「力」で領土を侵そうとしてくる目の前の大国に、どう対処したらいいのか。国際秩序を再建する必要性も叫ばれるなか、ロシアの脅威にさらされ続けてきた東欧ポーランドのアンジェイチャク前軍参謀総長は、歴史的な教訓も踏まえ、いま現実にロシアを食い止めるための国防増強の必要性を強調する。
国際秩序について話し合う「東京会議」(言論NPO主催)出席のため来日したのを機にインタビューしました。
――米国とロシアが、侵略の被害者であるウクライナの頭越しに停戦をまとめる動きを見せています。
「私たちから見れば、これは歴史のデジャブ(既視感)です。第2次世界大戦が勃発した1939年、ポーランドはナチス・ドイツとソ連に攻め込まれました。そして米英、ソ連によるヤルタ会談などで戦後処理が話し合われ、ポーランド不在の場で(東部領土をソ連領とするなどの)運命を決められました」
――ウクライナが侵略された領土をあきらめさせられ、ロシアの侵攻を追認する結論になる恐れがあります。
「それは、悪い平和です。ウクライナが望まない条件で(大国が)合意し、ロシアに主導権を与えてしまえば、その後の行動を止められません。停戦にあたって考えるべきことは、ロシアがその後、どんな行動をとるかです」
「ロシアが戦略的目的を達成したのだから、停戦によって(地域に)平和と繁栄、民主的な社会が訪れると考えるのは大きな間違いです。ロシアは決して約束を守りません。日本の皆さんは、私の話を悲観的すぎると思うかもしれませんが、ポーランドの見方は異なります」
――ロシアの行動は変わらないと?
「ロシアの狙いは、ウクライ…