住民税滞納の男性、給与支給日に口座を差し押さえられ残高0円→慰謝料など求め行政を提訴…地裁の<判断>に両者とも控訴
現在の給与支払いは口座振り込みが一般的だが、国税徴収法は制定時に主流だった手渡しを前提としている。このため「給与」と「預金」との線引きは曖昧だ。
徳島の組合が根拠とした1998年の最高裁判決では「振り込まれた場合は預金と区別ができなくなる」と、差し押さえを原則可能と判断。全国の自治体はこれに基づき、差し押さえ禁止の財産も、口座に振り込まれた段階で「預金」としてきた。
2013年3月、一定以上の差し押さえが禁止となっている児童手当について、入金9分後に差し押さえた鳥取県に対し、鳥取地裁は「振り込みに合わせた差し押さえ」として違法判決を下した。これを機に、入金直後は「実質的な差し押さえ」とする判例が各地で示されるようになった。
総務省の統計では、全国で地方税の累積滞納額は6065億円(23年度)で、00年代前半をピークに減少傾向にある。しかし、近年でも税滞納に陥る人は少なくなく、依然として課題となっている。
原告側の弁護士の一人で、鳥取の訴訟などにもかかわった勝俣彰仁弁護士は「納税は義務だが、生命や生活を脅かすような差し押さえは二度とあってはいけない」と話す。