3月16日午前10時10分ごろ、沖縄県名護市辺野古沖で、同志社国際高校(京都府)の生徒らが乗った船が転覆し、同校2年の武石知華(ともか)さん(17)ら2人が亡くなって、1カ月たった。この悲しい節目に「あれから1カ月」という振り返りを発信するメディアはあるが、事故後、原因や背景などを深く掘り下げた新聞・テレビ報道は、産経新聞などを除き、ほとんどなかった。
この沈黙に対し、テレビ視聴者の怒りが爆発している。BPO(放送倫理・番組向上機構)は、「沖縄県の辺野古沖で船が転覆して高校生らが亡くなった事故に関し、放送局全体で報道する回数が少ないのではないか」という声が多かったことが、「3月の視聴者・聴取者意見」で報告されていたことを公式サイトで発表している。
この議事概要に関する記事を15日にzakⅡで報じたところ、X(旧ツイッター)での記事告知が127万のインプレッション(表示回数)を突破。「なぜマスコミはこれほど報じないのか」という不信感は臨界点に達している。
多くのメディアが空白を抱え続ける中、亡くなった知華さんの遺族は4月15日、YouTubeで事故船の映像を公開した。遺族は、自ら惨状を伝えざるを得ないという、極めて異常な事態に追い込まれているのだ。
遺族が動画公開「事故後の平和丸」に映る衝撃の船体と母親の震える声
noteで「辺野古ボート転覆事故遺族日誌」を投稿し続けている遺族は、YouTube上に「事故後の平和丸」とするショート動画をアップロードした。16日午前11時までに視聴回数は6万4000回を超え、コメント欄にはメディアへの怒りと遺族への気持ちに寄り添う声があふれている。
動画には、遺族による次のような痛切な文章が添えられている。
「2026年3月18日7時46分 知華の亡くなった場所で拝みたいと思い向かった早朝の動画。タクシーで到着するとすぐ目の前に平和丸と不屈が規制線もなく花も手向けられず漁港に置かれていた。わずかながら人もおり、人目を憚りながら撮影した。」