いつしかついて来た犬と浜辺にいる

気になる事件と考えごと

京都府南丹市小5男児行方不明

2026年(令和8年)3月23日(月)午前8時ごろ、京都府南丹市園部町の園部小学校に通う5年生安達結希(ゆき)さん(11)の所在が分からなくなった。

25日から公開捜索とされ、警察、消防による捜索が続いているが、一週間経った3月30日現在もその足取りは分かっていない。似ている男子児童を見かけたなど心当たりのある方は、以下にご一報ください。

南丹警察署 生活安全課 0771-62-0110

京都府警 人身安全対策課 保護・行方不明係 075-451-9111

 

 

朝8時ごろ、父親が車で結希さんを学校敷地内の駐車場まで送り届けた。しかしその後、なぜか少年が教室に姿を現すことはなかった。降車地点から校舎まで100m、200mと伝えられ、徒歩で1、2分の距離とされる。

朝8時半の時点で担任は生徒の不在に気づいたが、その日は卒業式で準備に追われて慌ただしく、保護者への欠席確認の連絡をしていなかった。通常であれば学校から保護者に向けてメッセージアプリで確認のための連絡が送信されるという。

両親は下校の頃合いを見計らって11時半ごろに学校まで迎えに訪れていた。しかし式典終了後の11時45分、入れ違いに担任から母親に欠席確認の連絡が入る。そこで結希さんが朝から登校していなかったことが判明し、家族はすぐに警察に通報した。

校内には防犯カメラが設置されているがその姿は捉えられていなかった。

学校長、教頭は、「欠席が分かっていたにも拘らずご家庭への連絡が遅くなったことについては、卒業式であってもすぐに確認を取るべきだった」「担任以外の教員でもチェックをしておけば」と対応の不備を認め、「とにかく無事で見つかってほしい」とコメントを述べている。

www.pref.kyoto.jp

結希さんは、身長約135cmでやせ型の体格、髪は黒色で短髪。上の京都府警リンクに顔写真が公開されている(3月30日現在)。

同級生の母親は、結希さんについて「とても素直ないい子、明るい子」「かわいらしくて人懐こいタイプ」「突然いなくなるような子ではないと思う」と述べている。

失踪当時の服装は、以下。

  • 黄色い帽子
  • フリース(黒色×灰色)
  • 灰色トレーナー(胸にバスケットボールのロゴと「84」と記載)
  • ベージュ色のチノパン
  • 黒色のネックウォーマー
  • 白色の布マスク
  • 黒色のスニーカー
  • 黄色いランリュック

このうち29日(日)午前に町内の山中を捜索していた親族がランリュックを発見し、警察により本人のものと確認された。場所は学校から北西におよそ3kmとされる。

「ランリュック(ランリック)」は主に京都府南丹、山城地域、京都市で小学生の通学用カバンとして広く採用されている。1968年(昭和43年)に当時のランドセルよりも安価で軽量化した製品として開発され、ナイロン製で耐久性もある。京都以外だと滋賀県、大阪府、福岡県、埼玉県の一部エリアで使用される。

www.lmaga.jp

リュック発見場所周辺では重点捜索のために規制線が貼られたことが報じられており、リポート映像と照らし合わせると府道453号の通る園部町船坂付近と推定できる。グーグルマップ上では、小学校から徒歩で50分車ならわずか6分と表示される。

規制線は下の「待避所」の手前に設置されている。

 

読売テレビの報道によると、バス、電車の使用は確認できなかったとされている。

 

所感

園部町は人口およそ1万5500人、四方を山に囲まれた小さな町である。下のマップを見ても分かる通り、最寄り駅の「園部」は小学校の南東に位置しており、リュックの発見場所とは真逆である。

小学校は、北に園部川、西に半田川を臨み、校庭の南側は「園部公園」という緑地に囲まれている。アクセスとしては、南側にある園部公園多目的グラウンド方面からか、あるいは校舎北東側の国道9号、南丹警察署や市役所方面からに限られる。

尚、朝の始業前に正門は閉鎖されるが、1m程度の隙間があるため人の出入りは難しくはないという。

 

リュックの発見された山中では「周辺で他の所持品は見つかっていない」と伝えられていることから獣害の可能性は排除できるかと思う。峠道のガードレールの裏側で見つかっていたことが報じられた(4月1日追記)。おそらく捜索には警察犬が動員されると考えられるが、詳しい捜査状況は伝えられてはいない。

 

園部の気象情報を確認すると、最低気温2度、最高気温22度となっており、季節柄寒暖の差が非常に激しい。降水量を見ると、消息を絶った3月23日に1mmとあるがこれは前夜から未明にかけての降雨である。25日午後に19mmのまとまった雨が続き、26日にも0.5mmを記録している。追跡の困難が予想され、仮に遭難していれば低体温症などが懸念される。

府道453号をそのまま北進すると「中山峠」を越えて府道702号と交わり、京丹波町へと至るルートとなる。しかし規制線の先はすぐに険しい山道となる。単に京丹波町方面を目指すならば、小学校のすぐ近くを通る国道9号に出るルートが順当かと推測される。

 

3km程度ならば5年生でも歩ける距離にはちがいなく、少年が日頃どんな遊びや活動に親しんでいたのか情報はないが、筆者には自発的家出というより第三者の介入、事件性の疑いが強く感じられる。尚、これまでのところ身代金の要求、犯人らしき人物の目撃などは報告されていない。

まず人目の少ない地域といえども午前8時以降の明るい活動時間で「黄色い帽子」「“84”とプリントされた目立ちやすいトレーナー」「黄色いランリュック」という典型的な小学生の装いで学校から逆方向に歩いていれば「あの子、どうしたのかな?」と大人の目に留まるというもの。

ABEMA的ニュースショーの現地取材では、行方不明当日の同時刻ごろ付近を散歩していたという女性に話を聞いている。

「親と子どもと犬と散歩に行ったが、近くの公園に寄ったり、(学校横の)センター周りを散歩。全然人も車もいないし、見かけた人を覚えてるくらい。(結希さんは)見掛けていない。やっぱり子供が一人で歩いていたらパって目に付くからわかると思う。(公園で)おじいちゃんおばあちゃんがゲートボールしていたくらい」

times.abema.tv

記者は国道沿いは車の交通量が多いとし、「学校側から山の方へと伸びていく道」(時刻やルートは不明)を実際に歩いてみると、「人通りは少なく、30分経っても誰ともすれ違うことはなかった」とも伝えている。偶然、だれの目に触れることなく3kmも歩き続けることができたというのだろうか。

しかしながら、同級生の母親によれば、「卒業式当日はどうだったのか分かりませんが」とした上で、「普段は正門前(南側)と国道の横断歩道(北側)に教員が立っているので人目はあると思います」と話している(ABEMA的ニュースショー)。卒業式で職員の配置に手が回らなかったのか、それとも車で通過したため見逃されてしまったのか。

結希さんは身長約135cm(134.5cmとも)と、全国平均に照らせば9歳~10歳児程度で、比較的小柄で大人と見違えることはない。女児とも見紛うような端正な顔立ちの美少年と言ってよいだろう。目撃がない以上犯人の性別すら目星はつかないが、わいせつ目的で連れ去られた懸念もある。

ふたつめに、リュックの発見場所となった府道453号の条件である。たとえば「その先に親戚の家がある」など事情があれば、この道を目指したとも考えられるが、訳もなく虫捕りや川遊びに訪れるような場所とは考えづらい(個人的にはできれば昼でも通行を避けたい部類の悪路である)。

むしろ犯罪者視点に重ねるならば、小さな町で「人目を避ける絶好の場所」と言え、車移動での強制わいせつや死体遺棄にはうってつけに思えてしまう。無論、山に囲まれた彼の地では似たような条件の道や場所はどこにでもあるのかもしれないが。

内容物は伝えられていないもののランリュックには校章や結希さん本人のものとすぐに見分けがつくような記載や特徴があったはず。革製のランドセルと違い、処分に困るとも思えず、切り刻めば普通ゴミとしての廃棄も容易に思われる。

学校付近で見つかれば本人が邪魔に思って捨て置いたとも考えられるが、3km離れた山中での遺棄が意味するものとは何なのか。道路脇にぽつんと置かれてあったのか、斜面の上下にあったのか、中身に関することなどは情報がない。

昨今は児童もSNSなどでどこにいても不特定多数と知り合うことができ、のどかな田舎町で生活していてもいつなんどきも事件に巻き込まれる危険がつきまとう。また地方ほど防犯カメラや人目に付きづらいことから情報リソースに乏しくなり、捜査員や捜索動員の数にも限界があることから捜索活動は難航が予想される。

 

sumiretanpopoaoibara.hatenablog.com

1月に発生した新潟県十日町市女子中学生の行方不明も記憶に新しく、SNS上では無事の発見を祈るメッセージと共に、子育て中の親などには身近な不安を感じている声も目立っている。

一方でネット上には「朝から親と口論になっていたらしい」「父親とは血のつながりがない」など真偽不明のカキコミと共に、「そもそも朝、学校に送っていないのではないか」といった父親を疑う声が散見される。山梨キャンプ場で起きた小倉美咲ちゃん遭難事故でもイヤというほど見てきた根拠なき憶測や誹謗中傷のパターンである。

児童虐待の加害者は、9割が児童の親、保護者であるため、児童被害の事件では「第一に親、身内を疑う」のは鉄則である。しかしそれは現地の警察が充分に調査や対話を重ねたうえで行う仕事である。

自発的失踪や事故ではなく犯人が存在しているかもしれない。しかし私たち野次馬が裏付けの取れない情報で焚きつけてまで特定のだれかを犯人に仕立て上げるような誹謗中傷を拡大してはいけない。

だれしもが事件解決とその無事を信じてはいるが、警察OBや記者の執筆や配信稼業は閲覧数や視聴時間による収益化を目的とした活動であり、社会正義のためだけに情報発信をしている訳ではないことに留意されたい。踊る阿呆に釣られて踊らされてはならない。私たちはあくまで市民社会の強い関心によって、警察の捜索活動を注視し、後押しすることを目的とすべきであろう。

ご家族や友人たちとの再会が一日でも早く果たされることを願います。

 

〈4月5日追記〉

失跡から10日余りが過ぎたが、安達結希さんの行方は依然として分かっていない。僅かながら情報を補充する。地域社会にも不安は広がっており、日中でも公園で遊ぶ子どもたちの姿はほとんどないという。

まず教育委員会によると、学校から自宅まで約9キロと距離があるため、スクールバスでの通学が一般的だとされる。ネット上の報道ベースでは、結希さんに普段スクールバスの利用があったか否かについては確認できなかった。

行方不明当日、結希さんは携帯電話を所持していなかったことが明らかとされた。元々所持をしていなかったのか、普段は所持しているがその日は携行しなかったのか、ここも判断つきかねるところだ。しかしたとえばネットを介して知り合った第三者と待ち合わせての家出といった線はやや減退するかもしれない。

また2日後には習い事のピアノの発表会が控えていたが、事件を受けて催しは中止されたことが伝えられている。

南丹市内に7つある小学校のうち、園部小学校は最大規模で5年生は90名、他の学年も80から100名が在籍しており少人数という訳ではない(令和7年5月時点で全校生徒549名)。卒業式当日は5年生と卒業生のみ(生徒数190名)が登校するイレギュラーな日程だが、来賓や父母らの出入りが多くなるため、単純に「人目が少ないとも言い切れない

父親の車両は学校の防犯カメラに映り込んでいたが、「画角から外れていた」ため車から降りる結希さんの姿は捉えられていなかった。これが後に大きな疑惑を生む原因となった。

通学状況について、卒業生ら数名が取材に答え、その日の登校事情が語られた。結希さんが降車したとされる駐車場の手前で、8時前にスクールバスが到着しており、乗っていた児童は8時5分ごろには校舎に入ったと話している。

8時20分ごろまで校門近くでは児童の姿が見られ、卒業生のひとりは「歩いて行ってるなら会うはずなんですよ」と校舎に向かったり遠ざかったりする結希さんの姿を目にしなかったと語っている。先だって卒業行事のひとつとして5年生とのドッジボール大会が行われており、顔なじみになっていたという。

また「5年生は早くから予行練習みたいなのをしていて、先生たちも忙しそうだったのであまり見ていられなかったと思います」と当日の様子を振り返る卒業生もいた。学校は、欠席確認の連絡が遅れたことを「対処に不手際があった」として安達さんの家族に伝え、捜索への全面的な協力を約した。その後、他の保護者向けに失踪経緯や捜査状況について分かる範囲で説明する機会を設けると発表した。

 

先述通り、3月29日になって親族が園部町船坂近辺の山林で結希さんの黄色いランリュックを発見した。中には帽子とネックウォーマーが入っていたことが明らかとされた。

地元消防団長の話では、失踪当日の23日、翌24日も山中をくまなく見て回ったと言い、発見前日の28日の捜索には安達さんの親族も含め、多くの人が峠道の捜索に参加。地域住民によれば、家族は疲れた様子を浮かべ、祖母は涙に暮れていたと語る。

 

本件に注目する人々からは、それだけ捜した直後に親族の手で発見された点について不審に思う声が多く上がっている。繰り返しになるが、両親らも含め、近親者に嫌疑が向くことは捜査の鉄則であり、情報公開も厳しく制限される。取り調べに要する時間や取材対応がないことだけで、父親説や親族説を採るのは拙速である(無論、無実か否かは別問題)。カメラの前で何を語ろうと疑う人は疑い、信じる人は胸を痛めるだけだ。

5年生ともなれば顔見知りによる誘拐説が濃くなることも必定だが、身内に限らず、友人の親、習い事のコーチなども疑いなく接近可能であろう。

また仮に小学校から3km離れたランリュック発見場所までの最短ルート、府道54号に少なくとも2台、また山の手前にある摩気駐在所と園部船坂郵便局にも防犯カメラの設置がある。しかし付近の防犯カメラに少年の姿は映っていなかったと発表されている。

またリュック発見場所は峠道にある「ガードレールの裏側」に横倒しの状態で見つかったことが明らかとされ、目立った汚れはなかったという。言い換えれば、「山中」とはいえ「道路沿いに黄色いバッグが落ちていた」のであり、予想外の場所から出てきたという訳でもない。見落とされる可能性は限りなく低く、後日、情報かく乱を狙った何者かが置いていったと捉える方が自然に思われる。

また現場付近には小規模のため池があり、4月2日から京都府機動隊によってボートからの水中捜索、水中探査用ドローンで約3時間の捜索が行われたが、新たな遺留品の発見などには至らなかった。

近隣住民らは安達さん家族についてもいい人ばかりで恨みを買うようなことは一切ないと語っているが、ネット上では消去法的に父親や親族に対する疑惑を募らせる声が絶えない。そもそもの情報の少なさ、警察情報の偏り、それに比べて多すぎるマスコミの報道が、根拠なき予断、いわれなき誹謗中傷を生んでいるかに見える。私たちは謎解きパズルを楽しみたいわけではなく、少年の無事を祈るのだ。最終的にどういう結果となろうが、本件での情報の出し方は非常によくない。

学校の目の前で忽然と姿を消した少年の動線や、地元でも「そもそも林業関係者しか立ち入らない」と言われるような峠道に立ち入るためには、車両移動が大前提となる。事件当日だけでなく、事件前後にそうした「絶好の場所」を求めて不審車両が近郊を徘徊したにちがいないと筆者は見ている。

リュックの遺棄を犯人による峠道への捜査誘導と見るならば、犯人の拠点や少年の所在はその近隣ではないと捉えてよいかもしれない。

小中学校をはじめ、全国で新年度、新生活のスタートを切るこの季節、一刻も早く国民の不安を打ち消してくれる知らせが待たれる。

 

アメリカでの不可解な小学生失踪事例として、カイロン・ホーマンさん行方不明などがある。

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