「無印良品」海外で成長加速 売上高1兆円へカウントダウン
27年度にパリ旗艦店、北米で捲土重来、韓国も出店加速
10日の決算説明会(オンライン)に登壇した清水智社長は、「特に進捗しているのが『出店拡大』と『生産性の改善・SCM改革』だ」と述べた。出店では「27年8月期にパリに旗艦店を出店する。北米事業でも中大型店タイプで4店舗の出店を承認した。韓国事業は何度かの停滞期を超え、27年度から加速し2ケタの数を出店する計画だ」。
一方、「生産性改善・SCM改革」では「昨年9月に立ち上げた生産性向上委員会が実稼働してきた。主に日本の本部業務にフォーカスしている。2年ごとにPDCAサイクルを回し、短期的ではなく再現性のあるものとして改善を実行していく」という。今サイクルの重点テーマは、IT投資、人時生産性、商品原価、一般費で、最終的な効果は都度3カ年ローリング計画に反映し、早期の営業利益率12%以上を目指す。
「商品開発体制の強化」では、ヘルス&ビューティー(H&B)をはじめとした商品の拡充を推進。商品施策の一つとして、海外における生活雑貨の品ぞろえの充足率を、26年春夏に70%、26年秋冬には目標とする80%に引き上げる。リピート性の高い商材が多く、客数の安定化にもつながるものだ。北米でも1年前には50%だった充足率が、現在68%近くまで増加。26年秋冬には80%に達する予定だ。
清水社長は、「現地ニーズを踏まえたえ開発を促すために仕組み作りや組織づくりも進んでいる。現地主導であり、オリジナルを開発している商品やカテゴリー、取り組み方はバラバラだ。ASEANではアパレルと食品で、アパレルはサイズやカラーバリエーション、食品では現地の嗜好があるので完全なオリジナルが多い。中国が一番進んでいるが、(現地向けアジャストと、オリジナルが)ミックスされているような状態。現地企画では主に生活雑貨商品を開発している。たとえば米ぬか発酵のヘアケアシリーズが爆発的にヒットしている。日本ではスキンケアだが、中国ではヘアケアに特化。コンセプトや原材料の特徴は一緒だが、アウトプットが国によって違ってくるという例だ」と説明する。
世界に広がる調達網も強みだ。三菱商事ファッション(当時)の無印良品向け商品担当部門を2024年5月1日付で吸収分割で承継した。原材料調達や工場との直接取引、生産管理などの商社機能を取り込むことで、本格的なSCM・商品開発体制を構築。利益率大きく改善してきた。「ここの調達機能をどの国でも利用できるというメリットがある」。さらに、「年に数回、全世界の商品開発のメンバーが集まり、検討し、中国で作ったものをASEANで、ASEANで作ったものを台湾で、全世界で開発したものを全世界でベストな品ぞろえを徹底していける。これはあまり他社ではないところだと思っている」と清水社長は話す。