マグロでもブリでもサーモンでもない…「日本の魚が消える日」に食卓の主役に返り咲く"国民食"の正体
- 04/18 08:15
- プレジデントオンライン
2026年4月8日、基本プレイ無料のゲーム『Pokémon Champions』が配信開始となった。
ポケモンの特徴は何かといえば、交換と対戦である。仲間にしたポケモンをほかのプレイヤーと交換・対戦できるからこそ人気になったわけで、非常に重要な核といえる。
その対戦だけに特化したタイトルが『Pokémon Champions』である。そして本作は、ポケモンが続く限り永久に運営を続ける予定の作品だという。
数多くの基本プレイ無料ゲームが数年も持たずにサービス終了している最中、なんとも挑戦的なタイトルだといえよう。はたしてポケモンは何を目指しているのか?
■対人戦を独立させるのは必然だった
前述のように、ポケモンにおいて対人戦はかなり重要な要素だった。しかし、ゲームソフトの開発工数が増えるに従い、ひとつのタイトルに「ひとりで遊ぶストーリー」と「ほかのプレイヤーと遊ぶ対人戦」をひとまとめにするのは難しくなっていく。
これまでポケモンの対人戦は本編シリーズに付随する要素だったが、どんどん負担になってきたのだろう。ゆえに対人戦は『Pokémon Champions』に切り分けて、それぞれで独立するわけだ。
ポケモンはコミュニケーションが楽しめるRPGとしてヒットしたわけで、仲間にしたポケモンを育てて対戦する、というのは確かに必要なゲームシステムだ。ただし、対人戦はむやみに複雑だった。
そもそもポケモンは種類ごとに決まった強さがあり、ステータスがある程度決まっている。たとえばピカチュウであれば、素早さが高く、HPが低いといった決まりきった数値がある。しかし、これはプレイヤーに明示されていない。
さらに同じ種類でも個体ごとの強さもあり、育成方針によってステータスに差が出るうえ、性格・覚える技・持ち物などによりまた差が出てきて、しかもそれが対戦結果に少なくない影響を及ぼすのだ。
そもそも対人戦用のポケモンを用意するには連射コントローラーがあったほうがよい状況で、とてもではないが天下をとっているビデオゲームとは思えないような有様だった。ゆえに、対人戦を楽しんでいる層は一部に限られる。
それをわかりやすくすればもっと人気が出る可能性があるし、そもそも切り分ける必要もあった。『Pokémon Champions』はその必然によって生まれたタイトルといえる。
■永久にサービスが続く基本プレイ無料ゲームは可能か?
『Pokémon Champions』では、前述のわかりにくかった要素が整理されている。
まず個体ごとの強さはなくなり、育成も時間がかからなくなった(ゲーム内ポイントが必要にはなるが)。正直、これだけでかなりまともな対戦ツールに整備されたといえる。
これまではストーリーモードと対人戦のバランスを一度に調整する必要があったが、それぞれ独立したことによって片方ずつ変更することができるのだろう。開発側もやりやすくなったはずだし、プレイヤーもより良いバランスを楽しめるはずだ。
そして、『Pokémon Champions』は基本プレイ無料である。かつこのゲームだけでも対戦用のポケモンを手に入れられるので、これまで対人戦を遊んでいなかった人たちにもアプローチできるわけだ。
ただしどうしても気になるのは、基本プレイ無料できちんと採算がとれてずっと続けられるかどうかだ。
『Pokémon Champions』の星野正昭プロデューサーは「基本的にポケモンシリーズが続く限り、永久に続けていく予定」と海外インタビューで明言している。
しかし基本プレイ無料のゲームは、最初の盛り上がりがピークで右肩下がりになりがちである。失敗して早期撤退した例も多く、ユーザーの可処分時間の奪い合いが激しい。
もちろん、一部の人気タイトルは長寿タイトルになることができている。『Apex Legends』や『フォートナイト』など、勝者になれれば総取りできるような環境ともいえる。
『Pokémon Champions』はポケモン好きが待ち望んだタイトルだし、株式会社ポケモンとしても出さねばならない作品であった。そして同時に、かなりの挑戦にもなるだろう。
■伝統芸能になろうとするポケモン
少なくともポケモンの対人戦は30年ずっと続いてきた歴史がある。そして定期的に本編シリーズの新作が登場し、新しいポケモンが出てくるため対人戦も大きく盛り上がるのだ。
『Pokémon Champions』もそれに応じて盛り上がるはずで、ポケモン新作が出る限り息切れしないと見込んでいるのだろう。
そして本作ならではの特殊ルールや、バトルに参加できるポケモンを変更するなどによって飽きを防ぐ可能性もありうる。また、のちほどスマホ版が配信予定なので、新しい層にアピールできる可能性もある。
一方で気になる点も多い。これまでポケモンの対人戦はユーザーがのんびり遊べたわけだが、今後は基本的に毎日プレイする前提になる(日課が追加されている)。となると、ユーザーの飽きも加速するだろう。
基本プレイ無料のゲームにおける最大の問題は「飽き」である。数年単位のアップデートでは飽きられやすいし、こまめにアップデートされる基本プレイ無料タイトルと競合しうる可能性も否定しきれない。
そして、本編シリーズとの連動をアップデートの目玉にするリスクもある。せっかくそれぞれを切り分けたのに、本編シリーズが対人戦のことを考えなければならないケースもありうるからだ。
こういった諸問題をポケモンという巨大なIPで圧倒しようといった挑戦であり、必然であると同時に意欲的なタイトルでもある。
昨今のポケモンは、とにかく長く続けることを目的としている。まるで伝統芸能を目指しているかのようだ。
ポケモンの対人戦も、それこそ将棋のように伝統的な遊びの位置に立つことを目的としているのだろう。『Pokémon Champions』はそのための重要な一手である。はたしてポケモンの対人戦は伝統になれるのか。
渡邉 卓也 :ゲームライター