"地球防衛軍"をやります STAGE11

  • 1EDF ◆GUGLV24g4w26/04/04(土) 21:48:20

    安価で募集したキャラクターをEDF隊員としてナーフorアッパー調整した上で巨大生物たち&安価で募集した敵と戦う、ステージクリア型の絶望的なAIシミュ。ストーム1のいない戦場をイメージしてくれると幸いっス。


    残酷な描写あり。


    全20ステージを予定。現在19ステージ目直前。


    犠牲者続出の哀しき前スレ…

    "地球防衛軍"をやります STAGE10|あにまん掲示板安価で募集したキャラクターをEDF隊員としてナーフorアッパー調整した上で巨大生物たち&安価で募集した敵と戦う、ステージクリア型の絶望的なAIシミュ。ストーム1のいない戦場をイメージしてくれると幸いっ…bbs.animanch.com
  • 2EDF ◆GUGLV24g4w26/04/04(土) 21:51:33

    「……全生存者は、メイン・ブリーフィング・ルームへ集合してください……繰り返します」

    女性オペレーターの、ひどく掠れたアナウンスが基地内に響く。


    『裏路地の夜』が明け、朝日が差し込んだ極東基地。しかし、彼らに与えられたのは「最低限の弾薬補充」と「装甲の応急溶接」を行う、ほんの数時間の猶予だけだった。


    痛覚遮断の薬効が切れかけ、生存者たちは文字通り血と泥にまみれたまま、重い足取りでブリーフィング・ルームへと集まった。


    部屋の隅では、アマデア・ウォルファが焦点の合わない目で宙を見つめ、ブツブツと何事かを呟き続けている。


    「……怒りの日、怒りの日が来るのだよ……私が伝えた……私が、選ばれたから、クルミが……アハッ」

    かつての天才の無残な姿に、シュネーは痛ましげに目を伏せ、オメラスは静かに目を閉じる。


    「……よく生き残った。だが、休ませることはできん」

    メインモニターの前に立つ司令官ラスタル・エリオンの顔にも、隠しきれない疲労の影があった。だが、その冷徹な双眸の光は少しも衰えていない。


    「これが、アマデアの口を借りてアンカーが予告した『アルマゲドン』だ」

    モニターに映し出されたのは、宇宙空間。

    そして、地球への衝突軌道を描いて迫り来る、絶望的な質量の塊だった。

  • 3EDF ◆GUGLV24g4w26/04/04(土) 21:55:37

    「……冗談でしょう?」

    仲間を次々と失いながらも、常に最前線を張っていた氷川誠が、呆然と声を漏らす。


    「直径、およそ200キロメートルの小惑星。……アンカーによって軌道を改造された、純粋な『質量兵器』だ」

    ラスタルが淡々と告げる。


    「大気圏で燃え尽きるサイズではない。あれが地球に激突すれば、地殻は捲れ上がり、海は蒸発する。地球上の全生命体が、文字通り消滅する」


    「……兵器とはいえ、大きければいいというものではないでしょうに。なんという理不尽な暴力ですか」

    宮沢静虎が、額の汗を拭いながら重く息を吐いた。


    「表面をよく見て! これ、ただの隕石じゃないよ!」

    島風がモニターを指差す。

    小惑星のクレーターや岩肌には、アンカーの技術による無数の『対空防衛砲台』や『ミサイルサイロ』が、ハリネズミのようにびっしりと増設されていた。ただの隕石落としではなく、迎撃すらも許さない移動要塞なのだ。


    「……どうする気だ。ここから宇宙に届く攻撃などないだろう」

    オメラスが問う。

  • 4EDF ◆GUGLV24g4w26/04/04(土) 21:59:49

    「地球上からの迎撃は不可能だ。故に、こちらから宇宙まで出向く。ストーム1の奮戦により、宇宙港付近の安全は既に確保されている」

    ラスタルは映像を切り替え、EDFが密かに建造していた巨大な宇宙シャトルの設計図を展開した。


    「地球上からの迎撃は不可能だ。故に、こちらから宇宙まで出向く。ストーム1の奮戦により、宇宙港付近の安全は既に確保されている」

    ラスタルは映像を切り替え、EDFが密かに建造していた巨大な宇宙シャトルの設計図を展開した。


    「宇宙シャトル『ケストレル』……?確か、ホバリングする鷹の名前だね。なるほど、こいつで隕石に取り付いてどうにかするってことか」

  • 5二次元好きの匿名さん26/04/04(土) 22:00:57

    なにっ前作

  • 6EDF26/04/04(土) 22:04:08

    「察しが良いな。貴様ら歩兵部隊と、特機2機をケストレルに乗せ、小惑星の表面に強行着陸する。その後、地下深くへ続く亀裂へと侵入し、この『反物質爆弾』を最深部に設置して内部から粉砕する」

    反物質爆弾。

    地球すら半分を吹き飛ばしかねないその兵器の映像に、誰もが息を呑んだ。


    「宇宙戦を見据えたシャトルはともかくとして、こんな過剰威力な爆弾誰が作ったんです?まさか隕石を予期してたわけでもないでしょう?」

    「……データによれば、これを設計したのはゴームズだね」

    戦死したマッドサイエンティストの名前が出て、一同は寂しそうにしたり複雑そうな表情を作る。


    「だがよ、一つ問題がある。強すぎる力は危険、ってやつだ。ラプチャーのハッキングや、ジゴワットの電気障害を考えりゃ、相当強固なロックをかけなきゃならないはずだ。下手すりゃ隕石を待たずして地球がドカン、だからな」

    怜慈の指摘に、ラスタルは静かに頷いた。


    「その通りだ。遠隔操作自体はするが、ハッキリを警戒するならその距離は短ければ短いほど良い……だからこそ、この作戦には私が同行する」

    「……なっ!?」

    シュネーが驚愕の声を上げる。


    「司令官が自ら宇宙に!? バカな、全体の指揮はどうするつもりなんだ!」

  • 7EDF26/04/04(土) 22:07:57

    「全体の指揮も何もない。これが人類最後の作戦になるかもしれないのだからな。どちらにせよ、貴様らを指揮するのに地上にいてはラグが酷くてどうにもならん」

    ラスタルは、自身の軍服の襟を正し、極めて事務的に告げた。


    「反物質爆弾のブラックボックスは、最高司令官である私の生体認証(バイオメトリクス)と、網膜パスワードでしか最終ロックを解除できない。爆弾設置後、ギリギリまで私も近づき、近距離での遠隔操作で爆破する。危険だがこれは、上に立つ者の責任だ」

    それは徹底したリアリストとしての「死の覚悟」だった。

    司令官自らが片道切符の宇宙船に乗り込むという異常事態。


    だが、その重苦しい空気を、狂気に満ちた笑い声が切り裂いた。


    「……シューッ! フハハハハッ!! スマン、本当にスマン! 笑いが止まらん!」

    ヤクザ天狗だった。

    彼はボロボロのヤクザスーツの埃を払い、テングオメーンの奥のサイバネアイをギラギラと赤く発光させて前に出た。


    「宇宙空間だと? 小惑星の要塞だと? ……ナムサン! つまり、あの岩の塊そのものが、ニンジャ=エイリアンの巨大なアジトというわけだな!?」

    「……天狗殿、お主また妄想が……」

    ヤイバが嗜めようとするが、ヤクザ天狗は己の後頭部にある生体LAN端子に、太いケーブルをガシャリと接続した。


    「宇宙船ケストレルの操舵と、あの忌まわしい対空砲火の回避計算……私の脳内UNIXと、論理トリガによる『サンダンウチ・タクティクス』の演算能力に直結させろ! スシを食うよりも容易く、あの岩肌にシャトルを横付けしてやる!」

  • 8EDF26/04/04(土) 22:11:14

    「……狂人のサイバネティクスを、シャトルのナビに直結させる? 正気ですか!?」

    オペレーターが悲鳴を上げる。


    「構わん。通常の自動操縦では、アンカーの弾幕は抜けられん。ヤクザ天狗、貴様の狂気に人類の命運を預けよう」

    ラスタルがあっさりと許可を出した。


    「フン……! いいぜ、やってやろうじゃねェか」

    弩城怜慈が、ニヒルな笑みを浮かべ、拳を手のひらに打ち付けた。


    「宇宙は本来、銀河連邦警察である俺の庭だ。……死んでいった仲間たちの怒り、そして地球の怒り。俺と『キングコーカサスカブト』が、全部まとめてあの石っころにぶつけてやる」

    「……準備はいいな。出発は10分後だ」

    ラスタルは静かに踵を返し、宇宙シャトル・ケストレルへの搭乗ゲートへと歩き出した。


    誰も、生きて帰れる保証などない。

    だが、彼らは泥に塗れた装備を再び身に纏い、宇宙という名の絶対の死地へと向かうため、歩みを進めた。


  • 9二次元好きの匿名さん26/04/04(土) 22:11:50

    あざーす

  • 10EDF26/04/04(土) 22:15:59

    (感想スレで告知してくれたモブありがとう…消しちゃったみたいだけど見てたよ……)



    強烈なG(重力加速度)が、満身創痍の歩兵たちの内臓を情赦なく押し潰す。

    大気圏を突破し、漆黒の宇宙空間へと放り出されたEDFの大型宇宙シャトル『ケストレル』の船内には、軋む装甲の悲鳴と、血と汗の入り混じった重い沈黙が充満していた。


    「……見えたぞ。あれが、我々の処刑場か」

    ネブカドネザルのコックピットから外部カメラを覗き込んだオメラスが、重々しく呟く。

    漆黒の虚空に浮かぶ、直径200キロメートルの小惑星。それは地球の美しい青さとは対極にある、死と暴力のみを凝縮したような歪な岩の塊だった。

    岩肌には、アンカーの技術によって増設された無数のミサイルサイロと、巨大なレーザー砲台がハリネズミのようにそびえ立っている。


    「……目標ポイント、小惑星の赤道付近に走る巨大な亀裂(クレバス)。あそこに強行着陸し、最深部へ爆弾を運ぶ」

    司令官席に座るラスタル・エリオンが、極めて冷静に告げる。その手元には、地球の半分を消し飛ばす『反物質爆弾』の起動コンソールが握られていた。


    『————警報。敵防衛システム、当機をロックオン。……数が、多すぎますッ!』

    モブのオペレーターが悲鳴を上げる。


    小惑星の表面が、一斉に赤く発光した。

    直後、宇宙空間を埋め尽くすほどの対空ミサイルの群れと、極太のレーザーの網の目が、ケストレルへ向けて放たれた。回避空間など存在しない、純粋な「面」による制圧弾幕。

  • 11EDF26/04/04(土) 22:20:25

    「ヒャハハハハッ! 来たな、ニンジャ=エイリアンの暗器どもめッ!」

    操舵席。後頭部の生体LAN端子をケストレルのメインシステムに直結させたヤクザ天狗が、テングオメーンの奥のサイバネアイを狂気的に発光させた。


    「私の脳内UNIXの演算速度を舐めるな! 論理トリガ展開! 全スラスター、私の思考と同期しろッ!!」

    ズガォォォォォンッ!!


    巨大なシャトルが、まるで軽量の戦闘機のような、物理法則を無視した異常な機動で宇宙空間を滑った。


    機体の右舷スレスレを極太のレーザーが掠め、推進剤を暴発させることでミサイルの群れを間一髪で振り切る。ヤクザ天狗の狂気的な『サンダンウチ・タクティクス』の反射神経が、巨大な宇宙船を己の肉体のように操っていた。

    だが、代償は重かった。


    「ガ、ハッ……! ナムサン……ッ!?いや、まだ……!」

    ヤクザ天狗の鼻から血が噴き出す。


    一個人のサイバネティクス脳で、この絶望的な弾幕の全弾回避を計算し続けるのは、あまりにも無謀だった。脳血管が限界を超え、ケストレルのコンソールからショートした火花が散る。


    「……シールド出力低下! このままじゃ、次のレーザー直撃で船体が持ちませんッ!」

    氷川誠が、揺れる船内で壁に手をつきながら叫ぶ。


    「天狗殿! 無理だ、これ以上の接続はお主の脳が焼き切れる!」

    ヤイバが叫ぶが、ヤクザ天狗は血反吐を吐きながらも操縦桿を離さない。

  • 12EDF26/04/04(土) 22:23:30

    その絶体絶命の窮地。

    船内の片隅でガタガタと震えていた一人の女が、血の滲むような声で吠えた。


    「……ふざけるな、ふざけるなッ! 私の計算式を、勝手に上書きするなッ!」

    天才科学者、アマデア・ウォルファだった。


    彼女の脳内には、未だにアンカーの『メッセンジャーになれ』という呪いのような声が響き続けている。先ほどまでクルミの凄惨な死のトラウマに怯え、精神を崩壊させていた。


    だが、眼の前で狂人が血を流して船を操り、シュネーやオメラスが死を覚悟して前を向いている姿が、彼女の底なしのプライドと、泥濘んだ劣等感に火をつけたのだ。


    「私は……私は天才なのだよ! アンカーの操り人形(メッセンジャー)になど、なってたまるかァッ!!」

    アマデアは、ひび割れた自前のタブレットを叩き割りそうな勢いで起動し、自身の最高傑作であるAIドローンのシステムを、ケストレルの戦術航法コンピューターへと強制リンクさせた。


    「ヤクザ天狗! お前の貧弱な脳内UNIXの演算領域を、私のAIで拡張・補強してやる! 弾幕の軌道予測は私がやる、お前は避けることだけに脳髄を使いたまえッ!」

    「……シューッ! 上等だ、女狐! サイバネとAIの融合(フュージョン)……これもまた、ニンジャ殺すべしという真理ッ!」

    アマデアの流し込んだ完璧な軌道計算データが、ヤクザ天狗の脳の負荷を劇的に軽減する。


    「……右舷スラスター0.5秒点火! 次のミサイル群は予測座標X45・Y12に収束する、その隙間を抜けろッ!」

    アマデアが、かつての尊大な、しかし今は確かな戦士の顔で叫ぶ。

  • 13EDF26/04/04(土) 22:28:04

    「承知ッ!」

    ズバァァァァァァァァァァンッ!!


    アマデアの計算と、天狗の狂気の反射神経。二つの異質な才能が完全に噛み合った瞬間、ケストレルはレーザーとミサイルの暴風雨の「たった一つの正解ルート」を縫うように突き進んだ。


    「……すげェ! 抜けやがった!」

    弩城怜慈が、歓喜の声を上げる。


    「よし……着陸態勢に入る」

    ラスタルが、衝撃に備えてシートベルトを握りしめる。


    ケストレルは、小惑星の赤道付近に走る巨大な亀裂(クレバス)へ向けて、文字通り「墜落」に近い速度で突入していった。


    ガガガガガガガガガガッ!!!


    宇宙船の腹部が岩肌を凄まじい勢いで削り取り、激しい火花と無重力の土煙を巻き上げながら、ケストレルはクレバスの入り口付近へ強行着陸(クラッシュ・ランディング)を果たした。

    「……着陸確認。船外は真空、重力は地球の約0.3倍だ。防護服の気密を確認しろ」


    ラスタルが、反物質爆弾のコンテナをロック解除しながら立ち上がる。


    「これより、特機は船外へ展開。私と爆弾を、最深部まで護衛しろ」

  • 14二次元好きの匿名さん26/04/04(土) 22:28:50

    アマデア、復活ッ!
    アマデア、復活ッ!!

    (このまま再起不能じゃなくて)ふ~よかった、ありがとうございました

  • 15二次元好きの匿名さん26/04/04(土) 22:32:06

    追いついたのん 隕石どないする?と思ってたらゴームズが作ったやべえもの出てきて笑ってしまう
    反物質で星とか隕石とか吹き飛ばすってなると暗殺教室思い浮かべるよねパパ

  • 16EDF26/04/04(土) 22:34:45

    ハッチが開いた瞬間、そこには「死」が広がっていた。

    音のない世界。

    空気を媒介しない宇宙空間では、ケストレルから噴き出す緊急排気の音も、岩肌を削る金属の悲鳴も、一切届かない。

    ただ、足の裏から伝わる不気味な振動と、ヘルメット越しに聞こえる自らの荒い呼吸、そしてリサイクルされた酸素の乾いた臭いだけが、生の実感だった。


    「……歩兵部隊は船内に留まれ。宇宙服での戦闘はこの環境下では自殺行為だ。貴様らはケストレルの各砲座につき、特機2機の進路を確保しろ」

    司令官席を立ったラスタル・エリオンが、強化外骨格を備えた気密服に身を包み、背中に固定された『反物質爆弾』のコンテナと共に、船外へと繋がるスロープに立つ。


    その傍らには、怜慈の乗る黄金の巨神『キングコーカサスカブト』と、オメラスが駆る鋼鉄の決戦兵器『ネブカドネザル』が、静かに、しかし獰猛に駆動音を響かせていた。

    「了解だよ、司令。……ボクたちがここを動かないための、盾になってあげるさ」

    シュネー・ヴァイスベルグが、ケストレルに増設された狙撃用旋回砲塔のグリップを握る。


    彼女の隣では、氷川誠がガトリング砲座に、島風が迎撃ミサイルのコンソールに、それぞれが血に濡れた指で取り付いていた。

  • 17EDF26/04/04(土) 22:37:30

    「……アマデア。AIドローンの全ユニットを展開しろ。ケストレルを死守する『ビット』として運用する」

    「言われなくても分かっているのだよ! 私の計算に拠れば、この防衛ラインの維持こそが、勝利への唯一の変数なのだからね!」

    アマデア・ウォルファが、険しい顔つきで空元気ながらも顔を上げ、狂ったようにタブレットを弾く。

    ケストレルのハッチから、数十機の小型ドローンが蜂の群れのように飛び出し、船体の周囲に光の防御網を構築し始めた。


    「行くぞ、オメラス! 俺たちが道をこじ開けるッ!」

    黄金のコックピットの中で、弩城怜慈が吠えた。


    キングコーカサスカブトが、0.3Gの低重力を利用して岩肌を蹴り、宇宙の闇へと跳躍する。

    その直後、小惑星の亀裂(クレバス)の奥底から、アンカーの防衛機動兵器——円盤型の自立戦車群が、音もなく湧き出してきた。

    ズバァァァァァァァァァンッ!!


    真空を切り裂く、無数のレーザーの光。

    ケストレルの砲座から、シュネーたちの援護射撃が放たれる。


    「させないよっ! 弾道予測、完了……ファイア!」

    シュネーが放つ極太のビームが、敵円盤の一機を正確に貫き、宇宙空間に音のない火球を咲かせる。

    「僕だって……ッ!」

    氷川が叫び、無数の実弾ガトリングを闇へと叩き込む。薬莢が重力に逆らい、キラキラと輝きながら虚空へと舞い上がっていく。

  • 18EDF26/04/04(土) 22:42:19

    その弾幕の中を泳ぐように、怜慈のキングコーカサスカブトが巨大な『ヘラクレスアックス』を振り上げた。


    「宇宙(ここ)は俺の庭だって言ったよな……! 銀河連邦警察の誇り、見せてやるぜッ!!」

    低重力下での超高速機動。

    怜慈は慣性制御を限界まで無視し、黄金の巨体を独楽のように回転させながら、防衛兵器の群れへと突っ込んだ。


    ガキィィィィィンッ!!


    ヘラクレスアックスの一振りが、アンカーの装甲を紙のように引き裂く。爆発の衝撃波すら伝わらない真空の中で、ただ火花と鉄屑だけが美しく、残酷に舞い散る。

    「……弩城怜慈、深追いするな。爆弾の運搬路を確保するのが先決だ」

    オメラスが操るネブカドネザルが、背後のラスタルを庇いながら、精密な狙撃で怜慈を援護する。


    だが、アンカーの防衛網は底知れなかった。


    クレバスの最深部、爆弾を埋め込むべき『中心核(コア)』へと続く巨大なハッチが視界に入った瞬間。

    岩肌そのものが脈打つように変形し、全高百メートルを超える巨大な重力偏向砲台——『ゼダンの門』がその姿を現した。

  • 19二次元好きの匿名さん26/04/04(土) 22:46:10

    ま、また宇宙世紀か…

  • 20EDF26/04/04(土) 22:48:23

    >>19

    (隕石の素材不足、としか言えません)


    「……ッ、なんですあの大きさは!? 基地にあるタイタンの数倍はあります!」

    モニター越しに、ナギサが翼を震わせながら叫ぶ。


    『————ターゲット確認。重力波収束。完全消滅シーケンス、開始』

    無機質な機械の声が、全通信回線をジャックして響き渡った。


    砲口が青白く発光し、周囲の空間が重力歪曲によってグニャリと歪み始める。あの砲撃が放たれれば、ケストレルも、歩兵部隊も、そして反物質爆弾もろとも、分子レベルで圧縮・粉砕される。


    「……まずいな。こちらの主砲では、あの重力障壁を貫通できん。隕石の護衛にここまでのものを配置するとは」

    ラスタルが、静かに足を止めた。リアリストの彼は、瞬時に「失敗」の二文字を計算の隅に置いた。


    だが、黄金の巨神は止まらなかった。

    「……オメラス。司令を……爆弾を、あのハッチの奥へ運んでくれ」

    通信機から聞こえた怜慈の声は、これまでにないほど穏やかで、澄み切っていた。


    「……何をする気だ、弩城怜慈。無茶な特攻でもする気か?」

    オメラスが機体を制止しようとするが、キングコーカサスカブトは既に全スラスターを逆噴射させ、単身で重力偏向砲台の正面へと躍り出ていた。


    「俺はさ……昔から、手柄を他人に譲るのは慣れてるんだ。でも、これだけは譲れねぇ」

  • 21EDF26/04/04(土) 22:53:56

    怜慈は、コックピット内の全ての安全装置を解除した。

    タツミヤ鉱で強化されたジェネレーターが、限界を超えた出力を求めて悲鳴を上げ始める。機体全体が黄金のオーラを超え、白熱した輝きを放ち始める。

    「俺が、あの砲撃を真正面から預かる……! その隙に、全部終わらせてこいッ!」

    「弩城さん!? ダメです、そんなことをしたら機体が持ちませんッ!!」

    「怜慈さんっ!!」

    氷川が叫び、シュネーが悲鳴を上げる。


    だが、怜慈は笑っていた。


    「いいんだよ。宇宙の平和を守るのが、俺の仕事なんだからな。……その代わり、地球は、あの青い空は、絶対に守り抜けよッ!!」


    『完全消滅シーケンス、ファイア』

    重力偏向砲台から、空間を抉り取るような極大の重力波が放たれた。


    「やらせるか、よぉっ!!」

  • 22二次元好きの匿名さん26/04/04(土) 22:58:22

    このレスは削除されています

  • 23EDF26/04/04(土) 22:59:26

    「コーカサス・ギャバン・ダイナミィィィィィィック……ッ!!!!」


    怜慈は、自らの命そのものをエネルギーへと変換し、ヘラクレスアックスに全てを込めた。

    黄金の戦斧と、青白い重力波が正面から衝突する。

    真空の宇宙空間に、目を開けていられないほどの光の奔流が溢れ出した。


    重力波の余波によって、キングコーカサスカブトの装甲が、一枚、また一枚と、まるで紙細工のように剥がれ落ち、砕け散っていく。

    コックピット内には、凄まじい衝撃と共に、機体の気密が失われていく警報音が鳴り響く。


    「が、はッ……ぬ、ぅぅぅぅぅぅぅぅッ!!」

    怜慈の全身の血管が浮き上がり、目から鼻から血が噴き出す。肺の中の空気が、破れた隔壁から宇宙へと吸い出されていく。


    それでも、彼はコクピットの操縦桿から、戦斧から手を離さなかった。


    彼が重力波を真正面から「受け止める」ことで、その後方の進路だけが、奇跡的に無傷のまま維持されていた。


    「……今だッ! 行けェェェェェェェェッ!!!」

    怜慈の魂を削る咆哮と共に、ヘラクレスアックスの光刃が、重力波を左右に切り裂いた。






    その反動による爆発的なエネルギーが、キングコーカサスカブトを、そして剥き出しになった怜慈の肉体を、容赦なく、宇宙の虚空へと弾き飛ばした。

  • 24EDF26/04/04(土) 23:02:15

    「弩城怜慈……怜慈ッ!!!」

    オメラスの叫びを背に、怜慈は、漆黒の宇宙空間へと放り出された。

    装甲の失われた機体から投げ出され、彼の体は、ゆっくりと、回転しながら遠ざかっていく。

    ヘルメットのシールド越しに、宇宙の闇が見える。

    そして、その奥から昇ってくる、巨大な、あまりにも巨大な太陽の光。

  • 25EDF26/04/04(土) 23:05:02

    「……あ……あぁ……」

    肺に残った最後の空気が、言葉となって漏れる。

    視界が白く染まっていく。

    極寒の宇宙。血液が沸騰し、意識が遠ざかる中で、彼はその光景に見惚れていた。


    「……お天道様……最期に……こんな間近で……見れる、なんてな……」

    美しかった。

    地球の青さ。太陽の黄金。

    自分が守ろうとした世界の輝きが、今、目の前にある。

    彼は満足げに、微かに口角を上げた。


    「……あばよ。……地球の、仲間たち……」

    その呟きを最後に。

    弩城怜慈の意識は、深淵なる宇宙の光の中へと溶け込み、完全に沈黙した。


    その遺志を受け継ぐように。

    オメラスのネブカドネザルと、爆弾を背負ったラスタルは、怜慈が開いた命の道を突き抜け、小惑星の深部へと続くハッチの奥へと、音もなく消えていった。


    ケストレルの船内には、ただ、通信が途絶えた後の虚しいノイズだけが響いていた。

  • 26EDF26/04/04(土) 23:07:44

    宇宙空間へ消えた怜慈に悲しむ暇もなく進むオメラスとラスタル。


    小惑星の亀裂(クレバス)の最深部。

    外界の星光すら届かない、絶対的な暗黒と極寒の底に、小惑星の中心核(コア)は存在していた。


    「……ここだ。岩盤を砕け、オメラス」

    ラスタル・エリオンの無機質な通信が響く。


    「承知した」

    オメラスの操る『ネブカドネザル』が、怜慈の開いた道を突き進み、巨大な鋼鉄の拳で中心核を覆う異星の装甲板を粉砕した。真空の中に、赤黒く脈打つアンカーのエネルギーコアが剥き出しになる。


    ラスタルはネブカドネザルの掌から無重力の空間へと身を躍らせ、背中の『反物質爆弾』のコンテナをコアの表面へと固定した。

    気密服の分厚いグローブ越しに、冷たい金属の感触が伝わる。


    「……爆弾の設置完了。これより遠隔起爆タイマーをセットし、当機はケストレルへ帰還——」

    ラスタルがコンソールを操作しようとした、その瞬間だった。



    『ピーッ……エラー。磁場干渉、測定不能。遠隔通信モジュール、オフライン』

  • 27EDF26/04/04(土) 23:09:59

    ヘルメットのバイザーに、非情な赤い警告が点滅した。


    「……司令。どうした」

    異常を察知したオメラスが問う。


    「アンカーのコアが発する重力場と電磁波が、想定を遥かに超えている。爆弾の遠隔タイマーが完全に死んだ」

    ラスタルは、極めて冷静に事実を口にした。


    「ブラックボックスの安全装置が作動した。起爆シーケンスを完了するには、このパネルの前に立ち、私の生体認証(バイオメトリクス)と網膜スキャンを『起爆の瞬間まで』継続し、手動でレバーを引き続けなければならない」

    その言葉の意味を、オメラスは瞬時に理解した。


    「……誰かがここに残って、道連れになるしかないということか。ならば、オレが残ろう」

    オメラスはネブカドネザルのコックピットから身を乗り出そうとした。

  • 28EDF26/04/04(土) 23:13:49

    「上条や怜慈が痛みを引き受けたように、この命もまた……」

    「却下だ」

    ラスタルの鋭い一言が、それを制した。


    「先ほども言ったはずだ。この爆弾の生体認証は、最高司令官である私のものしか登録されていない。貴様が残っても、ただの鉄屑になるだけだ」

    「……ならば、今からオレの生体データを上書き登録しろ! 時間はあるはずだッ!」


    常に静かで冷徹だったオメラスが、初めて感情を剥き出しにして吠えた。


    だが、ラスタルは振り返らなかった。

    彼は、ネブカドネザルの巨大な掌をポンと叩き、静かに告げた。


    「オメラス。貴様はヒューマンジーとして生まれ、他者の苦痛を肩代わりする『オメラスの子供』を自称してきたな」

    「……あぁ。それが、オレの存在意義だからだ」

    「それは理不尽に遭う自分に酔っている感傷に過ぎない……泥を被り、他者のために命を散らすのは、若者や弱者の特権ではない」

  • 29EDF26/04/04(土) 23:17:47

    ラスタルは、バイザー越しの冷徹な目を、オメラスのコックピットへ向けた。


    「組織の秩序と未来を守るため、最後に最も重い泥を被るのは、上に立つ者の……大人の責任だ……私は常に犠牲を強いる最適解を選んできた。そして私のこの命の使い方こそが、地球を救うための最大の最適解だ」

    「……ッ、ラスタル……!」

    「これは、最高司令官としての最後の命令だ。……帰還しろ。そして、次の絶望から地球を守り抜け」

    オメラスは、ギリッと歯を食いしばり、拳から血が滲むほどに操縦桿を握りしめた。


    彼の哲学的な脳髄が、「これ以外に道はない」と冷酷に弾き出している。

    「……貴様のそのリアリズムと誇り……確かに、見届けた」

    ネブカドネザルは、深く一礼するように機体を傾けると、全スラスターを吹かして、クレバスの上方——ケストレルが待つ宙域へと飛翔していった。


    一人、暗黒のコアに残されたラスタル。

    彼の周囲の岩肌から、侵入者を排除すべく、無数の防衛機械たちがワラワラと這い出してきた。


    「……さぁ、仕事を始めるとしよう」

    ラスタルは、迫り来る機械群には目もくれず、反物質爆弾のコンソールへと網膜を近づけ、重い手動レバーを両手で握りしめた。

  • 30二次元好きの匿名さん26/04/04(土) 23:20:58

    えっ

  • 31二次元好きの匿名さん26/04/04(土) 23:22:40

    このレスは削除されています

  • 32EDF26/04/04(土) 23:23:29

    小惑星の地表付近。


    「ネブカドネザルの帰還を確認! 収容しますッ!」

    氷川誠が、ガトリングを撃ち尽くした腕でハッチの開閉レバーを引く。


    「全員揃ったね!? 出すよッ!」

    「待って! ラスタル司令がいない! 司令の生体反応が、最深部から動いていない!」

    島風が叫ぶが、シュネーが血相を変えて通信機に飛びついた。


    『……ケストレル。聞こえるか』

    通信機越しに、ノイズ混じりのラスタルの声が響いた。

    『これより、反物質爆弾の起爆シーケンスに移行する。カウントダウンは60秒。……ケストレルは直ちに小惑星から離脱し、安全域へ退避しろ』

    「司令ッ! アンタを置いていけるわけないだろッ!」

    弩城怜慈を失い、悲しみに暮れる暇もなかった歩兵たちが、次々と通信機へ叫ぶ。


    「戻ってきてください、ラスタルさんッ!」

    桐藤ナギサが、祈るように両手を組んで懇願した。


    『……私はラスタル・エリオン。EDF極東基地の司令だ』

    ラスタルの声には、一切の揺らぎがなかった。


    『私の役目は、ここまでだ。……だが、貴様らは違う。貴様らの命は、死んでいった仲間たちが血と肉を削って繋いだものだ。こんな石ころと共に散ることは許さん。……生きろ。そして、必ず勝て』

  • 33EDF26/04/04(土) 23:26:43

    通信のノイズが激しくなる。


    「……フン。偉そうなジジイだ」

    操舵席で、目からも鼻からも血を流したヤクザ天狗が、ポタポタと血を滴らせながら操縦桿を握り直した。

    「だが、その覚悟……しかと受け取った! アマデア=サン! 計算式を寄越せ! 最大出力で離脱するぞッ!」

    「分かっているのだよッ! 私が、お前たちを絶対に地球へ帰してやるッ!」

    アマデアが泣き叫びながら、キーボードを血に染めて叩く。


    ズガァァァァァァァァンッ!!

    ケストレルのメインスラスターが、限界を超えた出力を叩き出し、小惑星の地表から宇宙空間へと爆発的な加速で離脱を開始した。


    背後から追尾してくるレーザーやミサイルを、ヤクザ天狗とアマデアのコンビネーションがギリギリで振り切っていく。


    ──


    そして、最深部。


    「起爆まで、残り10秒……」

    ラスタルは、迫り来る機械兵のレーザーによって気密服の肩を撃ち抜かれながらも、決して網膜スキャンから目を逸らさず、レバーを強く引き続けた。


    『9……8……7……』

    無機質なカウントダウンが、ヘルメットの中で響く。

  • 34EDF26/04/04(土) 23:28:30

    冷徹なリアリストであった男の脳裏に、ふと、かつて自分が育てた部下たちの顔や、共に戦った者たちの顔がよぎる。

    そして、今ケストレルで泣き叫びながら未来へと向かっている、若い世代の顔。


    (……感傷など、不要だと思っていたがな)

    ラスタルは、血を流しながら、誰にも見せない穏やかな笑みを浮かべた。


    (……頼んだぞ。地球の未来は、君たちに託す)

    『3……2……1……』

    『起爆シーケンス、完了』


    ガチャンッ。

    ラスタルが、最後のロックを解除した。


    その瞬間。

    音のない宇宙空間に、巨大な、あまりにも巨大な「光の十字架」が生まれた。


    ズゴォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!

    反物質の対消滅による、純粋なエネルギーの解放。


    直径200キロメートルの小惑星が、内側から膨張するように白熱し、そして——まるでガラス細工のように、木端微塵に砕け散った。

    地球の半分を覆うほどの極大の閃光が、漆黒の宇宙を真昼のように照らし出す。

  • 35二次元好きの匿名さん26/04/04(土) 23:32:04

    ラスタル貴方カッコ良すぎる
    本気で見直したかも

  • 36EDF26/04/04(土) 23:32:33

    「……司令……ボクを餌にして、デュークさんを死なせたアンタのこと……ボクは、大っ嫌いだったけど……でも……」

    ケストレルの窓からその圧倒的な光景を見つめていたシュネーが、静かに敬礼を捧げた。

    氷川も、島風も、ヤイバも、静虎も、誰もが声を発することなく、その光に向かって黙祷を捧げている。


    冷徹な司令官は、己の命を代償に、地球への衝突という最大の絶望を完全に打ち砕いたのだ。

    光が収束した後の宇宙には、ただ細かな岩の塵だけが漂っていた。

    地球の青く美しい輪郭が、再び彼らの視界に広がっている。


    「……目標の、完全消滅を確認」

    アマデアが、震える声で報告する。


    「……地球へ帰るぞ。我々の戦いは、まだ終わっていない。怜慈と司令の背負うはずだった分まで……最後の戦いに、怒りをぶつけるぞ」

    オメラスが、ネブカドネザルのコックピットから、静かに、だが確かな決意を込めて告げた。


    傷ついた宇宙シャトル・ケストレルは、地球の引力に引かれるように、青い故郷へと帰還軌道を描き始めた。

    だが、彼らを待っているのは平和ではない。

    アンカーが予告した『アルマゲドン』の後に続く、真の絶望——『怒りの日』が、静かにその口を開けて彼らを待ち受けているのだ。

  • 37EDF26/04/04(土) 23:34:57

    【STAGE CLEAR】

    戦死者:2名&1機

    弩城怜慈(ロスト&大破。重力偏向砲台の極大攻撃を真正面から引き受け、仲間のための進路を確保。反動により宇宙空間へ放り出され、太陽の輝きを見つめながら、窒息と被曝により戦死。最期まで宇宙刑事としての誇りを貫き通した)

    ラスタル・エリオン(ロスト。反物質爆弾の遠隔起爆が不可能となったため、最深部に残り手動での起爆を選択。冷徹なリアリストとしての顔を崩さず、若い世代に未来を託し、小惑星の消滅と共に宇宙の光となって完全消滅した)

    キングコーカサスカブト(宇宙空間にて大破。宇宙デブリ化。)

  • 38二次元好きの匿名さん26/04/04(土) 23:37:45

    オペレーターに続いてラスタルまで死ぬなんてそんなんアリ?
    最終決戦を司令官抜きでやらなきゃいけないとか絶望的すぎるんちゃう?

  • 39EDF26/04/04(土) 23:38:01

    一旦終了っ!

    本当は怜慈はもっと激戦の果てに殺したかったけど、アルマゲドン展開にラスタルを使う以上、どうしても地味な役回りになってしまって……勃起不全。
    やはり無理やりにでも別のエイリアンを出した方がよかったか…

    でもこれであーでもないこーでもないって悩んでたらエタりそうだったので一気に投稿したっス。

    風呂入ったらちょっと最終決戦前のパートをやるかもしれないね。

  • 40二次元好きの匿名さん26/04/04(土) 23:42:29

    (最終ステージ前としては)痛すぎる犠牲であルと申します

    ラスタルが出張る時点で嫌な予感はしてた…しゃあけど、怜慈&キングコーカサスも脱落するなんてアタシ聞いてないよっ!


    >>やはり無理やりにでも別のエイリアンを出した方がよかったか…

    コスモノーツを出せばよかったかもしれないね

  • 41二次元好きの匿名さん26/04/04(土) 23:43:46

    ワシの安価したレイジがまさかここまで生き残るとは思ってなかったんだよね
    最終決戦がこれ大分キツイッスね…

  • 42二次元好きの匿名さん26/04/04(土) 23:46:19

    ラスタル司令…見事な最期やな
    しゃあけど…まだ生きていて欲しかったのです

  • 43二次元好きの匿名さん26/04/04(土) 23:46:40

    ラスタル…見事やな

  • 44二次元好きの匿名さん26/04/04(土) 23:47:23

    オメラスの子供をここで繋げてくるの見事やな………
    ちょっとどころじゃなく残念です

    経理担当の近藤さんも悲しみのあまり黙りきってますね

  • 45二次元好きの匿名さん26/04/04(土) 23:48:56

    キングコーカサスカブトが宇宙の塵になる所でキングオージャーの最終回を思い出したのは俺なんだよね

  • 46二次元好きの匿名さん26/04/04(土) 23:51:33

    言っちゃ悪いんだけど前回の掃除屋が地獄過ぎたからまだ爽やかな退場の仕方で安心したのが俺なんだよね
    まてよ次は大本命かつAIの超優遇が確定してるゴジラなんだぜ

  • 47二次元好きの匿名さん26/04/04(土) 23:55:28

    ついさっきラスタル指令と怜慈さんが死にました
    我々にとってかけがえの無い人だった

  • 48二次元好きの匿名さん26/04/04(土) 23:59:39

    俺はガンダム時代から展開に迷ったり反応のなさに悩んだりはしても萎えずに高頻度で更新してくれるEDFを無条件で尊敬する
    というか多分サッカーとか新ロワとかでリアタイ勢がそんなにいなかっただけやわっ!

  • 49二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 00:02:58

    >>48

    ウム…ワシは失礼ながらこれ以上のスレを追うのはむ…無理…ってなって一年戦争を追うのを諦めたクチなんだなァ

  • 50EDF26/04/05(日) 00:42:19

    風呂から上がったら感想とハートポチポチが増えてて勃起完全勝てる勝てる勝てる


    読者モブの皆さんあざーす!ムフフ、嬉しいのん

    ゴジラ戦行く前に必要なパートだけやっちゃおうね

    この前の幕間が最後の休息とは言ったけど、決戦前に意気込みとか語らせたいからもう一回幕間めいたことをやります。

    どちらかというと幕間というよりは変則的なブリーフィングパートだけどねっ!


    >>40

    ウム…どうせ最後なんだし銀の人でも出して相討ちにさせればよかったと今になって思うんだァ

  • 51EDF26/04/05(日) 00:49:19

    主を失ったEDF極東基地の司令室は、墓所のような静寂に包まれていた。


    かつて冷徹な司令官が立っていた指揮台は無人であり、沈黙するコンソールの前には、幼い道化師が座っていた椅子だけがポツンと残されている。モブのオペレーターはラスタル戦死後に発狂したように叫んで医務室へ連れていかれた。

    宇宙の死線から帰還した生存者たちは、包帯と血に塗れた体を休めることもできず、がらんどうになった司令室に集まっていた。


    「……これから、どうすればいいんだ。指揮官も、オペレーターもいない」

    不屈の男氷川誠ですら、虚脱したような声で呟く。


    その時だった。

    「……」

    部屋の片隅でうずくまっていたアマデア・ウォルファが、ふらふらと立ち上がった。


    「アマデア……?」

    シュネー・ヴァイスベルグが声をかけるが、アマデアの瞳にはハイライトが存在しなかった。彼女は焦点の合わない死んだ魚のような目でメインコンソールへと歩み寄り、血に汚れた指でキーボードを叩き始めた。


    『……裏路地の夜は明け、アルマゲドンは降ろされなかった。足掻く人類よ。我々のメッセンジャーを通じ、最期の通達を行う』

    アマデアの口から、ひどく無機質で、金属的な『アンカー』の音声が響き渡った。


    「ッ! アンカー!またアマデア殿の脳をハッキングしたのか!」

    「待て、情報源になる、話くらいは聞くとしよう」

    ヤイバが刀の柄に手をかけるが、オメラスがそれを無言で制止する。

  • 52二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 00:55:13

    このレスは削除されています

  • 53二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 00:56:32

    このレスは削除されています

  • 54EDF26/04/05(日) 00:57:52

    『我々の名……地球の言語における【アンカー(錨)】。それは文字通り、宇宙の海から飛来した我々の巨大な箱舟を、この星に停泊させるための錨だ』

    アマデアの口が、不気味な弧を描いて歪む。


    『恐竜。そして人類。この星の環境を整えるために走らされた、旧世代のテストランナーたちよ。ご苦労だった……これより地球は、生命の最終走者たる我々アンカーが譲り受ける』


    コンソールのモニターが一斉に起動し、一枚の衛星画像が映し出された。


    『星を更地に戻す、【神にして新たなる真の怒り】が目覚める……さぁ、【怒りの日】を始めよう』


    モニターに映し出された映像に、その場にいた全員が息を呑み、絶望に言葉を失った。

    そこに映っていたのは、海を割って歩みを進める「動く山脈」だった。

    「……ウソ、でしょ……?」

    島風が、恐怖に顔を引き攣らせて後ずさる。


    「全長、いや全高が……3,000メートルを超えている……ッ!? 富士山とほぼ同じサイズの、生物だと!?」

    『特異災害指定生命体。コードネーム、GODZILLA。……我々が投下した、究極の「リセットボタン」だ』


    「ガッズィーラ……!?」

  • 55EDF26/04/05(日) 01:04:51

    「身長3,370メートル、全長6,660メートル、体重184万トンだと……!?ふざけるな、オリジナルデスザウラーですらここまでじゃなかったぞ……!」

    弩城怜慈を失い、どれだけ絶望的な戦いでも前衛を担う覚悟を決めていた氷川の心が、ポキリと音を立てて折れかける。


    『この獣に、兵器は通じない。核兵器も、貴様らが誇る巨大ロボットも、絶対的な質量の前には無意味だ。……そしてこの獣は歩く放射能汚染源でもある。装甲の薄い者、生身の者は、接近しただけで細胞を破壊され、血を吐いてドロドロに溶け落ちるだろう』

    「……そんなバケモノ、どうやって倒せばいいんですか……」

    桐藤ナギサが、膝から崩れ落ちる。


    『一定のダメージを与えれば、獣は覚醒する。口腔、背鰭、尾の先端から放たれる紫色の収束熱線は、エベレストを容易く両断し、数百キロ先の目標を正確に蒸発させる。皮膚下のフェーズドアレイレーダーにより死角は存在せず、宇宙空間の衛星すらも撃ち落とし、重力を無視して空を飛ぶことも可能だ』

    それは、純粋な『神』の暴力だった。

    弱点は、数時間連続で熱線を撃ち続けた場合のエネルギー切れのみ。だが、そんな時間まで地球が保つはずがない。


    『わざわざスペックを教えてやるのは、せめてもの慈悲だ。誇るがいい。貴様らは、この絶対的な破壊神の炎に焼かれ、歴史から消滅するのだ』

    その言葉を最後に、アマデアの瞳に宿っていた不気味な光が、スッと消え失せた。

  • 56EDF26/04/05(日) 01:08:39

    「あ……ぁ……」

    糸の切れた操り人形のように、アマデアの体が前へと崩れ落ちる。


    「アマデアッ!」

    シュネーが床に膝をつき、倒れ込むアマデアの体をしっかりと抱きとめた。


    「……シュ、ネー……」

    正気を取り戻したアマデアの顔は、涙と鼻水でぐしゃぐしゃだった。


    「私……また、奴らの言葉を……っ!乗り越えられたと、思ったのに……ごめんなさい、ごめんなさい……! 怖いんだよ、シュネー……っ、あんな山みたいなバケモノ、私の計算じゃ、どうやったって勝てない……! みんな、死んじゃうのだよぉ……っ!」

    かつて、自分をライバル視し、常に尊大に振る舞っていた年上の天才科学者。

    その彼女が、今や恐怖に完全に心を壊され、子供のように泣きじゃくりながら自分に縋り付いている。


    シュネーは、アマデアの背中を優しく撫でながら、かつて自分を庇って切り刻まれながら自爆して肉塊となったデュークの最期を、そして陽電子砲の引き金を引いて砕け散った睦の顔を思い浮かべた。

  • 57EDF26/04/05(日) 01:12:16

    「……大丈夫だよ、アマデア」

    シュネーの瞳には、一切の迷いがなかった。

    それは、凄惨な地獄を幾度も越え、仲間の命を背負う覚悟を決めた「本物の戦士」の目だった。


    「ボクの計算式には、『諦める』っていう変数は入ってないんだ。……泣いてもいい。怯えてもいい。でも、最後にはボクと一緒に、あのデカブツの脳天に、人類の足掻きを撃ち込んでやろう」

    シュネーは、震えるアマデアを抱きしめたまま、メインモニターに映し出された3,370メートルの破壊神を、冷徹な殺意を込めて睨み上げた。


    「……シュネーさん。本部との通信は繋がらないんですか? ストームチーム……『ストーム1』は! あの英雄なら、このバケモノをどうにかできるんじゃ……!」

    その名前が出た瞬間、生存者たちの顔に微かな希望がよぎる。

    どんな絶望的な戦局も、たった一人で覆してきたEDFの生ける伝説。彼が来てくれれば。


    だが。

    シュネーは、静かに首を横に振った。


    「……無理だ。ストーム1は、ここには来られない」

    「なぜですッ! 地球の危機だというのに!」

  • 58EDF26/04/05(日) 01:16:50

    「……来ないんじゃない。来『られない』んだ」

    シュネーは、メインコンソールの裏側に隠されていた、極秘の軍事レーダーの映像を展開した。


    「今、地球の裏側——成層圏の遥か上空で、アンカーの『超巨大マザーシップ』および主星から転送されてきた本隊……数千隻と、ストームチームが全面衝突している。」

    「数千……!?」

    氷川が息を呑む。


    「……あぁ。あっちも地球の存亡を賭けた、成功率ゼロの特攻作戦の真っ最中さ」

    シュネーはタブレットの電源を落とし、冷徹に言い放った。

    「伝説の英雄は、空の上の地獄を食い止めている。なら、この極東の地に降り立った『歩く地獄』は……泥水を啜って生き延びてきた、ボクたちで殺すしかない」

    誰一人として、反論する者はいなかった。

    英雄の不在は絶望ではない。英雄が背中を預けてくれたのだという、強烈な使命感が彼らの背中を押した。

  • 59EDF26/04/05(日) 01:21:52

    「全員、装備を整えろ! 泣いても笑っても、これが……人類最後の戦争だッ!」

    シュネー・ヴァイスベルグの血を吐くような、だが確かな熱を帯びた号令が、がらんどうの司令室に反響した。


    その力強い声と、彼女の小さな体から伝わる温もりに、シュネーの腕の中で震えていたアマデア・ウォルファが、ゆっくりと顔を上げた。


    恐怖で完全に折れかけていた天才科学者の瞳に、かつての意地と誇りが、ほんの僅かだが、確かに灯り直す。


    「……計算式に諦めはない、か。ふふっ、生意気な後輩だねぇ……」

    アマデアは自らの涙を乱暴に袖で拭い、無理やり口角を引き上げてみせた。


    「私が誰だか忘れたのかい? 天才科学者、アマデア・ウォルファ……! あんな規格外なだけのトカゲ、私の演算能力で必ず弱点を見つけ出し……完璧な勝利の方程式を、君に叩きつけてやるッ!」

    「……ああ、期待してるよ、先輩」

    シュネーが、不敵に笑い返す。


    その二人のやり取りを背に、立ち上がった男がいた。

    特攻兵器もなく、特殊な能力もなく、愚直な重装甲と盾だけで最前線を生き抜いてきた不器用な男、氷川誠だ。


    「富士山ほどの大きさだろうと、放射能を撒き散らそうと……関係ありません」

    氷川は、ボロボロに欠けた『ディフレクト・シールド』を構え直し、静かに、しかし鋼のような意志で前を見据えた。


    「僕はただの凡人です。神様でもなければ超能力者でもありません……でも、僕にはこの足がある。腕がある。体がある。皆さんの命を守る盾として、最後まで立ちはだかってみせます」

  • 60EDF26/04/05(日) 01:25:02

    「……氷川さん。ええ、私も……もう、逃げません」

    桐藤ナギサが、熱線で焦げた純白の翼を、痛みを堪えて大きく広げた。


    サバイバーズ・ギルトに押し潰されそうになっていた優雅な少女の面影はない。彼女は、親友であるミカの無念と、自分を守って散っていった命の重さを、その細い両肩にしっかりと背負い込んでいた。


    「彼らが繋いでくれた明日を、あんな獣に奪わせはしない……ミカさんが……皆さんが愛した、この世界を……私はもう、絶対に諦めません!」

    「私だって、まだまだ折れてないよッ!潔やリリス、メトーデ、ラーヴァに笑われちゃうもんっ!」

    島風が『ドラグーンランス』をくるりと回し、超音速の突撃を予告するように地を蹴った。


    「相手が3,300メートルなら、その体を端から端まで蜂の巣にしてやるだけ! 私たちの『速さ』と『絆』のほうが、絶望よりずっとずっと速いんだからッ!」

    その可憐で力強い少女たちの決意に、ヤイバがふっと息をつき、自らの刀と『スローターE20』の装填音を響かせた。


    「……フフッ。やはり、EDFの女の子たちは最高に可憐で、そして強い。……ならばサムライたる私だけが、無様に尻尾を巻くわけにはいかないな! 彼女たちの美しい笑顔を守るためなら、神仏が相手だろうと斬り伏せようッ!」

  • 61EDF26/04/05(日) 01:31:21

    「神や仏ではありませんよ。あれはただの、怒れる獣です」

    宮沢静虎がメガネを取りながら、深い慈愛と覚悟を込めて構えをとった。


    「……規格外の巨体。武術の理から遠く離れた理不尽ではありますが、若者たちが命を懸けて前を向くのなら、私もまた灘神影流の全てを懸けて、獣の急所を穿ちましょう」

    「……シューッ! ナムサン! ニンジャ……3,000メートルを超える、絶対的マッポーのニンジャというわけだなッ!?」

    ヤクザ天狗が、後頭部の生体LAN端子から火花を散らしながら、愛用の二丁拳銃『オートマチック・ヤクザガン』を空へ向けて乱射した。


    狂気のニンジャハンターのサイバネアイが、最後の狩りに向けてギラギラと発光する。


    「大きいからといって、仏の裁きを逃れられると思うな! イヤーッ! 全てジゴクへ送り返してやるッ!」

    歩兵たちがそれぞれの得物を手に取り、出撃の雄叫びを上げる中。

    頭部の『蜘蛛』から絶え間ない激痛のノイズを受け続けているヒューマンジー、オメラスだけは、静かに背を向け、格納庫へと歩き出していた。

    彼を待っているのは、ラスタルを最深部に送り届けた後、致命的な損傷を抱えたまま帰還した決戦兵器『ネブカドネザル』。

  • 62EDF26/04/05(日) 01:40:26

    「……アンカーは、自らを生命の最終走者、ゴジラを破壊神と呼んだな」

    オメラスは、火花を散らすネブカドネザルの装甲を撫でながら呟いた。




    「地球の怒りだの、リセットボタンだの……知ったことか。無駄に哲学的でもって回った言い回しをする奴らめ」

    『うるせぇ! お前の産まれとかそんな難しいこと知らねえ! お前は今ここにいるだろ! それだけで十分だ!』

    『オメラス……! ボクは……ボクは……!』

    『その代わり、地球は、あの青い空は、絶対に守り抜けよッ!!』

    『これは、最高司令官としての最後の命令だ。……帰還しろ。そして、次の絶望から地球を守り抜け』


    「上条当麻、弩城怜慈、そしてラスタル。あと、高野マサルもか。俺の回路には、彼らが引き受けた痛みがこびりついて離れない」

    オメラスは、軋むコックピットへと身を沈め、操縦桿を力強く握りしめた。

    「……この世界は理不尽だ。だが、理不尽に押し潰されてやる義理はない。行くぞ、全てを背負ったガラクタよ……神殺しの時間だ」

    司令官も、オペレーターもいない。

    支援物資も、増援の部隊もない。

    残されたのは、満身創痍の歩兵8名と、半壊したロボット1機。そして、互いの背中を預け合う絶対的な信頼だけ。



    人類の歴史を懸けた、最後の戦争の幕が上がろうとしていた。

  • 63二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 01:45:37

    こんなバケモンを半壊したネブカドネザルと歩兵8人だけで倒せるのか!?
    別戦線にいるらしいストーム1に救援に来て貰った方がいいんじゃないのか!?

  • 64EDF26/04/05(日) 01:50:35

    【決戦前:天才たちの疵痕】


    無人の司令室で、特異災害指定生命体・ゴジラの絶望的なデータが明滅し続けている。

    その薄暗いモニターの光の下、アンカーの「伝達者」としての役割を強制され、極限の恐怖と絶望に精神をすり減らしながらも気丈に振舞っていたアマデア・ウォルファは、シュネーに抱かれたまま完全に糸が切れたように崩れ落ちた。


    「アマデア……」

    シュネー・ヴァイスベルグは、かつてのライバルの前に跪いた。

    涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにし、ガタガタと震えるグラマラスな肉体。かつて大学で自身を見下ろし、尊大に笑っていた自信家の面影は、今の彼女には欠片も残っていなかった。


    「……立てるかい?」

    「い、今はまだ、無理だ……足が、動かない……っ」

    アマデアは、ひどく掠れた声で首を横に振った。


    「そうか。なら、失礼するよ」

    シュネーは立ち上がると、アマデアの背中と膝の裏に腕を差し入れ、そのままスッと持ち上げた。

    所謂、お姫様抱っこである。


    「え……っ?」

    アマデアは、虚を突かれたように目を瞬かせた。


    飛び級で大学に入ってきたシュネーは、アマデアよりもずっと小柄で、華奢な少女だったはずだ。だが、今のシュネーの腕には、確かな筋肉の感触があった。分厚い防弾繊維の奥にある、幾度もの死線を越え、重い銃器を扱い続けてきた戦士の逞しい肉体。


    スポーツとしてのジェットバトルをしていた頃の努力も勿論本物だっただろう。だが、文字通り「命がけ」の実戦と特訓は、少女を逞しく成長させていた。


    身長差も、体重差もものともせず、シュネーはアマデアを軽々と抱き抱え、司令室から続く薄暗い廊下へと歩き出した。

  • 65二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 01:52:41

    困ったなぁ、本気で『前回ステージで乗ったケストレルを大気圏から突っ込ませてぶつける』ぐらいしか攻略方法が思いつかないよ

  • 66EDF26/04/05(日) 01:52:55

    (……あぁ。本当に、いつの間に……)

    アマデアの胸の奥で、再びあの泥濘んだ寂しさが、少しだけ疼いた。


    自分が安全な研究室で空虚な自己顕示欲を満たしている間に、この少女は血を吐き、仲間を喪い、その悲しみを食いしばってこんなにも強く、逞しい戦士になっていたのだ。


    「……重くないのかね」

    「ボクの計算によれば、決戦重戦車タイタンの砲弾よりは軽いよ」

    シュネーは前を向いたまま、微かに口角を上げて冗談を返した。


    二人は、アマデアの自室へと辿り着いた。

    シュネーは彼女をベッドに優しく下ろし、その横に腰を下ろした。


    「……シュネー。私、奴らに……アンカーに見限られたのだよ」

    アマデアは、震える両手で自身の腕を強く抱きしめながら、ポツリと呟いた。


    「最後の『怒りの日』の宣告……あれを伝え終わった瞬間、頭の奥にへばりついていた冷たい気配が、スッと消えた。……奴らはもう、私の脳には用はないと。……次は、ただの肉塊として、他の人間と同じように……私を、殺すって……」

    メッセンジャーという特権的な地位すらも剥奪され、絶対的な暴力の前に放り出された恐怖。


    その言葉を絞り出すアマデアの瞳からは、後から後から恐怖の涙が溢れ出し、シーツを濡らした。


    「怖い……っ、さっきはああ言ったけど、怖いよ、シュネー……っ! 私の計算じゃ、あんなバケモノに勝てる確率なんてゼロだ……! 痛いのは嫌だ……溶けるのは嫌だ……っ!クルミを見殺しにしたくせに、この期に及んで私は、まだ……!」

  • 67EDF26/04/05(日) 01:57:23

    幼子のように泣きじゃくるアマデア。

    シュネーは、何も言わずに手を伸ばし、恐怖に震えるかつてのライバルの頭をそっと胸に抱き寄せた。


    「……っ」

    「……計算なんて、この戦場じゃ役に立たないことの方が多い。ボクだって、何度も計算を狂わされて、その度に大切な仲間を喪ってきた」

    シュネーは、アマデアの髪をゆっくりと撫でながら、静かに、だが確かな熱を帯びた声で語りかけた。


    「でもね、アマデア。ボクたちの計算式には、諦めないってこと以外にも、まだ組み込んでいない『未確定の変数』がある」

    「未確定の……変数……?」

    「そう。ボクとキミ……二人の天才の頭脳を、完全に同期させた場合の演算結果さ」

    https://bbs.animanch.com/arc/img/6435785/811

    シュネーは、アマデアの肩を抱く手にギュッと力を込めた。


    「ボクが、キミを守る。デュークさんがボクを守ってくれたように……だから、キミの天才的なAIで、ボクの射撃理論を完璧にしてくれ。一緒に生き残って、あの神様気取りに、最高の計算違いを叩きつけてやろう」


    シュネーの鼓動が、アマデアの耳に伝わってくる。

    それは、恐怖を押し殺し、仲間のために命を燃やすことを決めた、泥臭くて温かい戦士の鼓動だった。

  • 68EDF26/04/05(日) 01:58:48

    「……フッ、ハハ……っ」

    アマデアは、シュネーの胸の中で、涙で顔を濡らしたまま、不器用に笑った。

    「……生意気なのだよ……私の天才的な頭脳があれば、勝率などゼロからでもひっくり返せるに……決まっているだろうが……っ」

    「……あぁ、期待してるよ」

    薄暗い部屋の中。

    絶対的な絶望が地球を覆い尽くそうとしているその夜。

    二人の天才は、互いの体温と疵痕を確かめ合うように、静かに抱きしめ合っていた。

    理不尽な死と暴力だけが支配するこの世界で、その微かな温もりだけが、彼女たちを次なる地獄へと立ち向かわせる唯一の希望だった。

  • 69二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 02:01:53

    しかしドルフィン・ウェーブは破廉恥なゲームだな内海

  • 70EDF26/04/05(日) 02:03:58

    【決戦前:鉄と痛みの静寂】


    主を失い、静まり返ったEDF極東基地の武器庫。

    鈍い蛍光灯の光の下、ガトリング砲の銃身を分解する乾いた金属音だけが等間隔に響いていた。


    氷川誠は、レーザーで抉られた肩の痛みを堪えながら、愛用の『ディフレクト・シールド』と重火器のメンテナンスを行っていた。

    相変わらず、極端なまでに不器用な手つきだ。小さなネジを落としては拾い、ススで汚れたウエスで何度も同じ場所を拭いている。だが、その瞳には一切の揺らぎがなく、ただ愚直に次の戦いへの準備を進めていた。


    「……また、手際が悪いな。弾詰まりを起こすぞ」

    薄暗いコンテナの陰から、オメラスが静かに歩み寄ってきた。

    彼もまた、頭部の『蜘蛛』から鎮痛剤を投与するためのケーブルを首筋に繋いだまま、アサルトライフル『AF100』の薬室を布で拭っている。


    「……お恥ずかしい限りです」

    氷川は手を止め、小さく苦笑した。

    「昔から、こういう細かい作業は苦手でして。……何度やっても、上手くなりません」


    「不器用なくらいが丁度いい。器用な奴から先に死んでいく、そういう世界だからな」

    オメラスは、氷川の向かいにある弾薬箱に腰を下ろした。


    二人の間には、それ以上の言葉は必要なかった。

    開戦初期からこの部隊に所属し、敵の嵐のような弾幕と牙の最前列で「盾」となり続けてきた歩兵。気がつけば、もはや残っているのは自分たち二人だけだった。


    上条当麻、佐々木琲世、リカルド、アーサー、47、ゲンブ、デューク、ヘイリー、鈴木一郎、エミール、ガンスリンガー、バルカン・ボビー、句楽兼人、姫次、それ以外にもたくさんいた……すべての仲間たち。

    器用に立ち回った者も、狂気を演じた者も、力に自惚れた者も、皆、この理不尽なすり鉢の中で無惨な肉塊となって消えていった。

  • 71EDF26/04/05(日) 02:08:37

    「……あの山のような化け物相手でも、お前はまた盾を構えるのか」

    オメラスが、虚空を見つめながら静かに問う。


    「はい」

    氷川は、歪んだディフレクト・シールドを撫でながら、即答した。

    「僕の頭は決して良くありませんし、アマデアさんやシュネーさん、天狗さんのような計算もできません。ヤイバさんや静虎さんのような武術の達人でもない、島風さんのように身軽でもないし、オメラスさんのように強くない……僕にできるのは、ただ一つ。仲間の前に立ち、逃げずに踏みとどまることだけですから」

    それは、ただの警察官であった彼が、この地獄のような戦場で見出した唯一の矜持だった。


    「……馬鹿な男だ。上条と同じくらいにな」

    オメラスは、目を伏せて小さく吐き捨てた。

    「圧倒的な暴力の前に立てば、その盾ごとミンチにされるだけだ。……痛いぞ。骨が砕け、肉が溶ける。俺は、この頭の激痛を通じて、死んでいった奴らの断末魔をずっと識っている。……死の痛みは、決して美しくなどない」

    「ええ、分かっています。……怖いですよ。僕だって、ただの人間ですから」

    氷川は、生真面目な顔で頷き、ガトリングの重い銃身をカシャリと組み上げた。


    「ですが……誰かがその痛みを引き受けなければ、後ろにいる彼女たちは戦えない。オメラスさん、あなたがずっと、そうしてきたように」

    オメラスの肩が、微かに揺れた。

  • 72EDF26/04/05(日) 02:11:11

    「……俺は、ヒューマンジーだ。幸福な都市のために地下で苦痛を引き受ける子供と同じ……それが俺の存在理由であり、義務だからだ。人間のお前とは違う」

    「いいえ。人間だろうと、ヒューマンジーだろうと、関係ありません」

    氷川は、弾倉をしっかりと装填し、オメラスを真っ直ぐに見据えた。


    「僕たちは、最前線を張る『仲間』です」

    静寂。

    オメラスは、氷川のその濁りのない真っ直ぐな瞳をしばらく見つめ返していたが、やがてフッと短く鼻で笑い、立ち上がった。


    「……そうか。ならば、俺から言うことは何もない」

    オメラスはアサルトライフルを肩に担ぎ、武器庫の出口へと歩き出す。


    「オメラスさん」

    氷川が、その背中へ声をかけた。

    「僕は、戦います。……最後まで」

    オメラスは振り返らず、ただ頭部の『蜘蛛』を一度だけ撫でた。


    「ああ。俺もだ」

    それだけを言い残し、ヒューマンジーは薄暗い廊下へと消えていった。

    氷川誠もまた、ボロボロになったシールドを背負い、静かに立ち上がる。


    最初期から泥と血を啜り、仲間たちの死の壁となってきた二人の前衛。

    彼らは一切の感傷を交えることなく、ただ己の死に場所となるであろう『怒りの日』の戦場へと、重く確かな足音を響かせて歩みを進めた。

  • 73EDF ◆GUGLV24g4w26/04/05(日) 02:16:11

    ごめんオメラス、シュネー、アマデア、氷川さん、オトン、ヤイバ、ヤクザ天狗、島風、ナギサだから8人じゃなくて9人だったのん…殺せ…ワシを殺してくれ…

    それはそれとして残りのメンツの決戦前やり取りもしたいけどもうねんねや。

    なぁオトン、なんでわざわざ掃除屋戦前に最後の休息とまで言って、決戦前にはやるつもりなかった幕間を結局やってるんかな?

  • 74二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 02:18:02

    なんでって…書きたくなったからやん
    EDFモブ、オヤスミーッ

  • 75二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 02:31:59

    正直富士山並みにデカくされたシンゴジとかもうストーム1でも無理だと思ってんだ

  • 76EDF26/04/05(日) 02:39:25

    今になって思えばスペック20倍シン•ゴジラってなんだよバカヤロー
    いくらラスボスだからって盛りすぎだろバカヤロー

  • 77二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 02:46:03

    こんなのを使ってまで地表を更地にしなければならないという事はおそらくアンカーの宇宙船は滅茶苦茶衝撃に弱く真っ平らな場所にしか降下出来ないのだと思われるが…

  • 78二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 09:24:14

    今更だかラスタルの自爆見事やな…

  • 79二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 09:38:34

    みんな、ゴームズの研究室を漁れ!
    あいつは反物質爆弾なんてトンデモ兵器を作っていた…凝固剤だのオキシジェン・デストロイヤーだの作っていてもおかしくないハズだ

  • 80二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 11:38:18

    今気づいたけど掃除屋戦で死んだ2人って最後の休息の冒頭で出た2人なんスね…

  • 81EDF ◆GUGLV24g4w26/04/05(日) 12:48:22

    >>80

    …ニヤリ

    あの時点でロスト者自体はもう決まってたらしいよ


    今日は本当は昼食べたら始めたかったんスけど、ちょっと用事ができたので夕方からになりそうっス

  • 82二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 12:48:30

    >>1

    今追いついたのん…

    わしが出したラスタルがいい感じに死.ねたのはよかったっス

  • 83二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 18:48:12

    何がなんでも"生きる"んや

  • 84EDF ◆GUGLV24g4w26/04/05(日) 19:07:40

    (よしっ!今日はたくさん更新するぞっ!って思ってたのにサボりす)ぎぃ~!
    19:30目安に幕間の続き投げるのん

  • 85二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 19:11:59

    >>76

    ノーマルスペックシンゴジでもしんどいと思われるが…まぁデスザウラー倒した今のメンバーなら原作シンゴジくらいなら勝てそうだけどねっ

  • 86EDF ◆GUGLV24g4w26/04/05(日) 19:31:08

    底冷えのするEDF極東基地の地下武器庫。主を失い、静まり返った施設内で、刃を研ぐ微かな金属音だけが規則的に響いていた。


    薄暗いLED照明の下、ヤイバは胡座をかき、自らの愛刀を丁寧に拭い清めていた。その横には、泥と血に塗れたコンバットショットガン『スローターE20』が、次なる死地を待つように無骨な姿を横たえている。

    「……見事な刃筋です。手入れが行き届いている」

    静かな足音と共に、温厚な声が武器庫の空気を揺らした。

    灘神影流当主、宮沢静虎だった。彼はスーツの破れを簡素な包帯で縛り、手には備蓄から見つけ出したらしい、温かい緑茶の入った紙コップを二つ持っていた。


    「宮沢殿……。お気遣い、感謝する」

    ヤイバは刀を鞘に納め、差し出された紙コップを受け取った。温もりが、冷え切った掌から強張った神経へとじんわりと染み渡っていく。


    「私など、まだまだです。これほどの地獄を前にして、刀が震えるのを止められない……。武の道を志す者として、恥ずかしい限りだ」

    ヤイバは自嘲気味に口角を下げ、己の掌を見つめた。

    彼女の脳裏には、先ほどアマデアの口を通じて宣告された、全長六千メートルを超える破壊神——『GODZILLA』の姿が焼き付いていた。


    「巨大生物や機械の兵器ならば、まだ斬り伏せるイメージも湧いた。だが、あの山のような巨体……歩く放射能の塊を前に、私の剣術やショットガンが、宮沢殿の拳が、果たして何の意味を持つのだろうか。……正直に言えば、足が竦んでいるのです。我々は、神に挑む蟻に等しいのではないかと」

    真面目で凛々しい女剣士の、痛切な弱音。

    可愛い女の子を前にした時の可愛らしい狼狽ではなく、彼女の瞳には純粋な恐怖と、武道家としてのアイデンティティが揺らぐ葛藤が渦巻いていた。

  • 87EDF26/04/05(日) 19:32:17

    静虎は、自身のお茶をゆっくりと一口啜り、深く穏やかな眼差しでヤイバを見つめた。


    「蟻で結構ではありませんか……ええ、おっしゃる通り、私たちの武術や闘気など、あの規格外の暴力の前ではチリ芥にも等しいでしょう」

    静虎の言葉は冷酷な事実の確認だったが、その響きには不思議と相手を包み込むような慈愛が満ちていた。


    「しかし、ヤイバさん。武の真髄とは、強者を打ち倒す結果そのものだけにあるのではありません。いかに理不尽で、いかに絶望的な壁が立ち塞がろうとも、決して心を折らず、護るべきもののために一歩を踏み出す……その『過程』にこそ、魂の価値があるのだと私は信じています」

    静虎は、分厚く硬いたこが刻まれた自身の拳を軽く握りしめた。


    「迷える若者たちが、今も上の階で震えながら牙を研いでいます。彼らが希望を捨てていないのに、大人が、武を修めた者が、神の威容を前に立ち止まるわけにはいきません。……私の灘神影流が通じずとも、この命が彼らの盾となる数秒を稼げるならば、これほど誉れ高い死に場所はありませんよ」

    その温かくも揺るぎない覚悟に、ヤイバは息を呑んだ。

    恐怖を消し去るのではなく、恐怖を抱えたまま、それでも他者のために死線へ立つ。それこそが、史上最強のモラリストと呼ばれる男の強さだった。


    「……フン!!神だの、なんだのと、スケールのデカい幻覚を見ているようだな!宮沢=サン。ヤイバ=サン」

    その時、重苦しい駆動音と共に、地下武器庫の奥から異様な影が姿を現した。

    顔にテングオメーンを被り、サイバネティクス化された肉体をボロボロのヤクザスーツに包んだ男——ヤクザ天狗だった。

    彼は背中のジェットエンジンから火花を散らし、両手には赤漆仕上げの二丁拳銃『オートマチック・ヤクザガン』を弄りながら、二人の前へと歩み寄った。

  • 88二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 19:33:12

    >>76

    インフレしてたから持ったんだァ

    許してもらおうかァ

  • 89EDF26/04/05(日) 19:33:38

    「お前たちの目は、あのアンカーの幻術に完全に騙されているぞ。……神などいない。この世の全ての理不尽、恐怖、そしてあの山のように巨大なバケモノも……その正体は、邪悪な『ニンジャ=エイリアン』なのだ!」

    狂気に満ちた常体。サイバネアイがギラギラと不気味な赤い光を放ち、ヤクザ天狗は己の妄想と信念を淀みなく吐き出す。


    「ニンジャ=エイリアンはこの世界に解き放たれてしまった! その全ての元凶は私だ! だからこそ、私が全てのニンジャをジゴクへ送り返さねばならん! たとえ相手が富士山よりもデカいニンジャ=エイリアンであろうと、私のサンダンウチ・タクティクスと、このヤクザガンが必ず脳天をブチ抜くッ!」

    あまりにも突飛で、破綻した論理。

    通常であれば「狂人の戯言」として切り捨てるべき言葉だった。だが、宇宙空間で彼がその狂気的な演算能力でケストレルを操り、幾度も死線を越えさせてくれた事実を、二人は知っている。


    「……天狗さん。あなたには、あれが……ニンジャに見えるのですね」

    静虎は、否定することも嘲笑うこともしなかった。ただ、一人の戦士の確固たる信念として、その狂気を深く受け止めるように静かに頷いた。狂気であろうとここまでくれば立派な意思だ。


    「当然だ! ニンジャ殺すべし! 私のこの体が焼け焦げ、サイバネティクスが完全に沈黙しようとも、必ず最後の一匹まで道連れにしてくれる!」

    ヤクザ天狗は、狂ったように笑いながら、自らの頭部へLANケーブルを何度も抜き差しし、戦闘回路の最終調整に没頭し始めた。

  • 90EDF26/04/05(日) 19:35:10

    >>88

    (もちろんだ、そもそも巨大怪獣枠だしな。ただのプロレスなんだぁ、気にしないでもらおうかぁ)



    ヤイバは、その異様な後ろ姿を見つめ、そして隣に座る静虎の穏やかな横顔を見た。

    一人は極限の慈愛と武の誇りを胸に。

    もう一人は、極限の狂気と贖罪の妄想に憑りつかれ。

    全く相容れないはずの二つの魂が、今、人類滅亡という絶対的な絶望を前にして、同じ方向を向いて鋭く研ぎ澄まされている。


    「……ふっ、ははは……」

    ヤイバの口から、自然と乾いた笑いが漏れた。


    「全く、どいつもこいつも狂っている……。だが、不思議なものだ。お二人の話を聞いていたら、私の迷いなど、ひどくちっぽけなものに思えてきた」

    ヤイバは立ち上がり、静虎から受け取った紙コップを綺麗に飲み干した。


    「神だろうがニンジャだろうが、構うものか。私はEDF極東支部サムライ、ヤイバ。……この命燃え尽きるまで、可愛い女性たちの未来を脅かす不届き者を、一刀両断にするのみ!」

    彼女の瞳から、恐怖の濁りは完全に消え去っていた。

    そこに宿るのは、死を恐れぬ純粋な剣士の光。


    「ええ、その意気です」

    静虎もゆっくりと立ち上がり、深く頭を下げた。


    「あのような幼い子供たちが、泥を被り、血を流し、強引に『大人』にさせられていく。……この狂った理不尽な世界で、私のような年長者が為すべきことは一つです」

    彼は温厚な顔に、歴戦の武道家としての凄みを宿した。

  • 91EDF26/04/05(日) 19:36:38

    「彼女たちが未来へ進むための『道』を作る。……そのためならば、私のこの命、いつでも最前列で使い切る覚悟です」

    「……」

    ヤイバは刀を鞘に納め、静虎の覚悟に深く首を垂れた。

    「御意。若く美しい花を散らさぬために、我ら武の者が血を流す。……それこそが本懐というもの」


    「……シューッ!」

    ヤクザ天狗が立ち上がり、二丁拳銃をホルスターに収め、背中のジェットエンジンをアイドリングさせた。


    「ニンジャの首魁をジゴクへ送り返す。そのために、この肉体が塵となろうと構わん。私の贖罪は、そこで完結するのだからな」

    武に生きる者。狂気に殉じる者。

    それぞれが抱く矜持と命の使い道を確認し合った、不気味なほどに静かな時間。


    やがて、基地全体に出撃を告げる無機質なアラートが鳴り響く。


    「……参りましょうか」

    静虎の静かな促しと共に。

    彼らは、人類最後の『怒りの日』へと向かうべく、重い鉄の扉を開け放った。

  • 92二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 19:38:36

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  • 93EDF26/04/05(日) 19:39:37

    【決戦前:翼の記憶】

    EDF極東基地、屋上。

    夜明け前の冷たい風が、ひび割れたコンクリートの表面を撫でていく。

    街の明かりはとうの昔に消え失せ、遠くの地平線だけが、これから始まる血みどろの最終戦争を予告するように、薄暗い紫黒色に染まっていた。


    桐藤ナギサは、吹き晒しの屋上の縁に立ち、その暗い空を一人で見つめていた。

    背中の純白の翼が、寒さからか、それとも恐怖からか、小刻みに震えている。

    「……ナギサ。こんな所で、何してるの?」

    背後から掛けられた声に、ナギサはびくっと肩を跳ねさせた。

    振り返ると、ウイングダイバーの飛行ユニットの最終調整を終えたばかりの島風が立っていた。彼女の手には、自動販売機からなんとか絞り出した、温かい缶コーヒーが二つ握られている。


    「……島風さん。少し、夜風に当たろうかと」

    「冷えるよ。はい、これ」

    島風は缶コーヒーの一つをナギサに手渡すと、彼女の隣に並んで夜空を見上げた。


    「……ありがとうございます」

    ナギサは温かい缶を両手で包み込むように持ち、ふぅ、と白い息を吐いた。


    「やっぱり、怖い?」

    島風が、静かな声で尋ねた。いつもの勝ち気で無邪気な態度は影を潜め、歴戦の兵士としての落ち着きがあった。


    「……はい。とても、怖いです」

    ナギサは、誤魔化すことなく頷いた。

  • 94EDF26/04/05(日) 19:40:45

    「身長3,000メートルを超える、歩く放射能の塊……。核兵器すら通じない、純粋な破壊神。そんなものを相手に、私たちが勝てる道理など、どこにもないのでしょうから」

    彼女の翼が、不安を代弁するようにパタパタと弱々しく動く。


    「それに……」

    ナギサの瞳が、手元の缶コーヒーに落とされた。


    「シュネーさんに見せられた、ミカさんの最期の映像が……まだ、頭から離れないんです。彼女が親蜘蛛に腹部を貫かれ、溶かされていく、あの悍ましい音が」

    ナギサの細い指が、缶を強く握りしめる。

    サバイバーズ・ギルト。自分だけが安全な場所にいて、親友を地獄で死なせてしまったという絶望的なまでの罪悪感。


    「私が……もし、あそこで足が竦んでしまったら。また、誰かを死なせてしまうのではないかと。……そう思うと、震えが止まらないんです」

    ぽつりぽつりと零れ落ちるナギサの弱音を、島風は黙って聞いていた。

    やがて、彼女は自分の缶コーヒーの蓋を開け、一口だけ口をつけてから、前を向いたまま言った。


    「……私と一緒に飛んだ、リリスっていうウイングダイバーがいたんだ」


    「リリスさん……オリジナルデスザウラーの時に、特攻された方、ですね」

    「うん。リリスったらすっごく生意気で、アテシの美貌がどうとか、魔女がどうとか、うるさい人だったんだけど……」

    島風の口元に、微かな、しかし温かい笑みが浮かぶ。

  • 95EDF26/04/05(日) 19:44:00

    「最後は、アテシの分まで美しく飛びなさいって、そう言って、荷電粒子砲の真っ只中に突っ込んでいった」

    島風は、自身の腰に装着された『ドラグーンランス』の冷たい銃身を撫でた。


    「あの時、リリスは絶対に怖かったはず……でも、笑ってた……きっと、誰かに『次』を託せたから」

    島風は、ナギサの目を真っ直ぐに見つめた。


    「ミカも、きっとそうだったと思う。 私とリリスが捕まってるのを助けようとして、逆にやられちゃったけど……でも、ナギサが生きているって分かっていたから。いつか、自分の代わりにこの空を飛んでくれるって信じていたから……最後、笑って逝けたんだと思う」

    「ミカ、さんが……私を、信じて……?」

    「うん。だから、ナギサが自分を責める必要なんて、どこにもない。ナギサが今、ここで生きて、戦おうとしていること自体が……ミカの遺した、一番の希望なんだから」

    島風の言葉は、飾らない、真っ直ぐなものだった。

    だが、その実直さが、ナギサの胸を冷たく締め付けていた罪悪感の鎖を、少しだけ緩めてくれた。


    「……島風さんは、強いですね」

    ナギサは、涙ぐんだ目で微笑んだ。

  • 96EDF26/04/05(日) 19:48:08

    「強くなんかないよ。ただ、私……速く走って、飛ぶことしかできないから……ううん、それしかできないんじゃない、それがしたいんだ」

    島風は、いつもの勝ち気な顔に戻り、ふふっ、と笑った。


    「怖いことや、悲しいことに追いつかれないくらい、誰よりも速く飛ぶ。そうすれば、仲間を助けられるからね!」

    「……誰よりも、速く……」

    ナギサは、自分の背中の翼を振り返った。恐怖で小刻みに震えていた翼は、今は静かに、確かな力を湛えて彼女の背中に佇んでいる。


    「……ええ。そうですね」

    ナギサは缶コーヒーを一気に飲み干し、空の缶を足元のゴミ箱へ投げ入れた。

    彼女の顔から、迷いが消えていた。優雅でお淑やかなお嬢様の顔ではなく、泥に塗れても友の遺志を繋ぐと決めた、戦士の顔。


    「島風さん。私も……この翼で、あなたについて行きます」

    ナギサが、決意を込めて右手を差し出す。


    「遅れないでね。私、本当に速いんだから」

    島風が、その手をしっかりと握り返した。

    いよいよ、人類の存亡を賭けた『怒りの日』が幕を開けようとしていた。


    「行きましょう、島風さん」

    「うんッ!」

    二人の少女は、夜明け前の空へと、同時に力強く飛翔した。

    彼女たちの背中を、死んでいった仲間たちの目に見えない手が、優しく、そして力強く押し出していた。

  • 97EDF26/04/05(日) 19:54:30

    【鉄と血と】


    シュネーの決起によって立ち直った生存者たちは、数時間の短い休息(それぞれの幕間)を終え、再び無人の司令室へと集結していた。


    「……みんな、集まったね」

    シュネー・ヴァイスベルグが、メインコンソールの前に立ち、重々しく口を開く。

    「あの3,370メートルの破壊神を前に、ただ闇雲に撃ち合っても勝機はない。でも、ボクたちには『切り札』がある」

    シュネーがキーボードを叩くと、メインモニターに一つの極秘ファイルが展開された。


    ファイルには何重もの暗号化が施されていたが、そのロック解除の条件は『最高司令官ラスタル・エリオンの生体反応ロスト』——すなわち、彼の死をトリガーとして自動開示されるよう設定されていた。


    「……ラスタル司令が遺した、最後の作戦データだと?」

    オメラスが、頭部の蜘蛛を押さえながらモニターを見上げる。


    『……このファイルが開かれたということは、私は既にこの世にいないということだろう』

  • 98EDF26/04/05(日) 19:59:31

    モニターに表示されたテキストと共に、生前に録音されたラスタルの無機質で冷徹な声が、無人の司令室に響き渡った。


    『アンカーのやり口から推測し、最終局面に想定を絶するスケールの【巨大生物】が投下される可能性は計算済みだ。無論機械の可能性もあるが、その場合はシュネーとアマデアに託す。話を戻すぞ……故に、私は技術開発部にこの兵器を造らせていた』


    モニターに映し出されたのは、タツミヤ鉱のエネルギーを特殊な冷却液状結晶へと変換・圧縮した、漆黒の巨大な弾頭——『タツミヤ・ミサイル』の設計図だった。



    『いかに巨大であろうと、相手が生物である限り、体液の循環と細胞分裂という弱点からは逃れられん。対象の血液、あるいは体液に直接干渉し、細胞活動を強制的に完全凝固させ、内部から完全に石化・凍結する』

    ラスタルの声は、最後まで一切の感情を交えぬ事務的なものだった。だが、その声の端々には、不器用な大人としての確かな意志が宿っていた。

  • 99EDF26/04/05(日) 20:02:58

    『作戦名は、【オペレーション・オルフェンズ】』

    「オルフェンズ……孤児、か」

    氷川誠が、包帯に巻かれた拳を強く握りしめる。


    『親鳥は先に逝く。後に残された雛鳥たちは、己の足と翼で泥を這い、鉄と血にまみれながら生き延びねばならない。……地球の未来は、戦場に残された孤児(オルフェンズ)たる貴様らに託す。以上だ』

  • 100EDF26/04/05(日) 20:05:23

    (ごめん半端だけど離席っス!)


    プツン、と音声が途切れる。

    徹底したリアリストであり、非情な命令を下し続けた司令官。だが彼は、自分が死んだ後の若者たちが戦い抜くための「絶対的な武器」を、誰にも言わずに用意していたのだ。


    「……フン。どこまでも理詰めで、隙のない男だ……敬意を表する」

    オメラスが、モニターに向けて静かに首を垂れた。


    「泣かせるじゃないか……ッ! 司令の遺志、無駄にはできないのだよッ!」

    アマデア・ウォルファが、充血した目を擦りながら、コンソールに自らのタブレットを接続した。

    「……しかし、問題はこのミサイルをどうやってヤツの体内に撃ち込むかだ。ヤツの装甲は分厚すぎる。外部からの着弾では、針の先ほども通らない」

    「だから、ボクたちの総力戦が必要なんだ」

    シュネーが、作戦図をモニターに展開する。

  • 101二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 20:21:01

    止まるんじゃねえぞ…?

  • 102二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 20:21:18

    おおっ

  • 103二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 20:39:28

    このレスは削除されています

  • 104EDF26/04/05(日) 20:40:55

    (再開っ!)


    「まず、空戦班(島風、ナギサ、天狗)がヤツの視界を乱す。次に、陸戦班(氷川、ヤイバ、静虎、オメラス)が足元に火力を集中させ、強引にヤツの歩みを止める」

    シュネーは、作戦図のゴジラの頭部を赤くマークした。

    「足が止まり、ヤツが怒りで咆哮する——すなわち、『口を開けた』その一瞬の隙。そこに、ボクとアマデアのAI制御で、この基地の、いや、近隣の全EDF残存兵器による弾幕と共に、このタツミヤミサイルを『口腔内』へ直接叩き込む!」


    「……なるほど。口の中から直接、血液を凍らせる、というわけですか」

    宮沢静虎が、襟を正して静かに頷く。

    「ヤバい被曝量になるよ……最悪、ミサイルが着弾する前に、陸戦班も空戦班も、みんな放射能と熱線で溶け落ちるかもしれない」

    シュネーが、血を吐くような思いで事実を告げる。


    「……構いません。僕は、逃げませんから」

    氷川誠が、ガトリング砲を担ぎ上げ、真っ直ぐな目でシュネーを見た。


    「シューッ! 神を殺す毒矢! まさにニンジャ殺すべし! 私のジェットエンジンで、ヤツの顎をこじ開けてやろう!」

    ヤクザ天狗が、二丁拳銃をガシャリとリロードし、狂気の哄笑を上げる。

  • 105EDF26/04/05(日) 20:45:25

    「孤児、か……元よりオレは、誰からも望まれずに作られたキメラだ。その名前は、嫌いじゃない」

    オメラスが、ネブカドネザルのキーを手の中で弄びながら、静かに目を閉じる。


    「……私、やります。最後まで」

    ナギサが、純白の翼を広げて決意を固める。


    「うん、私たちの帰る場所を……飛んだらとっても気持ちいい、青空を守るために!」

    島風が『ドラグーンランス』を天に掲げる。


    司令も、オペレーターも、頼れる大人たちも、もう誰もいない。

    だが、この極東基地に残された「孤児たち」の瞳に、絶望の影はなかった。

    彼らは皆、凄惨な地獄を幾度も越え、死んでいった仲間たちの血と想いを飲み込んで、最も強靭な刃へと鍛え上げられていた。


    「……全軍、出撃ッ!! オペレーション・オルフェンズ、開始だッ!!」

    シュネーの号令と共に。

    EDFの生存者たちは、身長3,370メートルの破壊神・GODZILLAが待ち受ける、放射能と炎の地獄——M平原へと最後の進発を遂げた。

  • 106二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 20:46:46

    ふぅん、ほぼほぼ人力でヤシオリ作戦をやろうというわけか
    無人在来線爆弾枠がいる……ありったけの動かせる車両とC爆を用立てろ!

  • 107EDF26/04/05(日) 20:49:38

    ズゥゥゥゥゥゥゥンッ……。

    その足音が一つ響くたび、関東平野の地殻が悲鳴を上げてひび割れた。

    空は、不気味な赤黒い土煙と放射能の雲に覆われ、太陽の光すらも地獄の底のような淀んだ色へと変質している。


    「……ガイガーカウンターが、振り切れてる。この距離でも、防護服の鉛コーティングが焼け焦げるレベルの放射線量だ」

    シュネー・ヴァイスベルグが、ノイズで明滅するタブレットを睨みつけながら、血の滲む唇を噛み締めた。


    M平原の遥か彼方。

    厚い雲海を突き破り、天を突くような黒い山脈が「歩いて」いた。

    特異災害指定生命体・GODZILLA(第4形態)。

    身長3,370メートル。体重184万トン。


    かつて彼らが死闘を繰り広げたオリジナルデスザウラーすら、文字通りの「虫ケラ」に等しい、純粋にして絶対的な神の質量。

  • 108EDF26/04/05(日) 20:52:50

    「……これが、生命の最終走者。アンカーが用意した、星のリセットボタン……」

    アマデア・ウォルファが、震える両腕で自らの身体を抱きしめる。天才である彼女の脳髄が、視界に映る絶望的なスケールを計算しようとして、処理落ちを起こしかけていた。


    「怯えるな、アマデア。ボクたちで、あの規格外を盤面に引き摺り下ろすんだ」

    シュネーは、恐怖を無理やり理性の底に押さえ込み、キーボードを叩き続けた。


    「『オペレーション・オルフェンズ』。……地球上に残されたEDFの全残存無人兵器のコントロールを、ボクとキミのAIで完全に掌握する。全火力を一点に集中させ、ヤツの足を止めるんだ!」

    「……わ、分かっているのだよ! 私の天才的なAIにかかれば、無人戦車の千両だろうと一万両だろうと、手足のように……っ!」

    アマデアもまた、血の滲む指でコンソールを叩き始めた。


    『————歩兵部隊、射程圏内に入った』

    前線を走るネブカドネザルのコックピットから、オメラスの重々しい声が通信機に響く。


    『空戦班、囮を頼む。ヤツの視線を少しでも上に向けろ』

  • 109EDF26/04/05(日) 20:56:24

    「私たちのスピードなら、神様だって見失うよッ!」

    島風が『ドラグーンランス』を構え、超音速のソニックブームを巻き起こして飛翔する。


    「私には……この、翼があります……ッ!」

    桐藤ナギサも、焦げた翼からプラズマの光を放ち、島風に続いて天空へと舞い上がった。


    だが、空戦班の先頭を往くのは、狂気に満ちた笑い声を上げるヤクザの男だった。


    「シューッ! フハハハハッ!! スマン、本当にスマン! 笑いが止まらんぞ!」

    ヤクザ天狗は、背中のジェットエンジンを限界まで吹かし、テングオメーンの奥のサイバネアイをギラギラと発光させていた。


    「身長3,000メートルのバケモノだと!? ナムサン! つまりこれは、ニンジャ=エイリアンが神を名乗るという最大の冒涜ッ! 私の『オートマチック・ヤクザガン』で、ジゴクへ送り返してやるわッ!」

    空戦班が、ゴジラの雲を突く巨大な頭部へ向けて、ミサイルとプラズマの雨を降らせる。


    だが、ゴジラの分厚い黒皮は、着弾の爆発すら「そよ風」程度にしか感じていないかのように、微動だにしなかった。

    瞬きすらしない、爬虫類特有の、感情の一切ない虚ろで冷酷な小さな眼球が、ただ前だけを見据えている。

  • 110EDF26/04/05(日) 20:59:57

    「空戦班が気を引いている今だッ! 足元を狙え!」

    氷川誠が、ガトリングを構え、文字通り「山のような」ゴジラの足首へ向けて突撃する。


    「……っ、熱い……! 防護服が、溶け……っ!」

    強烈な放射能が、歩兵たちの肉体を容赦なく蝕み始めていた。


    ゴジラの足元数十キロ圏内は、近づくだけで細胞のDNAが切断され、皮膚が焼けただれる死の領域だった。氷川の顔面は既に火傷のように爛れ、口からはどす黒い血が絶え間なく溢れ出している。


    「シィィィッ!」

    ヤイバが、被曝による激痛に耐えながら、コンバットショットガンを巨大な爪の隙間へ撃ち込む。


    「灘神影流の極致……この岩山砕いてみせましょうッ!」

    宮沢静虎が、血反吐を吐きながら、ゴジラの皮膚の僅かな亀裂へ向けて渾身の拳と銃撃を叩き込む。


    ズドドドドドドドッ!!

    そこに、シュネーとアマデアが遠隔操作する何千台もの無人戦車(タイタンやベガルタ)群からの、狂気的な集中砲火が加わった。

  • 111EDF26/04/05(日) 21:04:30

    オメラスのネブカドネザルも、砲撃を脚部の関節らしき部位へと撃ち込み続ける。

    チリッ。


    EDFの全火力を集中させた決死の猛攻により、ゴジラの足首の皮膚が、ほんの数ミリだけ焼け焦げ、めくれた。

    だが、その「数ミリの傷」をつけたという事実が、希望ではなく、決定的な絶望の引き金を引いてしまった。


    ピタリ、と。

    歩みを続けていた3,370メートルの破壊神が、その巨体を停止させた。

    「……止まった! 計算通りだ、このまま火力を集中——」

    シュネーが叫ぼうとした、その時。


    ゴジラの背中から尾の先まで並ぶ、無数の巨大な『背鰭』が、不気味な紫色に発光し始めた。

    グォォォォォォン……と、大気を震わせる次元の違うエネルギーの収束音。

    「……マズい! 全員、退避しろぉおおおおッ!!」

    オメラスが絶叫する。

  • 112EDF26/04/05(日) 21:05:50

    ゴジラの巨大な下顎が、グリンッと不気味な音を立てて外れ、左右に二つに割れた。

    口腔の奥底から、紫色の極光が収束していく。


    『——————』


    咆哮すらなかった。

    無音の閃光。

    ゴジラの口腔から放たれた『紫色の収束熱線』は、一瞬にして上空の雲海を消し飛ばし、そのままの勢いで地平線の彼方にそびえる山脈群を「横薙ぎ」に両断した。

    エベレストをも容易く切断するその光刃が通り過ぎた後、数キロ先の山々が、上半分の質量を綺麗に失い、遅れてズゴォォォォォンッ! と地盤沈下を起こして崩落していく。

  • 113二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 21:06:00

    ただでさえ打つ手ないのに近付いただけで被爆とかクソ ゲーすぎて酷すぎるよねパパ

  • 114二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 21:08:40

    >>1

    >>99

    原作タイトル回収は熱いっすね

  • 115EDF26/04/05(日) 21:09:11

    「あ……あぁ……」

    ヤイバが膝をつき、口から止めどなく血をこぼしながら、その神の御業を見上げた。


    だが、地獄はこれだけではなかった。


    「……レーダーに無数の高熱源反応! ゴジラの背中から……ッ!」

    シュネーがタブレットを落としそうになりながら叫ぶ。


    ゴジラの皮膚の下には、生体フェーズドアレイレーダーが張り巡らされていた。

    空を飛び回っていた空戦班を「目障りな羽虫」と認識したゴジラは、割れた下顎からの熱線だけでなく、その背中から突き出た無数の『背鰭』の先端からも、数十本に枝分かれした紫色のレーザーを、空へ向けて全方位に一斉発射した。


    シュガガガガガガガガガッ!!!

    空を埋め尽くす、死の紫の網の目。



    「キャァァァァッ!?」

    島風が超音速で機動するが、無数のレーザーの波状攻撃を避けきれず、自慢の『ドラグーンランス』の先端を蒸発させられ、バランスを崩して墜落していく。


    「島風さんッ!」

    ナギサが悲鳴を上げて降下し、彼女を受け止めようとする。

  • 116二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 21:09:58

    やばすぎぃ〜〜っ

  • 117EDF26/04/05(日) 21:11:59

    その死の網の目の中心で、ただ一人。

    ヤクザ天狗だけが、回避行動すら取らず、自らのジェットエンジンを限界まで吹かしてゴジラの背鰭へと真っ直ぐに突っ込んでいた。


    「シューッ! フハハハハッ!! 見ろ、この紫の光! これぞニンジャ=エイリアンのジツの極致ッ!」

    彼の論理トリガによる演算は、既にこの網の目を「回避不可能」と弾き出していた。


    ならば、彼が選ぶ道は一つしかなかった。少しでも多くあの背鰭の砲口を潰し、後続の仲間のために一秒でも長く囮となること。


    空を舞うウイングダイバーは、乙女がいればいい。自分は踏み台で構わない。


    「私の命を対価に、神に一太刀浴びせるッ! 太刀と言いつつ銃でスマン! スマン! ナムサァァァァァンッ!!」

    狂気の哄笑を上げながら、ヤクザ天狗は両手の『オートマチック・ヤクザガン』の引き金を、弾倉が焼き切れるまで引き絞った。

    放たれた弾丸が、紫の光の渦の中で蒸発していく。

  • 118二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 21:14:05

    >>111

    「……マズい! 全員、退避しろぉおおおおッ!!」

    原作オメラスが絶対言わなそうなセリフで笑ってしまう

    このスレで成長しましたね…本気でね

  • 119EDF26/04/05(日) 21:14:18

    直後。


    背鰭から放たれた極太のレーザー数本が、ヤクザ天狗のサイボーグ化された肉体を、四方八方から同時に貫いた。


    「──アーイエェェェェェェェェッ!!?」

    狂人の悲鳴が、一瞬だけ通信機に響き渡る。


    肉が焦げる暇すらなく。骨が砕ける音すらなく。

    ヤクザ天狗の体は、ヤクザスーツも、ジェットエンジンも、そして彼が何よりも信奉したテングオメーンもろとも、数万度の熱線によって細胞一つ残さず『完全蒸発』させられた。




    空中に、ほんの僅かな黒い炭の粉だけを残して。

  • 120EDF26/04/05(日) 21:17:46

    「……天狗殿ぉおおおおおおっっ!!!」

    地上から見上げていたヤイバが、絶叫する。


    絶対的な質量の前では、ヤクザ天狗の命を燃やした哄笑も、一瞬のノイズにしかならなかった。


    「……天狗さんッ!!」

    島風が、焼け焦げた『ドラグーンランス』を握りしめながら、空中で悲痛な叫びを上げる。


    「ダメです島風さん、今は下がって! 次の照射が来ますッ!」

    桐藤ナギサが、涙で滲む視界を必死に拭い、島風の腕を引いて急降下する。

    直後、彼女たちがいた空間を極太の紫色のレーザーが通過し、雲海を完全に蒸発させた。

  • 121EDF26/04/05(日) 21:34:36

    空を埋め尽くした紫の死線が収束し、ヤクザ天狗だった黒い炭の粉が、放射能を帯びた熱風に乗ってパラパラと地上へ舞い落ちる。


    「……天狗殿……ッ!そなたは狂人だったが、それ以上に武人であった……!」

    ヤイバが、被曝によって爛れた喉から血の混じった声を上げた。


    狂人の決死の特攻すら、3,370メートルの神にとっては「羽虫が自ら火に飛び込んだ」程度の出来事に過ぎなかった。ゴジラの虚ろな眼球には、何の感情も浮かんでいない。


    『————グォォォォォォンッ……』

    背鰭の発光が僅かに収まった直後。

    ゴジラは、空の羽虫への興味を失い、再びその圧倒的な質量を前へと進めるべく、巨大な右足をゆっくりと持ち上げた。


    「……来るぞッ! 衝撃に備えろ!」

    ネブカドネザルのコックピットで、オメラスが機体の腕を交差させて防御姿勢をとる。


    ズドォォォォォォォォォォォォンッ!!!!

    ゴジラが、ただ「一歩」を踏み出した。

    それだけで、マグニチュード8クラスの局地的な人工地震が発生し、地殻が津波のように隆起してEDFの地上部隊へと襲いかかった。


    「きゃあぁぁぁっ!?」

    「ぬ、うぅぅッ!」

    巨大な地割れと衝撃波により、島風を庇って降下していたナギサが吹き飛ばされ、宮沢静虎やヤイバといった達人たちでさえ、成す術もなく地面を転がった。

    そして、彼らが顔を上げた時。

  • 122EDF26/04/05(日) 21:36:56

    ゴジラの「次の一歩」が、彼らの頭上を完全に覆い隠していた。

    直径数百メートルに及ぶ、黒く焼け焦げた巨大な足裏。

    それが、山の崩落のような凄まじい風圧と共に、ヤイバや静虎たち地上部隊の頭上へと、無慈悲に振り下ろされようとしていた。


    「……回避、不可能……!」

    シュネーが、後方の通信車輌の中で絶望に顔を歪める。

    無人兵器の砲火をどれだけ足の裏に集中させようとも、184万トンの自由落下を止めることなど物理的に不可能だ。


    だが、その巨大な死の影の下へ、一人の男が足を引きずりながら歩み出た。


    「……みんな、伏せてくださいッ!!」

    氷川誠だった。


    彼の肉体は、既にゴジラから放たれる致死量の放射線によって、ボロボロに崩壊し始めていた。

    防護服の鉛コーティングは溶け落ち、露出した顔や腕の皮膚は火傷のように爛れ、赤黒い筋肉が剥き出しになっている。呼吸をするたびに、肺の細胞が壊死し、口からどす黒い血と臓物の欠片がこぼれ落ちていた。


    だが、彼の両腕は、愛用する『ディフレクト・シールド』を、大地に深く、ガッチリと突き立てていた。

  • 123二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 21:40:42

    その技(行動)はやめろーーっ!!!

  • 124EDF26/04/05(日) 21:42:42

    「氷川さんッ!? やめろ、その盾で防げる質量じゃないッ!」

    ヤイバが叫び、手を伸ばそうとする。


    「……分かっていますよ。でも僕は……手だけじゃなくて心も不器用ですから、こんな生き方しか、できないんです」

    氷川は、血と泥でぐしゃぐしゃになった顔で、背後の仲間たちへ向けて、不器用な笑みを浮かべた。

    豆腐を掴めば握り潰し、ノコギリを使えば刃を折る。器用な立ち回りなど、人生で一度もできた試しがなかった。


    「……ぼくは、武人でも暗殺術の達人でもないし、ましてや超能力者でもない……」

    頭上から、富士山にも匹敵する質量の塊が、ゴォォォォォンッ!と大気を押し潰しながら迫り来る。



    それに対し氷川は、自分の顎(アギト)が外れそうになるほど大口をあけて、叫んだ。


    「神様みたいなバケモノに挑んでるだけの……ただの、人間だッ!!」

    ズガァァァァァァァァァァァァァァンッ!!!!!


    184万トンの神の一撃と、ただの人間が構える小さな盾が、激突した。

  • 125EDF26/04/05(日) 21:45:51

    「ガ、アァァァァァァァァァァッ!!!」

    氷川の絶叫が、地響きの中に吸い込まれる。

    ディフレクト・シールドのエネルギー防壁が、接触からわずか「0.1秒」で限界を迎え、ガラスのように粉々に砕け散った。


    「氷川さんッ!!」

    静虎が悲痛な叫びを上げる。


    氷川の骨という骨が、万力で潰されたように一瞬で砕け散る悍ましい音が響いた。


    シールドの残骸ごと、彼の両腕が千切れ飛び、肩の肉が弾け、内臓が圧力で破裂する。だが、その0.1秒の抵抗と、彼の命を代償にしたエネルギーの反発が、ゴジラの足の裏の軌道を「ほんの数メートル」だけズラした。


    その数メートルが、ヤイバや静虎たちが圧死を免れる、奇跡の生存空間を生み出したのだ。

  • 126EDF26/04/05(日) 21:47:23

    「ぼ、く……は…………に、げ……」

    グチャァァァッ……。


    言葉の最後は、肉と骨が完全にすり潰される、水風船が割れたような生々しい音にかき消された。


    氷川誠の肉体は、ゴジラの足裏と大地の間に挟まれ、文字通りの『ミンチ』と化した。


    原型を留めない血と肉の染みがアスファルトにへばりつき、直後にゴジラの足から放たれる超高熱の放射能によって、ジュワァァッ……と一瞬にして蒸発し、黒い炭の染みだけが残された。

  • 127二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 21:48:23

    氷川…ここまで頑張ったね…

  • 128二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 21:49:27

    どわーっ 次々死んでくやん

  • 129二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 21:51:11

    このレスは削除されています

  • 130EDF26/04/05(日) 21:52:20

    「……ひ、氷川さん……ぁぁぁぁぁッ!!いや˝あ˝あ˝ぁ˝あ˝あ˝あ˝あ˝っ!!!!」

    桐藤ナギサが、空からその黒い染みを見下ろし、血の涙を流して慟哭する。


    「泣くなッ!! 立ち止まれば、氷川が稼いだ時間が、命が消えるぞ!」

    オメラスが、ネブカドネザルの装甲を放射能でドロドロに溶かしながら、ゴジラの足元へ至近距離からのアサルトキャノンを叩き込み続ける。

    「……照準、固定……ッ! シュネー!」

    後方の車輌内。アマデア・ウォルファが、自らの爪が割れるほど強くキーボードを叩き、血の滲む目で叫んだ。


    「あぁ……っ。みんなの命でこじ開けた、ほんの一瞬の『隙』だッ!」

    シュネーの瞳から、冷たい涙が一筋だけこぼれ落ちる。


    氷川をすり潰し、体勢を立て直そうとゴジラが僅かに顎を上げた、その瞬間。

    二人の天才の執念の計算が、ついに神の絶対防御に風穴を開ける『決戦ミサイル』の誘導パスを完成させていた。


    「神様……これが、オルフェンズ(ボクたち)の足掻きだッ!!」

    シュネーが、エンターキーを拳で叩き割る勢いで振り下ろした。

    それと同時に、後方に隠されていたミサイルサイロから、超高濃度タツミヤ液状結晶を積んだ『決戦ミサイル』が、白煙を引いて天空へと射出された。

  • 131EDF26/04/05(日) 21:57:19

    氷川誠の命を代償にこじ開けた、神の足元という絶対的な死地。


    虫けらを踏み潰すのに失敗したゴジラが、いい加減鬱陶しくなって、下を向いて大きく口を開けた。

    再び紫色の熱線を放射しようと息を吸い込んだその「一瞬の隙」。口腔という「小さな隙間」。

    それは物理的には小さかったが、EDFにとっては大きな希望だった。

    シュネー・ヴァイスベルグの放ったミサイルが、その口へ向けて飛んでいく。

    「……届けェェェェェェェェッ!!」

    シュネーの血を吐くような絶叫と共に。


    空を切り裂いて飛来した『決戦ミサイル』が、ゴジラの開かれた口腔の奥深く、紫色の光が収束しつつある喉の奥底へと、寸分の狂いもなく吸い込まれていった。

    ズゴォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!


    鼓膜を破る爆発音。

    だが、それは破壊の炎ではなく、極限まで圧縮された『超高濃度タツミヤ液状結晶』が解放された音だった。

  • 132EDF26/04/05(日) 21:58:58

    『————ギ、ガァァァァァァァァァァァ……ッ!?』

    3,370メートルの巨神が、初めて「苦痛」とも呼べるような異様な咆哮を上げた。

    ミサイルの弾頭から溢れ出した超高濃度のタツミヤ液が、ゴジラの体液と強烈な反発作用を起こし、体内から急速な「凍結」を開始したのだ。


    紫に発光していた背鰭の光が、まるで電源を落とされたようにプツン、プツンと消えていく。

    漆黒の岩山のような皮膚が、内側から広がる青白い結晶に侵食され、巨大な足裏から、太い尾から、そして天を突く頭部へと、凄まじい速度で石化・凍結していく。

  • 133二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 21:59:41

    やったか...?

  • 134EDF26/04/05(日) 22:01:37

    ピキィィィィィンッ……!!


    最後に、巨大な顎を開いたままの状態で、ゴジラ第4形態の全身が完全に青白い結晶体へと変貌し、その一切の活動を停止した。

    「……エネルギー反応、急速に低下……。熱源、放射線量ともに……沈黙?」

    後方の通信車輌の中で、アマデア・ウォルファが、信じられないものを見るようにモニターを見つめていた。

    「……止まった。止まったのだよ、シュネー……っ!」

    「あ……あぁ……っ」

    シュネーは、キーボードに突っ伏し、堰を切ったように涙を流した。

    天才的な頭脳も、緻密な計算も、最後は仲間たちの血と肉の犠牲がなければ成立しなかった。氷川も、天狗も、もういない。


    だが、彼らは勝ったのだ。神を名乗る絶対的な絶望を、孤児(人間)たちの足掻きで凍りつかせてやったのだ。

  • 135二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 22:03:00

    >>134

    >沈黙?

    その技はやめろーッ

    もうやめてええぇぇぇぇぇっ(4オペ子書き文字)

  • 136EDF26/04/05(日) 22:03:23

    「……終わった、の……?」

    島風を庇いながら空から舞い降りた桐藤ナギサが、巨大な氷の彫像と化したゴジラを見上げる。


    「やりました……っ! 私たち、勝ちました……!」



    ヤイバは刀を杖にして膝をつき、宮沢静虎は天を仰いで静かに目を閉じた。

    オメラスはネブカドネザルのコックピットで、深く息を吐き出した。







    だが。

    彼らが勝利の余韻に浸れたのは、ほんの十数秒に過ぎなかった。

  • 137二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 22:04:07

    あ”っ

  • 138二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 22:04:11

    ま…まだ続くのん?

  • 139二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 22:05:03

    >>138

    恐らく第五形態がワラワラ出て来て襲いかかると思われるが…

  • 140EDF26/04/05(日) 22:07:26

    『————……』

    パキッ。


    ガラスにヒビが入るような、微かな音が響いた。


    「……え? アマデア……これ、何だい?」

    涙を拭っていたシュネーが、モニターの端に表示された「異常な数値」に気づき、顔を上げた。


    「……嘘だ。そんなこと、あり得ない……」

    アマデアの顔から、再び全ての血の気が引いていく。


    「エネルギー反応が、消えていない……っ! ゴジラの体内、 凍りついた皮膚の『内側』で、莫大な質量が……一点に、圧縮・収束していく……ッ!」

    パキッ、ピシィィィィンッ!


    その音は、瞬く間に連続した破砕音へと変わった。


    凍りついた3,370メートルのゴジラの背中——その背鰭の中心から、眩いほどの「光」が漏れ出し始めたのだ。

    「……ふざけるな……ふざけるなぁああああ!!」

    オメラスが、直感的な死の予感に絶叫する。


    ズガァァァァァァァァァァァァァンッ!!!!

  • 141EDF26/04/05(日) 22:10:11

    次の瞬間。

    氷の彫像と化していたゴジラの背中が、内側から弾け飛んだ。

    莫大な氷の破片と、凝固した黒い肉片が吹雪のように舞い散る中。

    割れた巨大な獣の抜け殻の中から、「それ」はゆっくりと、音もなく上空へと浮かび上がった。


    「あ……ぁ……」

    誰もが、その姿を見て、恐怖に言葉を失った。


    それは、獣ではなかった。

    身長およそ100メートル。富士山ほどの巨体だった第4形態から、その圧倒的な質量とエネルギーを極限まで圧縮した姿。

  • 142EDF ◆GUGLV24g4w26/04/05(日) 22:11:19

    その姿は──

  • 143二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 22:11:51

    えっ

  • 144二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 22:12:42

    いやちょっと待てよ

  • 145二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 22:12:53

    バキッバキッ我が名はウルトラマン

  • 146EDF ◆GUGLV24g4w26/04/05(日) 22:14:15

    「……なんだ、アレは。まるで……人間じゃないか……」

    ヤイバが、震える手で刀を構え直す。


    第5形態。

    地球の環境を整えるための獣(テストランナー)としての形態を完全に捨て去り、アンカーが「生命の最終走者」として選んだ究極の姿。

    かつての地球の覇者であった「人類」の姿を模倣し、その上で一切の感情や無駄を削ぎ落とした、純粋なる神の形だった。

    咆哮は、ない。

    第4形態の時のように、大地を震わせるような威圧感すらない。

    ただ、絶対的な静寂を纏っている。


    だが、その「静寂」こそが、これまで彼らが味わったいかなる絶望よりも、深く、冷たく、彼らの精神を削り取った。


    「……シュネー、ガイガーカウンターの数値が……」

    アマデアが、壊れた蓄音機のように掠れた声で呟く。

    「ゼロだ。……放射能が、一切漏れていない。エネルギーのロスが、完全にゼロなんだよ……」

    エネルギーを撒き散らしていた獣は、ただの「繭」に過ぎなかった。

    今、彼らの眼前に浮かんでいる銀色の巨人は、その莫大な破壊の力を、一ミリの無駄もなく己の内に完全制御している。

  • 147二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 22:14:33

    そんなわけないっス ワシらのウルトラマンがゴジラであり、蛆虫侵略者の傀儡な訳がないっス

  • 148二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 22:18:02

    ふうん 新たな精神崩壊オーブ枠ということか

  • 149EDF ◆GUGLV24g4w26/04/05(日) 22:18:25

    銀色の顔が、ゆっくりと、眼下の歩兵たちへ向けられた。


    目からは感情を読み取れない。

    けれどそこにいる全員が、「虫ケラを見るような冷酷な視線」を、脳髄に直接突き立てられたような錯覚に陥った。


    「…………ぁ、あぁッ……!」

    ナギサが、耐えきれずに武器を取り落とした。


    神は、一切の感情を交えることなく。

    ゆっくりと、その滑らかな銀色の両腕を、胸の前で「十字」に交差させた。


    本当の絶望(怒りの日)は、ここから始まる。

  • 150二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 22:18:25
  • 151二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 22:19:13

    チェックメイトです(参謀書き文字)

  • 152二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 22:19:40

    う…嘘やろ こ…こんなことが こんなことが許されていいのか

  • 153EDF ◆GUGLV24g4w26/04/05(日) 22:21:29

    ──次回。
    空想バトロワシリーズ「"地球防衛軍"をやります」最終回

    痛みを識る、ただ一人であれ

  • 154二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 22:21:29

    >>150

    待てよボス戦ならinst版の方がそれっぽいかもしれないんだぜ

    Kenshi Yonezu - M87 (Instrumental)


  • 155二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 22:25:03

    この星はどうなってしまうんやろなぁ……

  • 156二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 22:25:16

    しゃあっ

    怒りの日


  • 157EDF ◆GUGLV24g4w26/04/05(日) 22:26:26

    ということで安価がシンゴジなのにこ、こんなことが許されていいのか…!?って感じですが
    ラスボスはシン・ゴジラ第五形態「シン・ウルトラマン」です。

    ぶっちゃけ「銀の人」ってなんかウルトラマンモチーフっぽいよなぁ、悪趣味だよなぁとは前から思ってたのと
    ヤシオリ作戦そのままは芸がないかもなぁと思ってたら、いつの間にかこういう感じになりました。

    大まかなストーリーはできてますが諸々調整とかしたいので、今日はここまでとさせて欲しいっス!

    重ね重ね、読者マネモブはいつも感想とハートポチポチありがとうございました!!

  • 158二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 22:27:21

    マサイのレンジャー騙されない
    邪悪なペプシマンはニオイでわかる

  • 159二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 22:27:32

    >>153

    オメラス大丈夫?これお前のことのような気がするけど

    死亡フラグ半端じゃないけど大丈夫?

  • 160二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 22:30:34

    余力なし
    策なし
    残存兵力なし

    闘志…なし

    オトン…これ本当にダメなやつちゃうかな…

  • 161二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 22:32:09

    >>160

    …で、ここで折れたら今まで戦って死んだ人たちはどうなるですか?

  • 162二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 22:33:50

    >>159

    痛みを“識る”ただ一人…聞いています

    知性を持ったヒューマンジーとして生まれ 声無き動物たちの苦痛を理解してしまったことがオメラスの原罪思想の根幹だと

    チャーリーがあのザマな以上動物たちの代弁者になれるのは彼ただ一人だという義務感に駆られていると

    さてはスレ主は相当ダーウィン事変を読み込んでいると思われるが…

  • 163二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 22:38:17

    >>150

    >>162

    言われてみたらオメラスがM八七の歌詞聞いたら「これ俺のことだ…」って思ってもおかしくないんだよねスレ主すごくない?

  • 164二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 22:42:36

    あわわ…ワタシはあんなのが出てくるなんて聞いてないよっ

  • 165二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 22:44:39

    オツカレーッ 最後までどんでん返しが尽きなくて飽きさせなくておもしれーよ

  • 166二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 22:46:40

    何がウルトラマンだ
    展開的にはウルトラマンというよりこいつだ

  • 167二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 23:13:05

    1ヶ月ぶりに見たぜEDFボーの「最終回にだけ次回予告とサブタイ」
    一年戦争最終回のサブタイ「未来へ」も未来へ歩む希望と見せかけて、フル・フロンタル滑りした豊川祥子とマフティー滑りしたミネ団長など未来の火種のことっぽかったし…不安完全

  • 168二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 23:39:19

    >>161

    しかし…本当に打つ手がないのです

    切り札(タツミヤ・ミサイル)も切った後だしなっ

    ………待てよ、付け入る隙なら多分あるんだぜ


    >>地球の環境を整えるための獣(テストランナー)としての形態

    ☝トントン

    整地用の姿だったということは、大げさに言えばまだこの形態に進化することはなかったということ

    時が来たから”進化”したというより、必要に迫られて”進化”したという感覚ッ

    本来時間をかけるはずがタツミヤ・ミサイルによってかけられた”淘汰”の圧力

    相当無理していると思われるが……

    ぶっちゃけこれしか付け入る隙が思いつかないよね、パパ

  • 169二次元好きの匿名さん26/04/05(日) 23:41:34

    >>154

    ラスボス戦のBGMが静かなのはそそられるよね

  • 170EDF ◆GUGLV24g4w26/04/05(日) 23:52:28

    ムフフ、反応たくさんで嬉しいのん

    シン・ウルトラマンのあのヌボーっと立ってる姿って不気味でしょ
    なんか襲いかかってきそうな味よね

    まっ、実際のリピアーはデザイン発表の時に思ってたより500億倍ヒーローだったんだけどねっ!

  • 171二次元好きの匿名さん26/04/06(月) 01:09:22

    保守…

  • 172二次元好きの匿名さん26/04/06(月) 07:49:26

    原作主人公が敵に回るのは麻薬ですね
    絶望感が凄くって……ここんとこ毎日です

  • 173二次元好きの匿名さん26/04/06(月) 13:48:38

    メイズシフター安価モブも驚いたと思うよ
    タツミヤ鉱がなんか便利アイテムとして最後まで活躍するんだから

  • 174二次元好きの匿名さん26/04/06(月) 13:51:57

    この星の行末を教えてくれよ

  • 175二次元好きの匿名さん26/04/06(月) 13:59:50

    >>173

    まあ気にしないで原作からしてだいぶファンタジーなアイテムですから

  • 176二次元好きの匿名さん26/04/06(月) 17:06:12

    怜慈とラスタルとヤクザ天狗と氷川が死んだあっ
    派手な葬式出して感動的な弔辞読んで涙を流してあげましょう

  • 177EDF ◆GUGLV24g4w26/04/06(月) 17:53:19

    オチは決まってるけど過程のプロット変えまくって迷走してる……ただの人間だ……

    今日の更新は期待しないでくれよ

  • 178二次元好きの匿名さん26/04/06(月) 19:31:49

    氷川さんは迷ったりしない!!

  • 179二次元好きの匿名さん26/04/06(月) 21:33:54

        オ ペ レ ー シ ョ ン ・ オ メ ガ
    もう…多勢に無勢だ、いっけぇするしかない…

  • 180二次元好きの匿名さん26/04/06(月) 23:24:48

    あのう、残りレス的に多分新スレ立てるだろうけど保守いりますか?

  • 181二次元好きの匿名さん26/04/07(火) 02:10:27

    保守

  • 182EDF26/04/07(火) 09:21:25

    あのう、あんな予告しといて最終回2分割とかしたら怒りますか?
    いや聞いて欲しいんだ、なんか思ったより長くなってね…

  • 183二次元好きの匿名さん26/04/07(火) 11:42:49

    前後編で分ければええやん…
    (どんな地獄が展開されるのか)怖いです

  • 184EDF ◆GUGLV24g4w26/04/07(火) 15:19:47

    なんか想定の倍くらい長くなったので多分途中で切りますが
    今日の17:30目安に最終回前編を投下します。

    最後の最後にグダって申し訳ありませんでした!

  • 185EDF ◆GUGLV24g4w26/04/07(火) 17:27:38

    ごめんちょっと遅れるっス!

  • 186EDF ◆GUGLV24g4w26/04/07(火) 18:01:15

オススメ

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