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英検3級でも「Wednesday」が書けない!小中学生「《英検》先取り」の罠、「英語は大丈夫」と自信満々だった子が意欲を失い学習に苦しむケースが多発

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  • 東田 高志 高校受験塾講師・教育系インフルエンサー

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幼少期から英語を学び「英検」を取得する小中学生が増えているが、その「先取り」には思わぬ落とし穴がある(写真:Fast&Slow/PIXTA)

「Do you studying English?」

英検2級を取得し、発音も流暢な中学生が書いた英文が、これだった。

文中の誤りに気づくよう促してみたが、本人は首をかしげるばかりで、どこが誤りなのか見当もつかない。解説をすると、理屈としては理解したようだったものの、反応はどこか鈍かった。

日常会話レベルであればネイティブと問題なく話せる。独特の言い回しやスラングも知っており、英語への「慣れ」は十分すぎるほどだ。

それでも、彼女の書く英文は正直に言って穴だらけである。公立中学校の定期テストは、かろうじて平均点に届く程度にとどまっていた。「中学在学中に英検1級も視野に」と考えていた保護者は、事態を重く見て慌てて塾の英語を受講した。

現在、彼女は英語初学者たちと同じカリキュラムで、英文法を一から学び直している。

「小6で英検3級」が1年後に失速する現実

今、高校受験の塾の現場では、このような「英検級」と、主に学校や入試で求められる「英語力」の乖離の事例が広がっている。

近年の英語ブームにより、小学生のうちから英語を学ぶ子どもは急増した。英会話塾、4技能型の塾、進学塾、プリント系の学習塾、いわゆる「おうち英語」など、その形はさまざまである。高校受験の進学塾には、そうした環境で学んで英検を取得してきた子の入塾も多い。

「うちの子は英検3級を持っているので、中学英語は大丈夫です」

と、生徒も保護者も自信満々だ。英検公式サイトでは、英検3級は「中学卒業程度」とされているからだろう。しかし実際には、中学1年生相当の英文法力すら十分に身に付いておらず、結局は基礎から学び直さざるを得ないケースが少なくない。

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【先取り学習をしてこなかった子のほうが伸びる?】

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最後に1つ、あえて言っておきたい。近年、「小学生で英検1級」といった華々しい成果が、SNSを中心に盛んに発信されている。しかし、現場の感覚からすれば、そうした事例はあくまで例外だ。

リアルな現場では、中学3年時点で英検3級を持っているだけでも、学力状況次第では十分に“武器”になる。

高校受験を見渡すと、最難関校では2級、上位~難関校で準2級、中堅校では3級が1つの目安になる。すべての子が高い級を目指す必要はない。重要なのは、「その子の立ち位置で、どこまで英語を強みにできるか」だ。

勉強が得意ではない子の「英検戦略」は?

例えば、勉強全般が得意でない子の場合、すべてを平均的に頑張るよりも、英語に学習リソースを集中させ、中学卒業までに英検3級を確実に取っておくほうが、進路の選択肢は広がる。

実際、工業高校や商業高校には、普通科や私立高校では考えられないほど充実した大学の指定校推薦枠を持つ学校が少なくない。ところが、現場の先生からは「指定校推薦を使わせてあげたくても、英語力が基準に届かない生徒が多い」という声をよく耳にする。「せめて英検3級を持って入学してくれれば……」という嘆きだ。

これはつまり、通知表の評価が「2」と「3」が半々の中学生であっても、英語にリソースを集中させて英検3級を取得し、専門学科へと進む道には、大学進学で大きな勝機があることを意味する。その学校ならではの強みを武器にすることで、大学進学のチャンスを飛躍的に高めることができるのだ。

英検は、使い方次第で武器にも毒にもなる。その子の現在地を踏まえ、将来を切り開くための戦略的な道具として用いてこそ意味がある。高校受験の現場で日々子どもたちと向き合う中で、強く実感している。

東洋経済education×ICTでは、小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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