入学式であいさつをする新入生代表(7日、和歌山県新宮市で)
和歌山県紀南地方では初めてとなる夜間中学校「県立新翔くろしお中学校」(金澤亮校長)が7日、新宮市佐野の新宮高校新翔校舎内に開校した。第1期生は、外国籍7人を含む20~80代の男女13人。開校式と入学式が同日にあり、新入生や教職員らが新たな学びやの船出を祝った。
夜間中学は病気や不登校などさまざまな理由で義務教育を修了できなかった人や、十分に学べなかった人を対象に授業を行う学校。文部科学省は各都道府県や指定都市に1校は設置されるよう促しており、県内では昨年4月に開校した、和歌山市立和歌山あけぼの中学校(和歌山市六十谷)に続いて2校目。
県内在住か県内で働く人であれば国籍を問わず入学でき、どの学年に入学するかは面談で決定する。第1期生は1年生3人、2年生8人、3年生2人でスタートした。
式典では、県教育委員会の今西宏行教育長が開校を宣言し「本校は多様な背景を持つ人々が年齢や国籍の垣根を越えて集う場所。多くの方々にとって新しい可能性を開く、希望のともしびとなることを心より願っている」と式辞。金澤校長も「一人一人の学びに寄り添い、挑戦を力強く後押しする場所となるよう、教職員一同、全力で教育活動にまい進する」と決意を述べた。来賓の宮﨑泉知事も激励の言葉を贈った。
強い波の中から羽ばたく鳩をイメージしてデザインしたという校章を制作者の笠井直幸さん(海南市)が紹介したほか、数多くのヒットソングを手がける和歌山市出身の作詞家・及川眠子さんと作編曲家の萩田光雄さんが制作した校歌を、歌手の稲村なおこさんが初披露。「よく働いて よく生き抜いた それぞれの人生 光あれ」といった夜間中学校ならではの歌詞で、会場から大きな拍手が送られた。
■日本語勉強したい
在日25年、タヌジャさん
続いて入学式を開き、金澤校長が13人の入学を許可した。新入生を代表し、串本町在住でスリランカ国籍のタヌジャ・ラックマール・マーピティガマさん(47)=1年生=があいさつ。「日本に来て25年以上、毎日頑張って生活してきた。ずっと日本語や学校の勉強をしたいと思っていた。今日、入学の日を迎えることができてとてもうれしい。お互いの文化や考えを知り、助け合って学んでいきたい。この学校を支えてくださっている皆さんに心から感謝します」と述べた。
授業は月~金曜の週5日、午後5時半~9時ごろに40分の授業を4回行う。期間は3年間だが、学習状況によって最長9年在籍できる。入学金や授業料、教科書は無償。