実は中国人旅行者も? 激増する「おじさん一人旅」は宝の山でも、旅館が「おひとりさま」を嫌うワケ
シニア世代の旅離れから昭和のトレンドだった団体旅行は減少し、令和では「ひとり旅」の人気が高まっています。 【ランキング】「ひとり旅」経験者が推す、ひとり旅したい都道府県トップ5 内藤英賢さんの著書、『観光ビジネス 旅行好きから業界関係者まで楽しく読める観光の教養』では観光ビジネスについて詳しく解説。今回は本書から一部を抜粋し、ひとり旅へのニーズの高まりがどういった変化をもたらすのかをご紹介します。 旅行市場に眠る今後のビジネスチャンスに注目してみてください。
◆ひとり旅が旅行形態の第2位に躍り出た意味
じゃらんリサーチセンターの調べによると、旅行形態としてひとり旅がついに2位にまで躍り出たとの発表がありました。 2024年度に実施された国内宿泊旅行のうち、同行形態として最も割合が高かったのは「夫婦2人での旅行」で25.6%。次いで「ひとり旅」が18.0%で続く(じゃらん観光国内宿泊旅行調査「旅行市場動向調査」)。 また、18歳~29歳の男性と50代の男性の層ではひとり旅が第1位になっているとのことです。このことは今までの様々な常識を覆します。 まず、いまだに旅館ですと「ひとり旅」は「その他」扱いが多く、本音を言えばなるべく取りたくないと思っているケースが多いのです。 なぜかというと、単純に旅館というのは「なるべく定員で入れて1室あたりの売上を高めたい」と考えており、その視点で見ると、ひとり旅と言うのはもっとも相性が悪い客層となってしまうためです。 しかし、その思惑とは反するように旅館の同伴係数(1室あたりに宿泊した人数)が2.0を切るケース(つまりひとり旅が相当数いる)も多く確認されています。
◆増え続ける「男性のひとり旅」
また、ひとり旅と言うと「女性のひとり旅」を思い浮かべる方も多く、また旅行の商品も「女性のひとり旅」をターゲットにしたものが多いです。ですが、先ほどのデータが示す市場のニーズは「男性のひとり旅」なのです。 これは、宿側に話を聞いても、数字のファクトどおりで「中年男性のひとり旅が本当に多い」と言います。 そして、このひとり旅は今後も増え続けます。理由は単純で、単身世帯が増えるからです。2025年現在の単身世帯は38%ですが、2040年には42%となります。 ちなみに2000年時は27%くらいで(この時のひとり旅の割合は10%くらいであったことを考えると)2040年にはひとり旅は旅行形態の第1位になることも十分に考えられるのです。 そして、これは日本のみの話ではありません。世界的な傾向で単身世帯が増加傾向にあります。インバウンド第1位の国である中国も今では4人に1人が「ひとり旅」で日本を訪れているという衝撃のデータもあります。