「ある朝、起きたら膝が曲がらなくなって…」1日1万歩のウォーキングに励んだ48歳男性を襲った“残酷な末路”
理想はダイエットしてから走ることだが…
足が健康でなければ運動そのものができないが、動けば足が壊れ、動かなければ命に関わる――。菊池氏は、こうしたジレンマに処方箋を示す。 「理想はダイエットしてから走ることですが、実際はダイエットするために走るわけで、両立は難しい。本来、肥満の方は水泳や自転車が望ましいのですが、最近はジムで筋トレばかりしてしまう人も多いですよね。そして、バランス悪く筋肉がつきすぎるのも関節にとっては問題で、障害の原因になることもあります。メンテナンスで大事なのはまずストレッチ。歩いたり走ったりするにはしっかり蹴り出せるだけの柔軟性が必要です」 寝たきり予防には一日2000歩、最低限の日常生活には3000~5000歩が目安とされる。足に不安がある人がすべき最初の一歩目は何か。菊池氏が勧めるのが「足踏み」だ。 「お腹、太もも、内ももなど歩行に必要な筋肉を幅広く鍛えられます。15分ほどしっかり行えば散歩と同等の運動効果があり、ウォーキングほどの負荷もありません。家事をしながら、テレビを見ながらでも、家で無理なく続けられます。運動習慣がゼロの人や、高齢の方などは、イスに座った足踏みでも十分効果がありますよ」
無視できないほど深刻な「靴の弊害」
足踏みで筋肉を鍛え、ストレッチで柔軟性を保っても、歩き方そのものが間違っていては意味がない。人類学や栄養学に精通する作家の金森重樹氏は、とりわけ「靴」が体に及ぼす問題を指摘する。 「足裏は、地面の硬さや傾斜、凹凸を感じ取る体のバランスセンサーです。ところが靴を履くとその情報が遮断されてしまいます。それに、人間は本来つま先から着地する生き物。現代のかかと先行の歩き方は、人類学的には実は不自然なんです。 かかと着地は膝や腰への衝撃が大きく、慢性的な障害に繫がるケースもあるでしょうね。靴が足の筋肉や腱の働きを代替することで足本来の強さも失われ、扁平足や足底筋膜炎を招きやすくなることも見過ごせない。これはハーバード大学のリーバーマン教授も指摘しており、肥満体では特に顕著です」