コロナワクチン接種後に20代男性2人が死亡 両親ら、製薬会社と国に損害賠償求め提訴
「何が行われていたのか。司法の判断を仰ぎたい」
訴訟の争点になると予想されるのが、2人の青年の死亡とワクチン接種との「因果関係」だ。 男性Aさん(享年27)は2021年9月27日、ファイザー社のワクチン「コミナティ筋注」の2回目接種を受け、翌28日に心肺停止により死亡した。 男性Bさん(享年28)は2021年11月11日に同ワクチンの2回目接種を受け、5日後の16日に急性うっ血性心不全で死亡した。Bさんは接種直前に勤務先で受けた健康診断では、「総合判定A・全項目異常なし」と診断されていたという。 Aさん、Bさんともに、すでに「予防接種健康被害救済制度」の認定を受けている。 原告側は、過去に種痘などの強制予防接種によって重篤な後遺障害を負った原告らが国を訴えた裁判(東京高裁平成4年(1992年)12月18日判決)で示された、予防接種と健康被害との因果関係を認めるための「4要件」も満たしているとした。 この要件とは、①接種の翌日に亡くなるなどの「時間的・空間的な密接性」、②持病がないなど他に死因が見当たらない「他原因の不存在」、③症状の重さ、④医学的なメカニズムが認められることを指す。 2021年の死亡から今回の提訴までに時間を要した理由については、原告らが「予防接種健康被害救済制度」の認定に尽力していたことや、「提訴することについて、逡巡(しゅんじゅん)があったと見受けられる」と志摩弁護士は説明した。 同原告代理人の中村友香弁護士は、「健康だった原告らの息子さんが短期間で命を落とした。その原因が社会に十分に知られていない。悲しみや憤り、親としての無力さを抱えていらっしゃる。本訴がどのような答えとなるか分からないが、一つの答えが出せればいい」と、遺族の心情を代弁した。 原告側が不信を抱いているのは、国が若者の心臓障害リスクを把握しながら、規制に動かなかった点だ。先述したように2021年7月の厚労省の副反応検討部会では、すでにリスクが報告されていたとされるが、国がファイザーに対し添付文書の改訂を指示し「重大な副反応」として注意喚起を行ったのは、その5か月後の12月だった。 会見の最後に志摩弁護士は「リスクについての報告が事実上放置されていた背景に何があったのか。裁判を通じて事実を明らかにしたい。司法の判断を仰ぎたい」と語った。 ■榎園哲哉 1965年鹿児島県鹿児島市生まれ。私立大学を中退後、中央大学法学部通信教育課程を6年かけ卒業。東京タイムズ社、鹿児島新報社東京支社などでの勤務を経てフリーランスの編集記者・ライターとして独立。防衛ホーム新聞社(自衛隊専門紙発行)などで執筆、武道経験を生かし士道をテーマにした著書刊行も進めている。
榎園哲哉