米国とイスラエルによるイランへの先制攻撃で始まった戦闘は1カ月以上を経て、交渉の段階に入った。ホルムズ海峡の封鎖などをめぐる問題で米国とイランの主張は大きく異なっているが、合意による戦闘終結への道は開けるのか。それとも戦闘は再開されてしまうのか。押さえておきたいポイントをQ&A形式でお届けします。
記事のポイント
①なぜ攻撃したのか?
②イランはどんな国
③なぜ仲が悪いのか?
④イランの核開発問題
⑤イラン周辺の米軍の戦力
⑥新指導者選出の影響は?
⑦これまでの戦況は?
⑧戦闘終結めぐる交渉の行方
①米国とイスラエルは、なぜイランを攻撃したのか?
緊張が高まったきっかけは、イラン当局が昨年末から全国に広がった政府への抗議デモを弾圧したことだ。今年に入り、「米国とイスラエルに訓練された工作員による破壊工作が広がっている」と主張して、武力を使って抑えつけた。イランの公式発表でも死者は民間人を含む3117人にのぼり、海外に拠点を置くイランの人権団体などはさらに多くの死者が確認されたとしている。
トランプ米大統領はデモを支持し、「助けはもう来る」などと発信して、米国が軍事介入する可能性を示唆した。1月中旬に抗議デモが鎮圧された後も、トランプ氏は「イランへ大艦隊が向かっている」と圧力をかけ続け、懸案となってきた核開発問題などを話し合う席にイランをつかせた。
米国とイランは2月に入って3回の高官協議を開いたが、同月28日にイスラエルと共同でイラン攻撃に踏み切った。トランプ氏は攻撃目的について、「イランの政権からの差し迫った脅威を排除することで米国民を守る」と説明し、イランに核兵器を持たせない意思を明確にした。イスラエルのネタニヤフ首相も、作戦の目標について、「イスラエル、米国、世界を脅かすイランの核兵器と弾道ミサイルの開発を防ぐこと」としている。
②イランはどんな国?
国土は日本の4.4倍で、人…