県内初の夜間中学に新入生15人…入院して通えなかった84歳「若い人と勉強したい」、日本語学ぶブラジル人「助け合いながら成長を」
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福井県内初の夜間中学「県立若杉中」(福井市)が7日、開校した。不登校のまま卒業した人や、様々な事情で義務教育を十分に受けられなかった人、日本語を中心に学びたい外国人など、10歳代から80歳代までの15人がそれぞれの思いを胸に、新たな一歩を踏み出した。(北條七彩)
最高齢は84歳
「学び直しに挑戦!」「英語を理解したい」「にがてな科目をがんばる」――。若杉中が設置された県立道守高の体育館で7日、開校式と入学式が行われた。会場には、大きな杉の木の絵が置かれ、新入生たちがそれぞれの目標を書き込んだ紙を貼り付けた。
石田由紀子校長(57)は式辞で、「これまでやりたくてもやれなかったこと、諦めていたこと、新しく始めたい、頑張りたいことに一緒に挑戦していきましょう」と呼びかけた。
最高齢の武内正二さん(84)(福井市)は「再挑戦」と書いて貼った。高校を卒業したが、入院して中学に通えない時期があった。最近引きこもりがちで、「若い人と交わり、一緒に勉強したい」と入学を決意したという。
入学式後のホームルームで真新しい教科書を手にし、「モノクロの教科書しか知らないので、色がついていてびっくり。内容も先生の教え方も全然違うと思うので、楽しみです」と笑顔を見せた。
小学校の内容も
国は2027年度までに全ての都道府県・政令市での夜間中学の設置を目指す。県教育委員会も24年2月に設置を決定すると、学校説明会や体験授業を開き、生徒を募集。生徒たちは体験授業への参加や校長などとの面接を経て入学を決めた。
生徒たちは、昼間の中学と同じ教科を学ぶが、一人ひとりの希望に応じて小学校の内容や日本語も学習できるように3コースに分かれて授業を受ける。卒業時期は生徒と相談しながら校長が判断する。
国籍さまざま
近年の夜間中学は、日本語を学びたい外国人や、不登校の生徒の受け皿になることも期待されている。文部科学省の24年度調査によると、県内では中学校における不登校の生徒が1075人で過去最多を更新し、県内在住の外国人も昨年12月末時点で2万772人と過去最多となった。
若杉中の1期生15人の中には、ブラジル、ロシア、ペルー、中国の海外出身者4人もいる。入学式で、生徒代表としてあいさつしたブラジル人の須田アンドレッサさん(38)は「新入生の中には久しぶりに学校に来る人もいれば、私のように日本語を学びたい人もいる。互いに助け合いながらたくさん勉強し、中学校生活で成長したい」と意気込んだ。
石田校長は「若杉中は年代も国籍も、学習状況も多様な方々が集まる新しい学校。笑顔であふれ、若い杉のように夢や目標に向かって、真っすぐ伸びゆく学校をみなさんとともに目指したい」と語る。