辺野古沖抗議船転覆事故
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この記事は最新の出来事を扱っています。 |
| 辺野古沖抗議船転覆事故 | |
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キャンプ・シュワブのある辺野古岬付近 | |
| 場所 |
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| 座標 | 北緯26度31分00.0秒 東経128度3分50.0秒 / 北緯26.516667度 東経128.063889度座標: 北緯26度31分00.0秒 東経128度3分50.0秒 / 北緯26.516667度 東経128.063889度 |
| 日付 |
2026年(令和8年)3月16日[1] 10時10分から12分頃(日本標準時)[1] |
| 死亡者 | 2人(女子生徒1名・「不屈」船長1名)[1][2] |
| 負傷者 | 16人(生徒14名・船員2名)[1][2] |
| 容疑 | 業務上過失致死傷罪、業務上過失往来危険罪、海上運送法違反[3] |
| 管轄 |
海上保安庁・第11管区海上保安本部 国土交通省・運輸安全委員会 |
辺野古沖抗議船転覆事故は、2026年(令和8年)3月16日に日本の沖縄県名護市辺野古沖で、ヘリ基地反対協議会が保有する在日米軍普天間基地の辺野古基地移設工事に対する海上抗議活動にも使用される小型船2隻が転覆し、乗船していた修学旅行中の同志社国際高等学校の2年生の生徒18人と乗組員3人が転覆に巻き込まれ、女子生徒1名と船長の男性牧師1名が死亡、生徒14人と乗組員2人の計16人が負傷した海難事故である[4][5][6]。
事故の経緯
2026年3月16日9時頃、研修旅行で沖縄県を訪れていた同志社国際高等学校の2年生のうち、「辺野古をボートに乗り海から見るコース」を選択した生徒37人が、辺野古に到着[7][8][9]。到着した生徒達は、「先発隊」の生徒18人と、「後発隊」の生徒の19人のグループに分かれ[8]、それぞれに1人ずつ引率を行う教員が付いた[10]。
同日7時30分頃、ヘリ基地反対協議会(海上ヘリ基地建設反対・平和と名護市政民主化を求める協議会)の船長らによるミーティングが行われ、同日の気象情報や目視による海の状況に基づき、船長は出航可能と判断した。協議会は、風速7〜8メートルを欠航の目安としていたが、明文化された出航可否基準は存在せず、最終的な判断は当日の船長達に委ねられていた[7][11][12]。
同日9時半頃、「先発隊」の生徒18人は、オール沖縄(辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議)の参加団体であるヘリ基地反対協議会が保有する、辺野古沖で在日米軍海兵隊普天間基地の辺野古移設工事への海上抗議活動にも使われていた小型船「平和丸」(生徒10人と乗員2名乗船、総トン数5トン未満)と「不屈」(生徒8人と乗員1名乗船、1.9トン)の2隻に分乗して出航した[13][8][14]。その際、「先発隊」の引率教員は、乗り物酔いと体調不良のため乗船を見送った。「後発隊」の引率教員は、「先発隊」の引率教員が船着き場に行ったので、船が出航するまで乗ると認識していた[10]。また生徒全員は救命胴衣を着用したが、「先発隊」の引率教員や協議会の乗組員らは、生徒らに対し、正しい救命胴衣の着用方法の指導を行わなかった[7][15]。
同日9時48分[14]、出航してまもなくの「不屈」と「平和丸」は、現場警戒を行う海上保安庁第11管区海上保安本部の巡視艇から、メガホンで「気象、海象が危ない」と注意の呼び掛けが行われたが、2隻は航行を続行した[14][16][17]。
両船は辺野古東側に位置する大浦湾方面に立ち入りを制限する「臨時制限区域」に沿う形で北上した後にUターンして南下していたが、10時10分頃、同方向に進んでいた2隻のうち、辺野古沖合約1.5キロメートルの珊瑚礁が広がる海上で高波にあおられる形で前方に居た「不屈」が転覆した。これを救助するために接近した「平和丸」も約2分後にほぼ同じ場所で転覆した[18][19]。乗っていた21人全員は転覆に巻き込まれ、海に投げ出され浮上可能だった者は転覆した船体にしがみついて救助を待った[20]。
第11管区海上保安本部は連絡を受け10時16分に対策本部を設置、2隻を監視していた船を含む計11隻が現場に急行し、救助活動を行った[21][22]。事故発生から40分後に20名が救助され、11時14分までに陸地に戻った[22]。しかし、「平和丸」に乗っていた女子生徒は、救命胴衣の背中側の一部が、「平和丸」の船尾床の構造物に引っかかっており、浮上せず、裏返った「平和丸」の船体下に取り残されていた[22][23]。その場に必要な機材を備えた潜水士がおらず、第11管区海上保安本部は、消防に救助を要請し、事故発生から約70分後の11時39分に「平和丸」に乗船していた女子生徒が心肺停止の状態で発見・救助され、病院に搬送されたが死亡が確認された[7][22]。また生徒2人が骨折や口内裂傷などの怪我をしたため病院に搬送された。残りの生徒15名も擦り傷や打撲や、大量に海水を飲んだりしたため、全員が病院で診察を受けた[7]。また、「不屈」船長の71歳男性(日本基督教団佐敷教会牧師)も死亡し、協議会乗員2名も受傷した[6][24]。司法解剖の結果、2名とも死因は溺死であった[25]。
当日の気象・現場状況
生徒は救命胴衣を着用していたが、当時の周辺海域では約4メートルの風が吹いており、沖縄気象台から波浪注意報が発表される中で出航していて[16]、転覆現場でも警戒していた第11管区海上保安本部の巡視艇から「気象、海象が危ない」と注意が出されていた[13][26]。また、辺野古の移設工事現場では事故当日、海の荒れ具合を示す指標の有義波高が基準値を超えたため、サンドコンパクション船と呼ばれる大型作業船を使った一部の工事を中止しており、6隻のうち、外洋に近い地点に配置された4隻で作業を見合わせていた。関係者によれば海域の波高は0.5メートルで「明らかに白波が立ち、危ない状態」であったとされる[27]。
転覆した海上は「リーフ」と呼ばれる珊瑚礁が広がる浅瀬であり、当時は干潮の時間帯であったが、強い力を保った波で大きなうねりが生じ、リーフによって持ち上げられて高い波が発生したと有識者からの見解が出されている[28]。転覆した2隻は操舵室が破損しており、調査を行った運輸安全委員会の地方事故調査官も、2隻が転覆した際、浅い海底に衝突して損傷した可能性を指摘している[28]。また、かねてから協議会が運行する抗議船が航行の際に事故やトラブルも起こしていたことも証言されている[29][30]。
背景
同志社国際中高の高校2年生の沖縄への研修旅行(他校における修学旅行に相当)は、同校の平和学習の集大成として、40年以上続けられてきたもので[13][33]、同校は2015年頃から辺野古の陸上での研修を開始し、「不屈」を操舵していた船長の男性牧師から提案を受け、2022年度(2023年3月)から海上からの辺野古基地移設工事現場の見学をプログラムに取り入れた形で行っていた[34]。
修学旅行生を抗議船に乗船させた経緯として、同志社国際中高では毎年沖縄での修学旅行を行っているが「平和学習」の一環として、今回は7コース[注釈 1]のプログラムのひとつ(辺野古コース)として抗議船に乗船し、辺野古基地の建設現場をボートから見学する予定となっていたとしている[35]。
協議会の会見によれば、学校側から依頼要請があったことを明らかにしている。しかし、運行に関しては協議会は「ボランティア」という立場から、海上輸送法に基づく内航一般不定期航路事業については無登録の状態であったことも明らかになった[36]。また、出航する際は船長が気象情報や目視で海の状況を確認し、出航の可否を判断しており、風速7 - 8メートルを超える場合は、出航を見送るとの目安はあったが、明文化していなかったとされる。事故当時は風速4メートルであった[37]。さらに海保による協議会への家宅捜索で「船長心得」と書かれた資料が見つかり押収されたが、この「船長心得」の存在に協議会に所属する人物は誰一人は気づかず、放置されていたことも明らかになった[38]。
なお、死亡した「不屈」船長の牧師はキリスト教に基づく教育を行う同志社国際中高と個人的なつながりがあったとみられる[26]。年に数回、依頼のあった生徒や学生らを辺野古沖に案内していた。牧師は10年以上の乗船歴があったとされる[39]。操船は当番制で担当していたが、当日は死亡した牧師は操船の当番ではなかったものの、同校からの平和学習の依頼を受けて出港することになったとされる[40]。「平和丸」を操舵した船長は、約4年前に小型船舶の操縦免許を取得し、船長に起用後は週2回操舵していたとされる[38]。
同志社国際中高と協議会の関係性についても一部メディアの取材で伺わされており、産経新聞の取材によれば、過去の研修旅行において同校は平和学習のプログラムとして、協議会の活動拠点である「辺野古テント村」の見学など複数のコースを設定していたが、その際に事前に生徒へ配布した旅行のしおりにはテント村の説明とともに「協議会からのお願い」とする文章を掲載しており、賛同者に対して一緒に座り込み活動を求めるものであったとされる。この件が事実であった場合は教育基本法第14条第2項の、
法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。[41]
に抵触する可能性が指摘されている[42]。
事故後の対応
海上保安庁
海上保安庁の第11管区海上保安本部は、本件について、業務上過失致死傷罪、業務上過失往来危険罪、さらに海上運送法違反[注釈 2]の疑いで捜査を進めており[44]、同月20日にヘリ基地反対協議会のテントや事務所の家宅捜索[45]、同月22日に「平和丸」船長立会いのもと船の実況見分[3]、さらに同月25日、死亡した「不屈」船長の男性牧師が務めていた日本基督教団佐敷教会を家宅捜査を行っている[6][3]。ほかに第11管区海上保安本部は「平和丸」船長を任意で事情聴取した[46]。
国土交通省
国土交通省管轄の運輸安全委員会は、本事案を重大事故に認定し、那覇事務所から国土交通省本省へ所管を変更して調査を行っている[47]。
ヘリ基地反対協議会
事故当日(3月16日)の夜、ヘリ基地反対協議会(東恩納琢磨事務局長(名護市議会議員)、仲村善幸共同代表、浦島悦子共同代表、安次富浩顧問、仲本興真顧問の5名)は記者会見を行い、謝罪と説明を行った[12][48]。出航の判断については、朝7時30分に船長らによるミーティングが行われ、当時の気象条件に基づき、船長は出航可能と判断したことと、通常は風速7〜8メートルを欠航の目安としていたが、最終的な判断は現場の船長に委ねていたと説明した[7][11][12]。転覆した「不屈」と「平和丸」を、運輸局(沖縄では内閣府沖縄総合事務局運輸部)に事業登録を行っていなかった理由については、協議会の活動は無償のボランティアであるため、事業登録の対象外であるとの認識を示した[49]。この認識については、同志社国際中高が翌17日の記者会見で、使用料として協議会の船長ら3人に対し、1人当たり5,000円ずつ計15,000円を協議会側に支払った事実を明かしたため、「無償のボランティア」との主張と齟齬が生じていた[50][51]。その後、団体は「カンパ」として金銭の授受を認めたが、このような金銭授受の実情が常態化していたとみられる[52]。また、安次富浩顧問が、会見冒頭の謝罪時に最敬礼をせず、会見中に腕を組み、仏頂面の表情を浮かべるなど、謝罪会見に相応しくない振る舞いを見せたことで、SNS上で厳しい声が上がった[12][48][53]。それに関連して、安次富浩顧問と同姓同名で別人の沖縄県で活動する弁護士が混同され、誤情報を拡散され、誹謗中傷を受ける事態となり、弁護士が所属する法律事務所は、誤情報拡散を控えるよう、X(Twitter)上に声明を出した[54][55][56]。
なお、救助された「平和丸」の船長については、海上保安庁の事情聴取などには応じているものの、会見などに公には姿を見せてはいない。協議会共同代表の仲村善幸は「船長はパニック状態なので話せるようになったらなるべく早く会見します。今後は弁護団を作る予定で捜査に全面的に協力していきます」と取材に対し述べている[57]。
学校法人同志社・同志社国際中高
事故当日の協議会の会見に続き、翌日に同志社国際中高が記者会見を行い、それぞれ謝罪した。学校側が明らかにしたところでは、今回の抗議船乗船には旅行会社は関与していなかったこと、毎年教師3人が夏休みに行程を下見しており、過去には船に乗ったことがあったものの今年は乗っていなかったこと、生徒および保護者には抗議船とは伝えず「基地反対を唱えている方々が普段乗っている船」として伝え、乗船には保護者からの同意などはとっていないことなどが明らかになった[58]。また、協議会側は運行は「ボランティア」としている事に対し、学校側は使用料として船員らに5,000円ずつ計15,000円を協議会側に支払っていると説明しており、協議会側の説明と齟齬が生じている[50][51]。また、学校側は乗船した協議会所有の抗議船2隻が「(運輸局の)登録されているかは把握していない。そういう形でボートを出していて、普段から観光客や修学旅行生を乗せているのは理解していた」と答え、事故があった場合の保険の加入状況についても「確認していない」と述べた。学校では第三者委員会を立ち上げ、検証するとしている[59]。
同月24日夜、同志社国際中高は事故に遭った2年生の保護者を対象とした外部非公開の説明会を開き、保護者に対して謝罪と説明を行った[60][61]。説明会には、亡くなった女子生徒の遺族を含む2年生の保護者約150人が参加し、オンライン参加した保護者もいた[60][61]。説明会は、18時半頃から22時15分頃まで行われ、保護者側から質問が相次ぎ、予定の2時間を大幅に上回る約4時間弱にわたって行われた[60][61]。保護者からの質疑の多かった疑問として「保護者の了解もなく生徒を抗議船に乗せた」ことや「引率の教諭2名が乗船せず、まったく引率になっていない」など学校側の対応に不信感や不満が相次いだとされる[62]。なお、学校側の説明で「教員が乗船しなかった」ことについては乗船予定であった教員1名が前日から体調不良を訴えて乗船せず、他の教員も乗船しなかったことを明らかにしている[10]。亡くなった女子生徒の保護者は、女子生徒が友達と綺麗なサンゴ礁が見たいという理由で辺野古コースを選択していたことを述べ、「珊瑚礁を見るだけなので外洋に出る必要ないですよね」という質問を行った。学校側は、外洋に出ていくと想像していなかったと答えた[10]。また、亡くなった女子生徒と同じ「平和丸」に乗っていた生徒の保護者が、その生徒から聞いた証言として、船長が引率教員が不在のため生徒にサービスしようと、迂回する航路(コース)に変えたこと、生徒らに船を操舵させていたことについて質問を行った。学校側は「引率である限りは生徒たちの安全確認だけではなく、監視の部分、何かあった時の緊急対応ということを含めて責任を負っていると思います。それを十分に果たせるような状況になかったことは、本当に申し訳ないと思っています」と答えた[63]。
同月25日、同志社国際中高は、2年生以外の保護者を対象とした説明会を開き、保護者に対して謝罪と説明を行った[64]。その中で、保護者からの質疑で、引率した2名の教員は当日波浪注意報が出ていたことを認識しておらず、出航を船長側の判断に委ねていたことが明らかになり、改めて学校側の生徒の安全確保に対する認識の甘さが浮き彫りとなった[64]。
同月28日、学校法人同志社は、事実関係解明、原因分析、再発防止策を目的として、利害関係を有しない弁護士により構成される、第三者委員会を設置した[65]。
東武トップツアーズ
同志社国際中高の研修旅行(修学旅行)を1990年代から担当してきた旅行会社の東武トップツアーズは、事故発生日のうちに同社社長を本部長とする緊急対策本部を立ち上げ対応を行い、3月24日には公式サイトに謝罪文を掲載し、「旅行全体の行程を管理する立場として、適切な助言や注意喚起を行なうなど、旅程管理という大切な本来の役割において万全を期すことができなかったことを真摯に受け止めております」として謝罪し、辺野古沖での乗船プログラム以外については同社が担当したものの、同志社国際中高側が乗船プログラムを直接企画・手配したことを説明した[66][67][68]。また、同社はヘリ基地反対協議会との直接のやり取りはないと説明した[68]。
日本基督教団
死亡した「不屈」船長の男性牧師の所属先である[6]、日本基督教団は転覆事故の報を受け、事故当日(3月16日)午後、役員会において総幹事の下に「辺野古沖船転覆事故対策本部」を立ち上げ、亡くなった女子高校生と遺族と関係者に対し、心より慰めをお祈りすると発表した[69]。
死亡した女子生徒の遺族
同月18日、事故で死亡した生徒の遺族が現場海域に近い米軍基地のキャンプ・シュワブの敷地内を訪れ、海に向かって献花を行った。献花に際して海上保安庁の仲介で米軍側窓口の紹介を受けた。第11管区海上保安本部などによると、遺族や被害者家族に対し、事故対応について詳細な説明をしているほか、各都道府県警の支援窓口を紹介しており、また被害者らの居住地が複数の府県にまたがっていることから、各県警にも11管から情報提供を行っているという[70]。また、死亡した生徒の遺族が開設したnoteのアカウントを通じて、誤情報の修正や実際に見聞きしてきた内容について、捜査に関わる内容については触れずに情報発信すると共に事実解明につながる情報提供を呼び掛けている[71]。
各所の反応
オール沖縄
オール沖縄は事故発生翌日の17日に緊急幹事会を開き、事故時に「平和丸」を操舵していた船長も同席したうえで状況と対応を確認した。その中で船長は「不屈」が転覆した事を受けて「助けるか避難するか葛藤はあったが沈没した船に向かった」と当時の状況を説明した。オール沖縄は今後の対応の協議で、県内各地で取り組んできた抗議活動を今週中は自粛することを決めた。船を使った海上での抗議活動については、海上保安庁との安全対策の協議を行うまでは中止することも決めた。一方で会合では「喪に服しながらも抗議活動は続けるべきだ」との意見が出たとされる[72][73][74]。結局17日、反対運動の中心団体であるオール沖縄会議は22日まで自粛すると抗議活動の全面自粛を発表していたが[75]、翌18日には喪章を着用する形で座り込み抗議を行う姿が確認されており、実質的に1日で撤回される形となり、SNSなどを中心に批判が強まっている[76]。同月23日には「喪に服す」意味合いからマイクの使用は自粛されたものの、オール沖縄関係者による陸上での抗議活動が再開されており、座り込む者やダンプカーの前に横たわる者も出ている[77]。
玉城デニー沖縄県知事
沖縄県知事でオール沖縄陣営の一人でもある玉城デニーは、事故発生を受けて取材に対し「大変痛ましい事故で、胸が痛い思いだ」と語り[78]、翌17日の県議会予算特別委員会には喪服で出席し、県幹部や出席議員らと犠牲者に黙祷を捧げた[79]。この事故を受けて、同年秋に予定されている沖縄県知事選挙への3選出馬表明を一時見送ることとなった[80]。なお、事故発生直後の同月19日には玉城と同志社国際高校校長の西田喜久夫と直接面談を行っている[81]。
その後、玉城は同月27日の定例会見では抗議船についての認識を問われ「抗議船というくくりで安全性に問題があるということではなく、抗議にも使われている船で、目的に合わせて使用されている船」との見解を示した。、また、事故を起こした「平和丸」については過去の抗議活動の際に「デニー知事と共に頑張る」と書かれた横断幕を掲示している事が確認されているが、玉城は改めて協議会との関係について問われ「辺野古移設反対という考え方は私と共通するところがある」としつつも、「海上で抗議活動を行っていたことは報道でも承知をしているが、どのような条件の下で実施されていたか、詳細は把握していない」と釈明している[82]。
その他
沖縄県の自治体のうち、石垣市議会は本会議で「辺野古沖における船舶転覆事故を踏まえた海上活動の安全対策および監督体制の強化を求める意見書」を全会一致(採決前に1名退席)で可決した[83]。
運輸行政を管轄する国土交通大臣の金子恭之は、協議会の所有船が海上運送法に基づく事業登録がされていなかったことを受けて、「反復継続される事業として運送が実施されていたかなどに基づき判断する」として運行実態の確認を進めることを明らかにした[84]。
教育行政を管轄する文部科学大臣の松本洋平は、今回の事故に関して「学校外における活動で事故があるということはあってはならない」と述べたうえで、校外活動における安全対策や対応などを至急検討する考えを示した[85]。一方で一部の学校において「平和学習」の偏向性が指摘されており、高校学習指導要領で基地問題など現代社会の課題や歴史認識について「多面的・多角的に考察」させるような教育を求めている面からも、活動内容がその趣旨から逸脱している可能性もあることから、文部科学省は「平和学習」の実態についても調査を進めることとなった[86]。
基地移転に反対する立場の政党の反応
辺野古への基地移転に反対する立場の政党関係者では、元首相の鳩山由紀夫、日本共産党議長の志位和夫、委員長の田村智子、書記局長の小池晃、参議院議員の仁比聡平、沖縄1区選出であった前衆議院議員の赤嶺政賢、比例九州ブロック選出であった前衆議院議員の田村貴昭、元参議院議員の山下芳生、井上哲士、社会民主党党首の福島瑞穂、前副党首で前参議院議員の大椿裕子などが、過去に事故を起こした当該抗議船に乗船したことを明言、または記事で報じられている[87][88][89]。
一方、「平和丸」の船長は日本共産党役員で4年前に同党公認で県内の村議会議員選挙に立候補経験がある、と一部週刊誌で報道されており[90]、情報がインターネットなどを中心に拡散する中で「政治的立場ゆえに報道(特に「オールドメディア」と呼ばれる新聞・地上波テレビ局など)が抑制されているのではないか」という見方も一部で指摘されている[91]。これについて、日本共産党書記局長の小池晃は記者会見で、一部で伝えられている船長が日本共産党の関係者であるとの事実関係について問われ、「この問題はね、共産党とおっしゃるんだけれども、辺野古で海上ですね、(海に)出ていく船は限られているんですよ。その船しかないですよ。だから、あの船に乗ったのは共産党関係者だけじゃない。実際、現地に行かれた方は、いろんな野党のみなさんも行かれていますし、辺野古の基地を監視する、どんな状況で工事が行われているのか、そういったことを知ろうと思ったら、あの船しかないんです。〝共産党、共産党〟とおっしゃるけど、共産党だけの船でもないし、いろんな方が関わって運営していた船です」と釈明した[92]。
物議を醸した発言・問題行為
オール沖縄の一翼を形成する社会民主党は、福島瑞穂党首などがSNSで犠牲者を追悼する投稿を行っている。その一方で党幹事長の服部良一は、同月19日に国会前で行われた高市政権に対する抗議デモに参加した際にこの事件に触れ、「安全対策を取らないといけない」と発言しつつも「そもそも辺野古の新基地建設をいつまでも続けるのが悪い。埋め立てるのが悪い。こんなことをしなかったら、こういう事故も起こり得なかった」と、事故発生について政府に責任を転嫁するような発言を行い、SNSなどで強い批判を受けている[93][94]。
一方でオール沖縄とは立場が相反する日本保守党党首で参議院議員・作家の百田尚樹は、YouTubeの生配信番組『ニュースあさ8時!』に出演した際に、この事故について協議会側の対応を批判しつつも、「『基地反対だ』と言ってる人が乗っている船だと知って乗ったわけでしょ」と、女子生徒が抗議船であることを知った上で、「『私も同じ気持ちだ!』とみんなで乗ったわけでしょう」「犠牲者は気の毒ですよ。けど自分の意思で乗ったんでしょ。騙されて乗ったわけではなくて、巻き込まれたわけじゃない」と、生徒たちが基地建設に抗議する意図を持って乗船することを選択したはずとの持論を展開するなど、犠牲者側にも非があるような論調を行った事で、同様にSNSを中心に厳しい批判を受けている[95]。その後、百田は同月24日の日本保守党の記者会見でこの件について問われ、「どうしても10代は知識も足りず、一種の表層だけを受け取って、突き進んでしまう人はいつの時代にもいる。過去そういう人がいたという意味で言った。今回の被害者の女性がそうだったという発言はしていない」と釈明し、「そう受け取られるような私の表現も非常に良くなかった」と語った[96]。
また、SNSなどインターネット上において、沖縄弁護士会所属の弁護士について事故に関連し「事実と異なる情報や、誤解を招く内容が拡散されている」して、「事実関係が明らかでない情報の拡散についてはお控えいただきますよう、お願い申し上げます」と同会が文書を公表している[97][98]。
脚注
注釈
- ↑ Aコース:チビチリガマ見学→民泊(沖縄戦における「集団自決」地)、Bコース:金城実アトリエ見学→民泊(金城実は強制動員真相究明ネットワーク呼びかけ人)、Cコース:カヌー体験→佐喜眞美術館(佐喜眞美術館は普天間飛行場横にあり、「沖縄戦の図」常設美術館)、Dコース:サンゴの植え付け体験(唯一の中立なプログラム)、Eコース 戦没者遺骨収集体験コース、Fコース:辺野古ボートに乗って海から見るコース(今回の事故コース)、Gコース:沖縄戦を語るコース 佐喜眞美術館(館長左翼活動家の佐喜眞道夫)で構成。
- ↑ 2022年4月に起きた知床遊覧船沈没事故を受けて同法が改正されており、小型の非旅客船であっても、他人の要望に応じて人を運んでいたのに事業登録をしていなかった場合は、海上運送法において刑事罰の対象となる[43]。
出典
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- 以下の位置に戻る: 1 2 3 “【辺野古沖転覆事故】死亡した船長の自宅と牧師を務めた教会を海保が家宅捜索 業務上過失致死傷などの疑い | TBS NEWS DIG (1ページ)”. TBS NEWS DIG (2026年3月25日). 2026年3月25日閲覧。
- ↑ “辺野古沖転覆で死亡の女子生徒、救命胴衣が船体に引っかかる…水難隊員が外して水上に救出”. 読売新聞オンライン (2026年3月19日). 2026年3月24日閲覧。
- ↑ 産経新聞 (2026年3月17日). “救助の生徒17人のうち16人がけが、骨折や口内裂傷も 沖縄・辺野古転覆事故”. 産経新聞:産経ニュース. 2026年3月23日閲覧。
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- ↑ 辺野古転覆事故、運航団体は船長に出航判断一任…風速基準を明文化せず - 読売新聞 2026年3月18日
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- ↑ 辺野古沖で転覆の2隻「不屈」「平和丸」とは 裏返ったまま漁港へ - 毎日新聞 2026年3月16日
- ↑ 教育基本法 - e-Gov 法令検索
- ↑ <独自>同志社国際 過去の研修旅行しおりで、辺野古テント村から共闘要請「座り込んで」 - 産経ニュース 2026年3月27日
- ↑ 「無登録運航」浮かぶ矛盾 辺野古船転覆、船の使用料1万5千円 学校側と食い違い - 産経ニュース 2026年3月19日
- ↑ 辺野古転覆、海上運送法違反容疑でも捜査 11管、亡くなった2人の司法解剖も実施 - 産経ニュース 2026年3月18日
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- ↑ 辺野古沖の転覆、抗議船「平和丸」の船長を任意で事情聴取 出航からの状況確認か 11管 - 産経ニュース 2026年3月21日
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- ↑ 救命胴衣の着用指導なし 学校側「把握していなかった」 辺野古沖転覆 保護者の怒り - テレ朝ニュース 2026年3月28日
- ↑ 保護者に抗議船ではなく「基地反対を唱える人が乗る船」と連絡 同意はとらず - 産経ニュース 2026年3月17日
- ↑ 沖縄県:辺野古の船転覆で高校生ら死亡、「危機管理マニュアル」は作っていたが…校長「抜け落ちがあったのではないか」 - 読売新聞 2026年3月18日
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- 以下の位置に戻る: 1 2 下見なし、注意報も把握せず…同志社国際 保護者会で分かった安全管理の空白と崩れた信頼 - 産経ニュース 2026年3月26日
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- ↑ 弊社取扱いの研修旅行における事故につきまして - 東武トップツアーズ株式会社 2026年3月24日 (PDF)
- ↑ 東武トップツアーズ、沖縄・辺野古沖の船転覆事故に関するお詫び文を掲載「乗船プログラムは学校側による直接手配」 - トラベル Watch 2026年3月24日
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- ↑ 辺野古沖船転覆、遺族が現場海域に近い米軍基地内で献花 海保が仲介、被害者支援 - 産経ニュース 2026年3月21日
- ↑ 情報発信について|辺野古ボート転覆事故遺族メモ
- ↑ 「沈没した船に向かった」 死亡した生徒を乗せた船長が説明 - 中日新聞Web 2026年3月17日
- ↑ 「オール沖縄会議」抗議活動中止 辺野古沖の転覆事故受け - NEWSjp(共同通信)2026年3月17日
- ↑ 辺野古新基地の抗議活動、週内は全て自粛 オール沖縄 船転覆2人死亡事故受け「お詫び申し上げたい」 - 琉球新報デジタル 2026年3月17日
- ↑ オール沖縄会議が会見 「全ての抗議活動を自粛」 辺野古沖の転覆事故受け - 沖縄タイムズプラス 2026年3月18日
- ↑ オール沖縄会議、同志社国際の船転覆事故で「抗議活動を週内自粛」発表も翌日再開? - アゴラ 2026年3月19日
- ↑ 辺野古転覆事故で「自粛」の抗議活動再開 「服喪」でマイク取りやめ、寝そべる人も - 産経ニュース 2026年3月23日
- ↑ 沖縄・玉城デニー知事「胸が痛い」 辺野古沖、抗議船転覆「安全安心の抗議が大前提」 - 産経ニュース 2026年3月16日
- ↑ デニー知事が喪服で県議会に 「大変痛ましい事故」 黙とうささげる 辺野古船転覆2人死亡事故受け 沖縄 - 琉球新報デジタル 2026年3月17日
- ↑ 沖縄・玉城知事が出馬表明延期 辺野古沖転覆事故を受け - NEWSjp(共同通信)2026年3月21日
- ↑ 玉城デニー知事、同志社国際高校の校長と面談 沖縄 - 琉球新報デジタル 2026年3月19日
- ↑ 沖縄・玉城デニー知事「抗議船というくくりで安全性に問題があるということではない」 - 産経ニュース 2026年3月27日
- ↑ 辺野古転覆事故 県責任の検証を 石垣市議会が意見書可決 沖縄 - 琉球新報デジタル 2026年3月25日
- ↑ 名護市辺野古沖の船転覆事故 海上運送法に基づく事業登録なく 船の運航実態確認へ 国交省 - TBS NEWS DIG 2026年3月19日
- ↑ 学校外の事故「対策検討」 辺野古沖転覆で文科相 - 沖縄タイムス+プラス 2026年3月17日
- ↑ 辺野古転覆事故、文科省が特別活動のあり方を検証 平和学習での「多角的視点」確保を調査 - 産経ニュース 2026年3月22日
- ↑ 辺野古転覆で社民・福島党首「乗せてもらったことある」と追悼 共産・小池氏らも乗船経験 - 産経ニュース 2026年3月17日
- ↑ 「悔しさ、いかばかりか」共産小池氏、辺野古転覆死の女子生徒へ 船長の責任は「当局で」 - 産経ニュース 2026年3月23日
- ↑ 「辺野古・転覆事故」 無登録の抗議船に堂々と乗っていた「大物政治家とマスコミたち」(全文) - デイリー新潮 2026年3月20日
- ↑ 〈辺野古転覆事故〉スナックで泥酔した「平和丸」船長が直撃取材に答えた! 「出航を決めたのは俺じゃない」「死人を起こして聞いた方がいい」 - デイリー新潮 2026年3月25日
- ↑ 辺野古沖事故の「平和丸」船長は共産党役員だから実名報道されないの? - アゴラ 2026年3月24日
- ↑ 共産・小池晃氏 辺野古沖で転覆事故を起こした船に言及「基地を監視するにはあの船しかない」 - 東スポWEB 2026年3月23日
- ↑ 共産山添氏「イラン攻撃やめろ」国会デモ 社民幹事長、辺野古事故「埋め立てるのが悪い」 - 産経ニュース 2026年3月20日
- ↑ 社民党幹事長 デモでの辺野古事故は「新基地建設なければ起きなかった」発言に「他責の極致」と批判続出 - 女性自身 2026年3月20日
- ↑ 「日本にとって害悪」大物元政治家 保守党・百田尚樹代表の転覆事故で死亡の女子生徒への“自業自得”発言を一刀両断 - 女性自身 2026年3月20日
- ↑ 「活動家、学校に問題」保守党百田氏、辺野古事故の犠牲生徒悼む 「自己責任」発言は否定 - 産経ニュース 2026年3月24日
- ↑ 当会所属の会員に関するSNS上の情報について(お願い) - 沖縄弁護士会 2026年3月19日
- ↑ 「事実と異なる情報が拡散」沖縄弁護士会、辺野古沖転覆事故めぐり所属弁護士の誤情報拡散に注意喚起 - 弁護士ドットコム 2026年3月19日