞していようと、たったひとつ直前で曲がって横の空いてる小道を通れば一瞬でたどり着けようと、必ず最短距離の道路にだけ殺到する。クソが。このゲームに存在する全ての車両は積極的に渋滞の発生に加担する。

この仕様において『Cities: Skyline』は一種のパズルゲームに生まれ変わる

・・・・・・・

取れるアプローチは大きく3つ考えられる。

■交通量自体を減らす
まずは物理的なトータル削減。バスや地下鉄といった公共交通機関を整えrれば市民の車を減らせる。しかし物流をつかさどる「トラック」は依然減らない。別のアプローチが必要になる。

■交通量を分散する
割り算の発想。必ず「理論上の最短経路」を通ろうとするがゆえに、各車の目的地(需要)を把握すれば、道路設計によって交通量を分散できる。パズルゲームとはこの部分だ。

ここには無限のアプローチがあるが、「一方通行」で最短経路を制限(限定・制御)するのはハマれば非常に効果的だ。入口と出口を強制し、あえて不便に迂回を強いることで渋滞を回避する。自分は「ひょっとしてココを一通にすれば……?」で渋滞が解消された時マジで感動を覚えた。スパゲッティコードのバグを1行直すだけで取り除いたような気分である。今まで生きてきて「一方通行」に感動したことはあるだろうか?俺はある。Cities: Skylineをプレイすればその気持ちが分かる。現実の道路標識をみただけで思いを馳せるようになるまである。

■ジャンクションを整備する
そもそも渋滞は、停止や急カーブ(右左折)などで車同士の速度に差が生まれたとき発生するものだ。例えば高速道路で、反対車線にいけるようにとこんな急停止・急カーブを必要とする道路を敷設するのは論外である。

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クソみたいな道路設計

スムーズに対向車線に入れるよう道路設計する必要がある。ここに先人たちの叡智がある。「ジャンクション(JCT)」「インターチェンジ」だ。似た口上を繰り返すが、今まで生きてきて「Interchange」のWIkiページを開いたことがあるだろうか?俺はある。これは感動的なページである。Cities: Skylineをプレイすると道路というものに唸れるようになる。

例えば「クローバー型」と呼ばれるJCTをみてみよう。十字に立体交差させ、四葉のクローバーのような円周を添えることで、どのラインから入っても4方向に向かえる優れものだ。しかし直進方向から右のラインに向かいたい車(円周の膨らみに入る場合)は、60度近い急カーブ(減速)を必要とするのがネックと言えるだろう。

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クローバー型ジャンクション

ならばと、これならどうだろうか。これはYoutubeで見かけた発展形クローバー型JCTである。

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【Cities: Skylines】らくしげ実況S3 #19「分岐部分的クローバー型JCTを建設」より

パッとみても分からないと思うので交通矢印付きの画像も貼ろう。先に問題だった円周部分のルートが本線と分離され、カーブ時に減速しても他車線に影響が出ないようになっている。また、カーブ自体もなだらかになっていることが分かる。非常に見事な設計である。すごい。カッコイイ!!

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俺氏、日常の「ジャンクション」に思いを馳せるようになる

と、そんな感性を育てられていくと、日常で「ジャンクション」を見かけたときに「ワッ……」となる回路が形成されてしまうのだった。

これは地元・札幌に帰ったときに実際に通って「ワッ……」となったジャンクションである。Cities: Slylineじゃん。いや、因果関係が逆だけど。これまで何も思いを抱かなかったが、今なら「あぁ、三叉路のY字型」だと感じ入ることができる。成長だ(?)。

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画像はひろいもの

こんなん見てるともう、道路自体が面白くなってくる。海外の景色を見てみよう。

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タービン型(イリノイ州・シカゴ)
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スタック型(中国・上海市)

ヤバないか?人間、面白すぎだろ……。
上のジャンクションは日本にもあるみたいだ。見かけたらウワーってなりそう。こんなブログ記事の面白さもよく分かるようになってしまった。

ということで、自分は『Cities: Skyline』を通して、この世界に関心を持てる領域がまた少しだけ増えたのだった。やはりコレはヤバいゲームだ。


ここまで読んでくれた未プレイの人がいるとは思えないが(もしいたら本当に感謝です)、もし興味が引かれたら是非やってみてほしい。分からないことがあったらTwitterにリプライでもくれたら答えるからよ……。おわり。


注釈・関連作など

※1. まぁ100万目指すのはかなり趣味の域です。つかPCスペックが追いつか……

※2. Steamでしか実現できないことが多すぎて歯がゆくなったら切り替えましょう。PS4→Steamはキー操作の違いに最初すごい戸惑いますが、2、3時間で慣れます。よく使うコマンドをキー設定するとむしろ捗ります。

※3. 補足しておくと、自分は『Sim City』をやったことがありません。シミュレーションで思い返すと、遊園地経営ゲー『テーマパーク』('95)『バーガーバーガー2』('99)『テーマアクアリウム』('98)……う~ん古(いにしえ)のPSゲーよ。経営ものばかりですね。その辺に楽しみを見出すゲーマーなのかも。

※4. 自分の性格上(最小で最高効率を出すのに美学を感じる)、一番ヤバい時間を吸われるのが「公共交通機関の便数最適化」。この地下鉄はこの使われ具合ならこの台数でいいな……このバス路線はこの台数で……と見直してすこし動かしてみて、また確認して微調整して、ここにも路線がいるかな……?とか、これを繰り返していくと、一日単位で死ぬ。


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