2026/04/14
君島大空 / Mudd The student / Parannoul
2026年2月24日(火)、CLUB QUATTROによる自主企画シリーズ〈QUATTRO Alternative #1〉が開催された。多様化が進むインディペンデントな音楽シーンの現況を踏まえつつ、CLUB QUATTROの可能性を拡張させる試みとして広義の「オルタナティブ」を掲げて国内外のアーティストを招聘する企画の第一弾には、韓国よりBalming Tigerのメンバーとしても知られるMudd the student、デジタル・シューゲイズの旗手Parannoulが両者ともに初来日。日本からはParannoulとも所縁あるSSW・君島大空が出演。
とくに2024年にライブ活動を休止することを宣言していたParannoulのライブ出演は大きな話題を集め、チケットは即座に完売。平日ながら渋谷CLUB QUATTROのキャパシティを埋め尽くす盛況ぶりを見せた。その静かな熱気を、AVYSSにてオフィシャル・レポート。
Text / Edit:NordOst / Hiroto Matsushima
Photo:Kanade Hamamoto
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渋谷CLUB QUATTROが「オルタナティブ」を掲げた新企画を立ち上げる、ということを耳にした自分の胸中にはたしかな納得があった。言わずとしれた老舗のライブハウスであり、著名なアクトが日々出演を続ける場所だからこそ、逆説的に昨今の音楽シーンの流れの変化を肌で感じてきた場所のように思える(キービジュアルを〈ほしのおと〉よりnaco gotohが手がけたという点からもそうした姿勢は伝わってくるはずだ)。
事実、周年企画シリーズ「ELEVATION!」にはオーバーグラウンドで活躍するべテランからアンダーグラウンドを暗躍する新鋭までが集い、ここ数年の間に「Deepening, Evolution, Value」「Pure vibes only」などのエッジーな自主企画を展開するなど、徐々に風向きが変わってきている。ほかにもDJ・YELLOWUHURUによるハウスミュージックの感覚を軸に多様な表情を見せるパーティー〈FLATTOP〉と深夜帯でのコラボレーションを実践するなど、ストリートの現場感覚と地続きなスタンスを確立しつつあり、今後の展開からも目が離せない。
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さて、第一弾となる〈QUATTRO Alternative #1〉は日韓から三者三様の面々が集う内容となったが、ParannoulというWeb上の幻想に近い存在が実地でライブをすること、半ば絶望視されていた来日公演が実現することにどうしても意識が引っ張られてしまう。
2020年1月、パンデミック前夜に1stアルバム『Let’s Walk on the Path of a Blue Cat』を発表しParannoul名義での活動をスタート。ほどなくして世界はパンデミックにより一時的に奇妙な静止をはじめ、多くのアーティストがキャリアの停滞を余儀なくされることとなる。
しかしながらParannoulに限っては、世界が静止しているあの時期は決して悪いものではなく、むしろ居心地の良さを覚えていたのではないかと思う。元来内省的な性格であることは過去のインタビュー記事においても明言されていて、そもそも人前に出ることを好まない存在。そんな彼がギターアンプから出る音に魅了され、それを自室のラップトップで独り組み立てる。いわば架空のアンサンブルともいえるParannoulの作風は、あの頃窓から眺めていた静かな景色とたしかに共鳴していた。
会場に到着すると、目を鈍く光らせてこの日を待ち望んでいた人の山。ごく私的な話をすれば、久々に顔を合わせる意外な人たちと何人もすれ違ったり、言葉を交わしたりしたのも印象的だった。
君島大空
最後に君島大空のライブを観たのは何年前だったろうか。おそらく最初のEP『午後の反射光』がリリースされた2019年ごろだったような気がする。もう7年も前のこと、気づけばあれからかなり時間が経ってしまった。
7年ぶりに観る君島大空のライブはかつての記憶からはだいぶ外れたもので、その距離の遠さに強い感動を覚えた。この日はアコースティック・ギタ-とラップトップでのソロセットで出演。サブベースを全面に押し出し、細かな粒立ちが感じられるエレクトロニックな音像に意表を突かれた。イタリアの電子音楽家・Lorenzo Senniの「点描トランス」を想起させるサウンドスケープの心地よさにしばし浸る。電子音という近年獲得したであろう新たな要素と、元来備えている抜群の歌声のマッチも素晴らしい。ひとりのアーティストを少し離れてから再び観測するときに起こるこうした驚きは、いつになっても興奮を呼び起こしてくれる。
MCではParannoulとのやりとりについて触れ、本日がいかに奇跡的な共演機会となったかを言葉少なに語る。「たまにこういういい日がある」「彼(Parannoul)に敬意を表していろんなことをします」と、十二分な意気込みが伝わってきた。
その後ギターを手に取り、先ほどとは打って変わってフォーキーで静謐な演奏を続けていく。一見すると電子音楽的なライブと弾き語りは真逆のアプローチに思えるが、その両方がそれぞれ異なる情景を脳裏に焼き付けてくるような。アコースティックとエレクトロニクスが並走することで生じるコントラストやダイナミクスが、氏のライブの魅力を強めているように思えた。
そういえば、この日のクアトロは普段より音が良かったような記憶がある。もちろん「良い音」が何を指すかは当然人によるということは前提として、低域のパンチの強さ、ボーカルを含む中音域のクリアさ、弦の残響音や電子音のきらめきが克明に耳に届く高域の艶感、各音域の分離の良さと迫力が両立されており、単純に音の面だけでも大いに楽しめる日だったことをここに書き留めておく(PAさんへ…素晴らしい仕事でした)。
ギターでの弾き語りから再び電子音のループに戻ったかと思えば、また弾き語りと推移。その交差による渦に飲まれていると、自然と陶酔感が立ち上がってくる。それにしてもギターの技巧が凄まじい。1本のアコースティック・ギターからバラエティ豊かな音が次々と奏でられる。こんな音も出せる楽器だということをどうやら忘れていたようだ。思い出した。
最後は1stから「午後の反射光」が特別なリミックス・バージョンとして披露。MCで18分から7分に短縮したバージョンであることを説明したのち奏でられたのは、エレクトロニカやレフトフィールド・ベースを感じさせるアレンジが効いたもので、先に述べた昔の思い出は鮮やかに書き換えられていった。
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君島大空 Setlist:
1. intro~SubetenoYukiGaTokeruOto
2. 除
3. 嵐
4. 19℃
5. 向こう髪
6. 映画
7. – – nps –
8. 午後の反射光 (remix)
Mudd the student
転換中、近くにいた人たちとぽつぽつ話をしたのちBalming Tigerのメンバーとしても知られる2000年生まれのシンガーソングライター・Mudd the studentのライブを初鑑賞。
事前にリリースをチェックしたときには、今の韓国アンダーグラウンドで密かに盛り上がるデジコア~ハイパーポップ的な潮流に位置するアーティストをイメージしていたが、今回はバンドセットでの出演。全体的に君島大空、Parannoulと同様にエレクトロニクスとバンドサウンドを折衷したような感覚のギグで、昨今のオルタナティブの現在地はやはりこの辺りにあるかもな、と独りごちた(日本だとたとえばiga、aryy、safmusicのような、決してラッパーとは定義しきれないアーティストたちが帯びているような感覚だろうか)。
先述したようにこの日の音響とこうしたオルタナティブな表現の相性は抜群で、ベースギターのリフが身体を心地よく揺さぶってくれた。前半のストレートなロックからシューゲイズ的なアプローチへと転化していく中盤の流れのなかで、くっきりした低域が空間系エフェクターによる夢想的な感覚を逆に強めているような感じ、と言えばいいのか、とにかく良い音はいいものだ。青と赤のコントラストが効いた照明など、ビジュアル面の演出力もずば抜けていて、インディー/メジャー関係なく視覚的演出・表現を重視する韓国ポップカルチャーの強みが十二分に発揮されていたように思えた。
日本語も交えつつストレートなメッセージを観客へ呼びかけながら力いっぱいに演奏するMudd the studentのひたむきな姿勢が、会場に瑞々しい活力を与えていく。ガレージロック的なレガシーな雰囲気を新鮮な感覚に転化するようなアプローチにはGeese、Bar Italiaのような新潮流との接点も垣間見えるような気がしなくもない。
90年代~00年代のエモやラウドロックからの影響も感じさせるMudd the studentにはポップ、ロック、ヒップホップ、エレクトロニカなどジャンルを問わず横断的に聴いてきた原体験があるようで、韓国メディア〈ARENA Korea〉や〈Marie Claire Korea〉でのインタビューにてDinosaur Jr.やPavement、そしてSonic Youthといった90年代のオルタナティブ・ロックに強い影響を受けたことを打ち明けている。そうした背景からオルタナティブ・ミュージックの現在形であるデジコア/ハイパーポップへと接近していったのは、昨今の趨勢を踏まえると意外なことのようにも当然の帰結のようにも思える。
MCを挟んだ後半からは、ボイスサンプル入りのセッションを挟んだのち、日本の激情ハードコアのエッセンスがかすかに宿るラウドなナンバーを披露。この日のサポートギターにAsian Glowが参加していることが明かされると、会場にはどよめきが広がる。続いて披露された曲では、客演としてパーカーを着た等身大の青年がふらっとバンドに混ざりはじめる──彼こそがParannoulその人だった。
当人がそうした反応をどのように受け止めているかはともかく、半ば伝説化していた遠い存在がこうして日本のライブハウスに立っている姿を見れた喜びを、興奮に満ちたフロアとしばし共有した。
(これも余談ではあるが、サポートドラムを担当していたのは韓国のインターネット音楽シーンを介して仲良くなったDGという青年だった。数度にわたる韓国でのDJ機会を通して、インディーの輪がそうした草の根的なクラブシーンと接続されていることは元から知ってはいたけれど、それでも嬉しいサプライズだった。)
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Mudd the student Setlist:
1. cache
2. Undertaker
3. APA freestyle
4. Fireman
5. 잘한 일이야
6. 활동 중
7. 123
8. Off Road Jam
parannoul
パーカーを着たごく普通の青年がギターとラップトップを黙々とセッティングしているのを眺めていた。客演での登場時には歓迎ムードに満ちていた客席にも、どことなく緊張が走る。そしてGoogle翻訳の機械音声による「こんにちは、私はParannoulです」という無機質なアナウンスとともにParannoulのライブが幕を開ける。
「何聴いてるの?」
「リリイ・シュシュ」
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岩井俊二監督『リリイ・シュシュのすべて』(2001)のセリフがサンプリングされたあのイントロが流れるや否や、会場の各所から叫び声にも似た歓声が上がる。1曲目は2ndアルバム『To See the Next Part of the Dream』より、代表曲「Beautiful World」。5年前のあの頃、何度もアートワークの青空を目にしたことを回想しながら目を瞑って演奏に浸った。
とにかく観客の期待と興奮がすさまじく、この日を待ち望んでいた人の多さに圧倒される。周囲をよく見ると国外からこの日のために東京に来たのではないか、という客層も一定数見受けられた。単なるシューゲイズ・リバイバル以上のなにかが、趣味趣向の異なるバラバラな人々を束ねる様は、まさしくインターネットを介して熱狂的な「リリフィリア」を生み出していた架空の歌い手のようにすら映った。
その後、韓日翻訳の自動音声によるMCが続く。在りし日の日本のニコニコ動画文化について言及し、「エアーマンが倒せない」や「思い出は億千万」といった恥ずかしくも懐かしい曲についての思い出を言葉少なに語る。住んでいる国は違うけれど、僕にも同じ思い出がある。そうしたインターネットのノスタルジアを込めた「analog sentimentalism」を披露。古いアルバムをめくるような気持ちで作られたこの曲も、部屋から出られなくなったあの頃、自分を含む数多くの人々の心を癒すものだったことを改めて思い出す。
続くMCでは、人前でギターを手に取って弾くのは今日が初めてのことだと機械音声で話す。ライブ活動をやめてしまおうと思っていたけど、人との出会いを介して徐々に楽しめるようになっていった、という旨の話もぽつりとしてくれた。サウンドのすべてを自室でDAWとともに構築していたParannoulが、今改めてギターを抱えて生身で人前に立っている、という事実にただ感動する。
この日のために作ったという新曲を披露。「ゆったりした気持ちで聴いてください」という一言とともに演奏されたそれは四つ打ち軸のインディ・ダンス的なナンバーで、等間隔のキックは踊ることもできるけれど音像は内省的なまま、というバランス感覚が嬉しい。下を向いて浸るのがむしろふさわしい曲だったけれど、身体はどうしたって揺れ動く。勝手に、うつむいたままでも踊っていいということを肯定されたような気分。昔、ライブハウスの隅で下を向きながら、でもたしかに踊っていたことをつい思い出した。
内省的/内向的というのは、やはりParannoulという青年の核の部分だろうと思う。自分に自信が持てず、それでも憧れる音楽があり、中々出せなかった勇気を振り絞り、こうして異国の舞台に立っている。機械音声を交えつつも少しずつ自分の発話で、異国の言葉で話をして、大勢の観客と向き合うその背中は大きかった。ありふれた青年の勇気と素直な気持ちに、600名超の観客を揺さぶっている。
最後にメンバー紹介のパートも。Parannoul、ノートパソコン、Google翻訳が彼のバンドメンバー。Parannoulはソロアーティストではなく、バンドとしてここに立っていた、ということだろうか。彼なりの素敵なジョーク。
別プロジェクト・Mydreamfeverでの長尺のスロウコア~インディーフォーク調のトラックをショート・アレンジした新曲も披露しつつ、ラストは再び『To See the Next Part of the Dream』の収録曲に戻り「White Ceiling」を演奏。スイッチが入れっぱなしになったギターを置き、Parannoulは去っていった。フィードバック・ノイズを覆い隠すほどの歓声と共に。コロナ禍に見た夢の続きは、あの頃思い描いていた以上に素敵なものだった。自分のなかにずっと渦巻いていた、長い長いパンデミックがこの日ようやく終わった気がした。相変わらず暗いニュースが尽きない未来に生きることを余儀なくされているけれど、少しは良いこともあるかも、と、改めて信じてみようと思う。
Parannoul Setlist:
1. Beautiful World (inst)
2. Excuse (inst)
3. Analog Sentimentalism (inst)
4. New Song 1
5. New Song 2
6. Chicken (inst)
7. White Ceiling
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2026/2/24 (Tue)
QUATTRO Alternative #1
at SHIBUYA CLUB QUATTRO
act:
Mudd the student (Band set) [KR]
Parannoul (Solo set) [KR]
君島大空(Solo set) [JP]
https://www.club-quattro.com/shibuya/schedule/detail/?cd=017960
category:REPORT
tags:QUATTRO Alternative
2026/01/21
CLUB QUATTROの可能性を拡張する 株式会社パルコは、「QUATTRO Alternative #1」を2026年2月24日(火)に渋谷クラブクアトロで開催。 「QUATTRO Alternative」は、今回が初回となるCLUB QUATTROの自主企画シリーズ。CLUB QUATTROの可能性を拡張させる試みで東名阪広全国4拠点に展開するQUATTROでも、それ以外の場所でもCLUB QUATTROを表現していく。積み重ねられたQUATTROらしさと常にその隣を並走してきた枠組みを超えた瞬間を更新する。シリーズ初回には韓国よりMudd the student (from Balming Tiger) , Parannoul , 日本国内のアクトには君島大空が出演。 全公演ソールドの大盛況で行われたジャパンツアーも記憶に新しいBalming Tiger。その一員であるMudd the studentが2025年に満を持して、リリースした初ソロアルバム『LAGEON』で示したジャンルをクロスオーバーしながらエレクトロ・ヒップホップの手触りとロックなサウンドを取り入れた新しい形の音像をBand setで炸裂させる。そのMudd the studentと共作も行い、その匿名性とY2Kを象徴するような映画作品の引用をフックにした楽曲などが局所的に爆発的な注目を集める韓国の音楽家ParannoulがSolo setで日本初ライブを行う。弾き語りの手触りそのままに狂気と静けさに満ちた瑞々しい演奏で豊かな感情を呼び起こす君島大空がSolo setで花を添える。 三者三様でありながらも境界をクロスオーバーさせ、枠組み自体の更新を想起させる出演者がアジアの垣根を超えて集結。また、本企画は先ほど言及したMudd the studentの作品『LAGEON』のジャパンツアーを兼ねたダブルネームの公演でもある。ビジュアルは2000年代以降の感性をきらりと光るテクスチュアや美学をなぞるようなイベント「ほしのおと」の主催のひとりでもあるアーティストnaco gotohが制作。 ◆公演名 QUATTRO Alternative #1 ◆公演日/会場/出演者 2026年2月24日(火) 渋谷クラブクアトロ (〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町 32-13 4F) Mudd the student (Band set) [KR] / Parannoul (Solo set) [KR] / 君島大空(Solo set) [JP] ◆チケット詳細 料金:前売 ¥5,500 | U-25/学割 ¥4,500 (税込/全自由/整理番号付/ドリンク代別) ◇抽選先行受付:1/21(水) 19:00
2024/02/15
3.31 中野heavysick ZERO 今から20年前、30年前に思いを馳せる。 走ると危ない時代。どこにいても、高い笑い声と叫び声が聞こえてくる時代。 まっすぐ自分だけの形を作ろうとしていた時代。 永遠に消えることのない女の子の部分があること。 だからこそ、ずっと美しく可憐な夢を追いかけていたい。 「少女の意識」すなわち少女性は性別や身体的なものでは無く、誰にだって持ち合わせて いるものである。 思い出したくない苦い頃のことも、 純粋聖霊の象徴である空想の少女が自分だと思えば、忘れられる気がする。 何年経っても、私の中の女の子と向き合いたい。 この1日が誰かの人生の中での、確実に女の子であった日になるように。 – 2024.3.31 (日) 中野heavysick ZERO にて、iVy & ピンキーポップで 「ゆめのつづき」 を開催。 今回のテーマである「少女漫画」を軸に、バンドサウンド、アコースティック演奏等を交えたLIVE、DJが展開される。情熱と至福の安らぎ、あらゆる感情の光と闇が同居する。POPUP参加作家は7組。洋服、雑貨から絵の展示まで彼女達に秘められた”少女のか たち”を発掘できるだろう。「ゆめのつづき」は200万乙女のバイブルである少女漫画家、柊あおいの題から。あの頃の少女漫画が、大人になった私達の価値観に大きな影響を与えている。切なくなったり、じんわりとした恋心を思い出したり、 失ったり、疲れたり、たった1人で自分自身と向き合ってもいい。 実態のないものに愛があったっていいじゃない。 – 今回のイベントに伴い、会場限定で “ZINE『ゆめのつづき』 –わたしたちの心の中に少女はいる。少女性の追求・究極のMagazine!– “ を発売予定。 80年代『ティーンズロード』から『りぼん』『FRUiTS』等の少女コミック誌やファッション雑誌からインスピレーションを受けて制作。各アーティストのインタビュー、対談、 多方面に渡る活動家達の寄稿、写真作品や、イラスト等をまとめた一冊になっている。彼らの思う『少女性』は、きっと一つに絞られたものではなく希望であったり、空想世界 であったり、はたまた自身を脅かしてきたものでもあるだろう。性別や身体、年齢とは違う人々の中に眠る少女の姿。少女について具体的な定義を決め提唱するのではなく、参加者各々が辿ってきたもの、大切にしているものを見つめて並べる。今回のZINEの参加者である彼らが1人部屋で、机(己)と向き合い一筆している姿を思い浮かべながら手に取って欲しい。 –少女Magazine ゆめのつづき 目次– 巻頭カラー 梓義朗 『僕達・私達の心に少女』寄稿 宮坂遼太郎/わがつま/Dirty Dirt/森あかね/iVy/ピンキーポップ/胃下舌ミィ 『お話聞かせて!秘密の対談…』 perfect young lady×pnnikn 『はぁと♡みっくす』 誰もが自意識&恋 匿名ポエムコーナー 『Wanna know what’ in myhead?』 気になるあの人達に聞いてみた。トキメキを再び。少女を語る〇〇 梓義朗/alien.melissa/ろくようび/ion100/喫茶閃光/Kenji/坂口喜咲/seaketa/Tokiro/ NordOst/perfect young lady/pnnikin/Hoach5000/雪路♣fanfan/にゃあど 『大解剖プロフィール』 ゆめのつづき各出演者の手描きプロフィール帳♪ 『彼女達は東京で何を思う?ロングラン•インタビュー』 cocoa/momonesuko/まゆぴ 『オオツカ君の恋の話についてみんなでマジメに聞いてみましょう』 『パパママおばあちゃんの書き下ろし漫画付き』 – 『ゆめのつづき』 ✿✿✿ 【日時】2024.3/31 (sun) Open17:00 Start17:30~ 【チケット】¥2500+ワンドリンク 取り置き>shakeneko1010@gmail.com 【場所】中野heavysick ZERO ✿✿✿ 【LIVE】 Hoach5000 perfect young lady momonesuko 坂口喜咲 iVy 【DJ】 cocoa pnnikn 【SHOP】 ピンキーポップ 喫茶閃光 梓義朗 あの猫 I/O/N 雪路♣fanfan akaruitokoro ✿✿✿ ZINE『ゆめのつづき』 限定発売 –わたしたちの心の中に少女はいる。 少女性の追求・究極のMagazine!–
2025/11/18
全22組からハイライトをピックアップ 「クラブ・カルチャーの主体はいったいどこにあるのか?」と訊かれたら、それはもちろんフロアで揺れ動く観客やパーティーそれ自体を取り巻く空気そのものであって、決してアーティストが100%主導権を握っているわけではない。それこそがクラブを軸とした音楽文化の特異な点だろうと思う。 そうした普遍的な価値観を継承しつつ、斬新な切り口から日本のシーンに新風をもたらしてきたクラブが、大阪・アメリカ村にて2012年にオープンしたCIRCUSだ。設立以来日本だけでなく世界各地のアンダーグラウンド・シーンの潮流をいち早くキャッチし、アップカミングな新星からクラブカルチャーの伝説までを幅広く招聘し、いくつもの夜を彩ってきた。 そんなCIRCUSの姉妹店として2015年に渋谷にてオープンしたCIRCUS TOKYOが設立10周年を記念し、独立系のクラブとしては類を見ない規模の都市型音楽フェス「CIRCUS -CIRCUS Tokyo 10th anniversary-」を10月4日に開催。会場はお台場の野外イベントスペース。東京のなかでも殊更に人工的な質感を帯びた街で、一昔前のゲームのグラフィックのような無機質さが漂う区画。 今回AVYSSでは11時間にわたる当日の模様をオープンからクローズまで密着取材。3フロア・全22組におよぶラインナップから一部をピックアップしてレポーティングしていく。 Text : NordOst / Telematic Visions Edit : NordOst Photo : 添田ゆかり okadada 曇り空を気にしつつ、街というにはいささか無機質すぎる土地を歩き会場に向かっていると、遠くからうねりのような重低音が響いてくる。CIRCUS TOKYOでも名物パーティー〈AUDIO TWO〉を開催しているokadadaによる、セカンドフロアでの2時間セットでオープンを迎えた。 サウンドシステム・カルチャー誕生の契機となったダブを中心としたセレクトで場の整地を試み、じっくりと後に続く流れを組み立てていく。そこから徐々にダブテクノ~ディープハウスといったサウンドへと展開。時折降りはじめた小雨とも噛み合うような雰囲気を感じさせる名人芸だった。 とにかく音響が素晴らしく、さすがにクラブが主導する野外フェスなだけはある。ほかの大規模フェスと比べても、全フロアの出音が常に一定以上の品質に保たれていた点にも、CIRCUS TOKYOの10年の矜持を感じた。なにより、CIRCUS名物のイギリス・VOID acoustics社のサウンドシステムは野外と合う。 ちなみに後で話をうかがったところ、okadada氏は前日に出演していた代官山ORD.のパーティー(Skaai × KM “Podium” RELEASE PARTY)から直行してそのまま2時間セットへなだれ込んだとのこと。鉄人の背中は今日も頼もしかった。 PAS TASTA okadadaによるセットアップが折り返しを迎えた11時、メインフロアがPAS TASTAからオープン。入場してすぐ広々としたセカンドフロアとCIRCUS名物の「VOID」を主としたサウンドシステムのクオリティに驚かされたが、メインフロアはそれをさらに上回るスケール感。この後に続く豪華極まりない面々を迎えるための万全の体制が築かれていた。 今回のPAS TASTAはDJセットを軸にしつつ自曲のライブも披露するハイブリッド構成。hirihiri、Kabanagu、phritz、quoree、ウ山あまね、yuigotそれぞれの個性が色濃く出力された選曲のデジタル・コラージュ感に、このグループが「プロデューサー・ユニット」であることを改めて感じ取った。 メンバー各々のスタンスを表明するかのようなDJパートからライブに移行し、ウ山あまねがマイクを握る。それにしても、この日のPAS TASTAの勢いと観客の期待感は凄まじかった。1st、2ndの収録曲からアンセムが次々と披露され、フロアの熱は高まり続けていく。生憎の空模様を跳ね除けるように盛り上がる様子は、まさしく野外フェスのそれだろう。 lilbesh ramko 「CIRCUS -CIRCUS Tokyo 10th anniversary-」の翌日には同会場で渋谷・clubasia発のフェス〈暴力的にカワイイ 2025〉が開催された。kawaii future bassに端を発するムーブメントを象徴する「暴カワ」と、クラブ・カルチャーに根ざした本回を結びつける唯一のアーティストこそがlilbesh ramkoであり、彼の表現がいかに現場を越境してきたかを物語る動き方だといえる。 CIRCUS TOKYOはクラブ・ミュージックの窓口だけでなく、コロナ禍以降デイタイムでデジコアにはじまる新しいライブアクトの躍進を牽引してきた側面もあり、その代表的存在としてもlilbesh ramkoという存在が自然と連想されるはずだ。 全国各地のさまざまなロケーションで活躍する彼の今回のセットは、今年リリースされたミニアルバム『生活*1』を基調とした内容。野外フェスという環境、クラブ寄りのシチュエーションにも合致していた。1曲目の「Porsche/暮れ」からほどなくして、曇り空を飛行機が横切り、雨が降りはじめる。エンジン音とベース、ハイハットがクロスして轟音となり、悪天候を跳ね除けるようなエネルギーを発していた。ハイエナジーなだけでなく、肩の力を抜いてリラックスしていこうと観客に提案するようなアプローチも光る。いつ何度観ても素晴らしいし、あれだけの活動ペースでありながら引き出しが尽きることはない印象。アーティスティックでありつつも、サービス精神にあふれている。 HEAVEN lilbesh ramkoに続くライブはlil soft tennis、RY0N4、aryyらによる関西発のコレクティヴ・HEAVEN。バックDJにはasterisk*が参加していた。彼らもメンバーそれぞれがコロナ禍に発生した新たなムーブメントから躍進を遂げた出自を持ち、CIRCUS OSAKA主導のヒップホップ・フェス〈CIRCUS×CIRCUS〉などへの出演経験も豊富だ。 デイ/ナイトを行き来しながら数々のステージを賑わせてきたHEAVENは観客と固い信頼関係を築き上げていて、流動性の高いフェスという環境ながらにフロアから人を離さない。セットのなかではメンバー各々のソロ曲も披露され、三者三様の魅力を存分に発揮するショーケースとなった。 なにより、HEAVENのアンセム「mörita」「AQUA (feat. RY0N4, JUMADIBA, LINNA FIGG, aryy & Lil Soft Tennis)」はいつどこで何回聴いても名曲であることは間違いないが、それをこのロケーションで観るのは格別だった。HEAVENとしてのこれからの活動やリリースにも期待したい。ゆっくり待っているファンは、数え切れないほどいるはず。 Peterparker69 フロアをそろそろ回遊したいところではあったものの、PAS TASTAから続くメインフロアの一連の流れからは目が離せなかったというのが正直なところ。前述の通り、おそらく前半パートでは20年代以降CIRCUSが下支えしてきたシーンの変革期を象徴する国内アーティストたちが集う形となり、その流れを締めくくったのがJeterとY ohtrixpointneverによるデュオ・Peterparker69だった。 今年アルバム『yo,』を発表して以降、海外での公演機会もさらに増えライブにもますます磨きをかけた印象で、新鋭ながらある種の貫禄すら身につけはじめている。大規模な野外ステージをも軽やかに掌握して見せ、かといってスター性に偏らずMCを交え観客と交歓を重ねていく。この日Jeterは本調子ではなかったようだが、そうしたマイナス要素を一切感じさせず、遊び心とともにフロアを一段階上の熱狂へと導いていった。 Vegyn 不動のグルーヴでokadadaのセットアップを引き継ぎ、セカンドステージを完全にダンスフロア化してみせたSAMO(彼女もまたCIRCUSを牽引してきたローカル・ヒーローのひとりだ)から、VegynのDJセットがスタート。転換時にはこちらにピースサインを向ける茶目っ気も見せてくれて、この日をとても楽しんでいることが伺えた。 しかしプレイが進むとその顔つきはクールに。アップリフティングな雰囲気のハウスを軸に、四つ打ちのリズムを徐々に横展開してグラデーションのように展開をつけてフロアを彩っていく。自身のグッズTシャツにプリントされた「PLEASE」の文字も意味深だ。 最後にはフランスのバンド・Phoenixのアンセム「If
創刊号のテーマは 「The Personal is Alternative」
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