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中国系「一条龍」とは何か高市総理答弁をきっかけに見えたインバウンドの裏側

最近、国会の委員会答弁をきっかけに、中国政府が中国人の日本への団体旅行を事実上制限するような指示を出した、という報道がありました。
発言の主とされるのは高市総理です。

このニュースを聞くと、日本の観光業は大きな打撃を受けるのではないか、と感じる人も多いでしょう。しかし、観光業界の内部では、やや冷静で別の見方も広がっています。その中心にあるのが、中国系の「一条龍(いちじょうりゅう)」と呼ばれる仕組みです。

一条龍とはどんな仕組みか

一条龍とは、中国人団体観光客向けに構築された、旅行のすべてを一本の流れで完結させるビジネスモデルです。

具体的には、

・フェリーや航空機などの移動
・空港から観光地へのバス
・宿泊施設
・観光ルート
・土産物店や免税店
・場合によっては飲食店

これらが、中国資本、あるいは中国系資本が関与する企業によって一体的に運営されています。
旅行者は言葉の不安もなく、手間もかからず、日本旅行を楽しめますが、お金の流れはほぼこの「一条龍」の中で完結します。

なぜ日本の企業にはお金が落ちにくいのか

一条龍の最大の特徴は、「人は日本に来るが、利益は日本に残りにくい」という点です。

街中では中国人観光客で賑わっているように見えても、

・宿泊は中国系ホテル
・買い物は指定された中国系免税店
・移動も契約済みのバス

という形が多く、日本の中小旅館や地元商店、個人経営の飲食店にはほとんどお金が回らないケースもあります。

そのため、団体客が減っても、
「もともと日本企業への恩恵は小さかった」
という声が出てくるのです。

中国政府の団体旅行制限が与える影響

今回の中国政府の方針によって影響を受けるのは、主にこの一条龍を構成する中国系企業です。

団体客が来なくなれば、

・中国系旅行会社
・中国資本の宿泊施設
・中国系免税店

の売上は減少します。一方で、日本の地元観光業への直接的な影響は、意外と限定的ではないか、という見方が広がっています。

実際、地方の旅館や観光地からは、
「団体客は以前からほとんど利用がなかった」
「個人旅行客の方がありがたい」
という声も聞かれます。

個人旅行の中国人は今も日本を訪れている

興味深いのは、団体旅行が制限される一方で、個人で日本を訪れる中国人観光客は今も一定数存在していることです。

個人旅行の中国人観光客は、

・日本の予約サイトを利用する
・日本人向けの飲食店に入る
・地方都市やローカル観光地を訪れる

といった傾向があり、日本経済への波及効果はむしろこちらの方が大きいとされています。

つまり重要なのは、
「中国人観光客が来るか来ないか」ではなく、
「どの仕組みで来て、どこにお金が落ちるのか」
なのです。

一条龍は悪なのか、それとも合理的な仕組みか

一条龍という言葉には、やや否定的な印象がありますが、ビジネスモデルとしては非常に合理的です。

言語や文化に不安のある旅行者にとって、
「すべてお任せで安心」
という仕組みは大きな魅力があります。

一方で、日本側が何も工夫せずに受け入れてきた結果、
「観光客は多いが、地域が潤わない」
という現象を生んできたのも事実でしょう。

これからの日本のインバウンド戦略としては、

・個人旅行客が動きやすい環境づくり
・地域に直接お金が落ちる仕組み
・多言語対応やキャッシュレス整備

こうした地道な取り組みが、ますます重要になっていくように思います。

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