【トランスジェンダーのリアル】遙さんが生きるリアルとは
ネット上にあるトランスジェンダーへの誹謗中傷だけでなく、日常においてもトランスジェンダー当事者でない人からの何気ない言動に傷つく瞬間がある。
弄られたり、逆に避けられたり。
普段トランスジェンダーと関わらない方は特にトランスジェンダーに対するイメージはメディアにあるような絵に描いたようなものなのではないだろうか。
その為トランスジェンダーだからということでタガが外れた対応をしたり、どのように接したらいいのか分からず、不安と恐怖から距離をとってしまったりという人もいると思う。
このような偏ったイメージが無知からくるトランスジェンダーへの心ない言動につながるのではないかと考えている。
しかし、そのようなイメージとは裏腹にトランスジェンダーには様々な人がいて決して一括りにはできない。その様々なトランスジェンダーのリアルを知っていただくということで、少しでもトランスジェンダーに対する誤解や偏見の減少とトランスジェンダー当事者とそうでない人とがともに歩み寄れる世の中に少しでもつながっていくことを目指してシリーズ化した記事であることを先に記しておきたい。
今回は男性から女性に性別移行をされたトランスジェンダー当事者であられる遙さんにインタビューさせていただいた。
トランスジェンダーとして生きるまで
河上「トランスジェンダーとして生きるまでについて教えてください」
遙さん「身体が男なのだから男に決まっていると疑わず、男として過ごしてました。自分の中で男らしいとはこういうものだと決め込んで、身体鍛えたり、重い荷物は率先して持ったり、甘い物は人前では控えたり、男らしさの模範から外れないように生きてきました」
トランスジェンダーとして生きるに至ったきっかけ
河上「トランスジェンダーとして生きるに至ったきっかけはありましたか?」
遙さん「ネットがきっかけだったと思います」
河上「ほぉ」
遙さん「もちろん、以前から性同一性障害の人が存在する事も知ってたし、学生時代には友達にゲイの子が居たりしました。でも、どこか私がいる世界とは別の世界のように感じてました。でも、詳しくは覚えてないけど何かのネットの記事だったかな?ふとしたきっかけでした。今のままでは嫌だ、変えたい、変わりたいという気持ちと重なって行動に出ました。ちなみに当初は女性として生きたいとかは思っていませんでした」
トランスジェンダーとして生きる今
河上「トランスジェンダーとして生きている今について教えてください」
遙さん「今はとても楽しいです。自分で思い描いていた”男らしさ”を頑張らなくて良くなったから」
河上「いいですね」
遙さん「後から友達から聞いた話では『かっこよさとか、意識することあっても”こうしたら男っぽい”なんて意識した事は無いよ』なんて言われました。この時改めて『あ〜無理して自分に言い聞かせてたんだなぁ』と再認識しました」
河上「私も昔は無理してました。すごく分かります」
遙さん「なので今はMTF(女性)として生きては居ますが、”女性だから”と行動するのではなく”私はこうしたい”からというのを基本にしています。”女性らしさ”は追わないようにしているというか。だって、そうでなければ、トランス前と変わらなくなってしまうでしょ?」
河上「確かに」
遙さん「きっと、今は周りから見たら活き活きしてる様に見えるのかなと思います」
性別移行する中で遭った嫌な目
河上「これまで性別移行で嫌な目を見てきたことってありましたか?」
遙さん「大袈裟なことは無いですね。トランス移行期の中途半端な見た目の時とかは、どうしてもおどおどしてしまって、そんな自分を見る周りの目とか、そんな時の外出の時のトイレ使用での周りの目とかくらいかな」
河上「ですよね。移行途中はどうしてもね」
遙さん「幸い。カミングアウトに関して親とも友達とも関係が悪くなる事はなかったからそこは恵まれているのだと思ってます」
トランスジェンダーとして生きて良かったと感じること
河上「トランスジェンダーとして生きて良かったと感じる事はありますか?」
遙さん「トランスジェンダーとして生きる事に良かったと感じる事はありません。でも、性別移行をして”自分が自分で縛ってた事から解放された”事に良かったと感じています」
私の抱く幸せ
河上「遙さんの抱く幸せについて教えてください」
遙さん「本当なら自分で子供を産みたかったです。ものすごく痛い想いをしてでも1番最初に我が子を抱きしめたかった。今は何をすれば幸せなのだか分かりません」
トランスジェンダー当事者でない人に伝えたいこと
河上「トランスジェンダーではない人に伝えたいことはありますか?」
遙さん「トランスジェンダーを1括りにしないで下さい。10人いれば10通りの考えがあります。マジョリティの方と同じです。みんな違います。その事を踏まえて、色々な論議をして頂きたいと思います」
さいごに
知ってもらうというのは、地味で目立たない事ではあるが、無知からくるSNSやリアルな場にも実在するトランスジェンダー当事者への差別的な言動に対して「トランスジェンダーのリアル」というありのままの姿形、どんなふうなことを考え、どんなふうに生きているのかということを知ってもらうことで、少しでも誤解や偏見が解けることを願っている。そしてその先に、トランスジェンダー当事者もそうでない方もともに歩み寄り生きていける世の中になることを心から願ってこの「トランスジェンダーのリアル」を発信している。
昨日よりも今日、今日よりも明日。もっと住み良い世の中になるように。
遙さん、インタビューさせていただき本当にありがとうございました。


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