「目の前の人を幸せにしてあげて」――綾瀬はるかの生き方を形作る家族の言葉 #家族とわたし
「やっぱり終わりはないんだな、人生は」
綾瀬が演じるナズナは娘と夫の前で明るく精一杯に生きる。その姿は自身の母とも似ているそうだ。 「泣いていても、『全然泣いてないよ』みたいな。明るくて、悲しい顔は見せない。私は私で、子どもなりに心配をかけないようにしていますね。こういうところって、親子で似ちゃうんでしょうね。兄は父代わりみたいに責任を感じているようで、私のことをすごく心配してくれています。『もう若くないんじゃけえね。いつまでそんなに働くつもり? いいかげん、ゆっくりしたら』って。『だよね』って答えているんですけど」 昨年から今年にかけては忙しかったと振り返る。 「この作品はこの季節がいいとか、監督やキャストの皆さんのスケジュールとか、そういうタイミングが合うのは奇跡みたいなものなんです。だから、忙しくて『え〜!』って言いながらもがんばっちゃいます」
今でも撮影前は不安で、プレッシャーを感じるという。 「明日撮影があると思うと緊張します。でも現場に行けば、セットがあって、相手役の人がいて。昨日あんなに不安だったけど、大丈夫だなと思うんです。監督の描きたい役に自分が一緒に息を吹き込んで、現場でみんなが集中してゴールに向かう。それって、なかなかない素敵なことだなと。監督が思う世界をみんなで一緒に作り上げる喜びがあります」 家族のことを話す時はお茶目で少女のようだが、撮影現場ではどんな様子なのだろうか。 「やっぱり別の世界に行きますよね。自分じゃない何かに」 どこまでも朗らかな佇まいの奥に、演じることへのまっすぐな思いがある。 「あきらめないという気持ちは強いかもしれないです。自分に対して負けず嫌いで、監督が納得するものをちゃんと表現したい。作品はずっと残りますよね、死んだ後も。すごいことだなと思います」 あらゆる作品に取り組み、「やり尽くした」と思うことはないのだろうか。 「20代の頃から、全然やってもいないのにそう思っていたんです。常々そう思っているんですけど、お話をいただくと、毎回新しい挑戦だと思う。やっぱり終わりはないんだな、人生は、と思いますね。常に動き続けているものなんだなって」