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「原因は私にない」「リスタート」「思想的・政治的な偏りはない」 同志社国際高校始業式で校長講話

遺族が「手記」を投稿

同志社国際高校が行った沖縄での研修旅行中における生徒死亡事故につき、ご遺族が一連の経緯等をnoteに投稿しています。「手記」と呼ぶべきでしょうか。

想いや悲しみが詰まっています。是非、ご一読下さい。

耳を疑う校長講話

同志社国際高校では新年度の始業式が行われました。西田校長の講話を録音した音声が公表されています。

文字起こしを行いました。

私、あの、年に8回この礼拝でお話をします。で、その礼拝でお話をする時、毎回こんな話をしようとか、あんなことを話そうとか、時間をかけて考えてきます。ただ今回に関しては、話さなければならないことはっきりしていて、一つしかないように、そのことをうまく伝えられるかどうか自分でもとっても不安です。それでも、しっかりとお話しなければならないことなので、よく聞いておいてください。

皆さんもご存知のように、先月の研修旅行で私たちは、尊い命を失うことになりました。自分たちの足元にある平和も守れないようなものは、平和学習ではないと思っています。 今回の事故の直接的な原因、事故が起こった直接的な原因は、えー、私にあるわけではないんですけれども、それを未然に防ぐための、避けるための、回避するためのことはできたんだろうと思います。で、そういう意味で私たちの責任も決して、小さくありません。むしろ非常に重いものだという風に考えています。この場を借りまして、学校責任者として、まず皆さんに、お詫びをします。大変申し訳ございませんでした。

報道等で様々なことは言われていますが、まず一つだけ皆さんに理解をしておいてほしいことがあります。私たちの学校がしている平和教育というものは、思想的・政治的に偏ったものを提供することを目的とはしません。そのことだけは信じてください。

あるネット上のニュースで、本校の、昔、来られた先生が非常に戦争反対を訴えて、えー、それは思想的に偏っているか、政治的に偏っているかという風な言葉が挙げられていました。その先生、確かに授業でもこの礼拝でお話をされてるけども、戦争反対をすごく声高に叫んでおられました。強い口調で言われました。

でもね、それはね、思想的だとか政治的な部分じゃないんですよ。ネット上ではそう言われているけど、そうじゃないんだよね。その先生は実際に、自分が子供の時に神戸の大空襲で逃げ惑った経験があるわけです。その先生の実際の体験なんです。体験から出てきた戦争反対の気持ちなんです。その気持ちをね、思想とか政治とか、そういうものに置き換えるのは違うと思います。体験から出てくるものは何物にも変えられない。そういう風な部分がある。 どうやら外では色々考えているので、そういう風なところでですね、君たちが迷ったり、惑わされたりするのは違うと思いますので、そこの部分は安心してください。学校はそんな活動は絶対に提供しません。

それでも先言ったように、生徒一人の平和を守れなかった責任はあまりに大きいという風に自覚しています。この部分に関しては、これから学校全体で力を合わせて、回復という道を歩んでいきたいと思っています。

今回のこと、学校はある意味でリスタート。平和の再構築のために、これから進んでいきます。学校がどのように変わっていくのか、できるだけ皆さんにも目に見える形で示して、安心してもらえるようにしたいという風に思っています。

それと同時、在校生の皆さんにお願いというか協力をして欲しいんですけど、えー、在校生の皆さんのためにも、可能な限り学校の動きを止めないで進んでいきたいという風に思っています。皆さんの思い出も、できるだけ減らすことなく、それでも慎重に学校を運営していきます。 もちろん、これがこの場だけの、この場だけのことになるつもりもありません。

学校は、教師が皆さんに求めることの方が日々多いですが、皆さんは学校に、あなた自身の安全を求める権利があります。ぜひその権利を行使してください。 皆さんが見ていて「おかしいな」「変だな」と思うことがあります。どんどん指摘してもらって結構です。直接校長室へ来て話し合いましょう。あくまで話し合います。僕の方から一方的に皆さんにすることはありません。あなたも自分の主張だけを押し通すものではなく、また、力に訴えるのでもなく、相互理解と問題解決のための話し合いをしましょう。それが、平和に向かう???だという風に思っています。

講話を読み聞きして驚きました。事故に対する認識があまりに甘いのかもしれません。

「事故が起こった直接的な原因は、私にあるわけではない」

講話冒頭部分の下記発言に衝撃を受けました。

今回の事故の直接的な原因、事故が起こった直接的な原因は、えー、私にあるわけではないんですけれども、それを未然に防ぐための、避けるための、回避するためのことはできたんだろうと思います。

事故が起こった直接の原因は運行団体や船長の判断・操船ミスと言いたいのでしょう。しかし、生徒や保護者に運行団体等は選べず、要望等も届きません。直接の窓口は学校です。事故が起こった直接的かつ最大の原因は、当該団体に運行等を委ねた学校の判断ミスです。

事故を未然に防ぐ為の方法はありました。が、これは生徒の安全の第一とする学校教育では当たり前です。講話で強調するものではありません。安全配慮義務を果たさず、「できたんだろうと思います」という言葉で責任を回避しようとしています。

「思想的・政治的に偏ったものを提供することを目的とはしません」

この発言にも強い違和感がありました。

私たちの学校がしている平和教育というものは、思想的・政治的に偏ったものを提供することを目的とはしません。そのことだけは信じてください。

現在の日本社会における一般的な「平和教育」とは、先の大戦における被害と加害の歴史を通じ、二度と戦争を起こさない・巻き込まれない事を目的とした、児童生徒の発達段階に応じた座学や見学等を行う活動だと考えています。一言で表すと「戦争反対」です。多くの日本人が賛同するものでしょう。

我が家がお世話になっている学校でも、様々な活動を通じた「平和学習」が行われています。大阪城にあって大阪空襲を語り継ぐ資料を中心に展示しているピースおおさかへの社会見学が代表例です。修学旅行で広島を訪問する小学校も多いです。神戸大空襲の体験談も含まれますが、建設中の基地を「抗議船」から見学する活動は含まれないでしょう。

「学校はある意味でリスタート」

この発言には頭が痛くなりました。

今回のこと、学校はある意味でリスタート。平和の再構築のために、これから進んでいきます。

大事な生徒が亡くなっているのに、「リスタート」という軽い言葉で矮小化しています。事の重大性を認識していません。必要なのは「総懺悔」ではないでしょうか。

学校管理下で生徒が亡くなったという事実は極めて重いです。たとえば高知県の小学生はプール授業中に死亡した事件では、教員に有罪判決が言い渡されました。裁判は現在も続いています。

本件事故では引率教諭が「抗議船」に同乗していなかった事も含め、教員や学校の管理監督責任が様々な場で問われていくでしょう。

進学候補は他にもある、高校は保護者の目が届きにくい

本件事故を強く反省し、遺族や被害者に何度も謝罪し、原因究明と対策防止を策定し、関係者に十分な処分が行われ、「抗議船」を運行した団体と完全に手を切らない限り、子供の進学先としての候補から同志社国際高校は外します。

同志社大学系列には同志社中学・高校や同志社香里があります。帰国生の受け入れ先には立命館宇治や関西学院千里国際もあります。

本件事故の影響は他校にも広がっていると聞きます。宿泊行事に関する説明会にて、野外活動・アクティビティの安全性に関する説明や質問に時間を割く学校が多いそうです。

学校が安全を確保すべきなのは宿泊行事に限りません。他の様々な活動で疑義があれば、積極的に学校に訊ねて下さい。

ただ、小中学校と高校との違いも実感しています。小中では宿泊行事に関する対面説明会が行われましたが、高校は生徒経由で受け取ったプリントとしおりのみでした。行事の詳しい中身までは把握できていません。

もしも一定の危険性があり、かつ学校が十分な安全配慮を行っていない活動があっても、保護者が気付くのは難しいと感じています。高校は保護者の目が届かない「エアポケット」になっているのかもしれません。

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