物語における労働の描写はどのように変化してきたのか
「会社と恋愛をしたいと思っています」
1999年に放送されたドラマ『サラリーマン金太郎』で、主人公・矢島金太郎は会社への思いをこう語る。
会社を恋人になぞらえ、命をかけて働く。そんな価値観は、現代の視聴者にはかなり遠いものに感じられるだろう。労働をめぐる物語はいつの時代も作られてきたが、その描かれ方は大きく変化している。昭和から平成の作品では「仕事で自己実現を果たす」物語が主流だった。一方、令和の作品では、仕事によって傷つく人々や失われたものなど、労働の「負の側面」を描くものが目立つ。
本稿では99年にシーズン1が放送された『サラリーマン金太郎』と2024年公開の映画『ラストマイル』を手がかりに、労働の描写がどのように変化してきたのかを考えてみたい。
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【とにかく仕事第一な金太郎】