「目の前の人を幸せにしてあげて」――綾瀬はるかの生き方を形作る家族の言葉 #家族とわたし
コメディ、アクション、ヒューマンドラマ、時代物……。あらゆる作品で、次々と主演を務める綾瀬はるか(41)。「いいかげん、ゆっくりしたら」。故郷の広島に暮らす兄から、そう心配されることもあるという。忙しい日々のなかで大事にしているのが、母や祖母、兄とのやりとりだ。近年は母親役も増え、家族のありようを見つめることも多い。40代の今、仕事や家族について思うことを語る。(撮影:ND CHOW/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
母の愛情が祖母を生き返らせた
「年齢を重ねるにつれて、演じる役も変わりますよね。40代の女性ならではの悩み、人生観、経験……。今だからこそできる役にすごく興味があります」 義理の娘を育てるシングルマザー、幸せな孤独死を目指す独身女性、家族を思う気丈な母、子どもを亡くしてヒューマノイドを受け入れる夫婦……。役を通して、実にさまざまな生き方、家族のあり方を体現している。 自身にとって、広島で暮らす家族は安心を与えてくれる存在だ。母は出演作品をすべて見ているという。 「帰れる時はなるべく広島に帰るようにしています。忙しい時は日々に追われて、ふと『無下にしちゃってる!』と気づくこともありますが。母にはなんでも話せるので、しょっちゅう電話をかけていますね。話すと楽になることが多いんです。悩んでいたりむかついていたりしても、『大丈夫大丈夫、いっぱい愛情をあげてね』と。子どもの頃から『目の前の人を絶対に傷つけちゃいけない。幸せにしてあげて。それが自分の幸せになるから』と言われていて。お母さんのようにはできないな、といつも思います」
昨年は、父方の祖母が98歳にして初めて入院した。「母の愛情が祖母を生き返らせたんです」と綾瀬は目を大きくして語る。祖母は2カ月間寝たきりで、食事もとれない日々が続いた。 「母はいつも祖母のそばにいて、倒れちゃうんじゃないかなというくらいでした。『お母さん、寝てよ』といくら言っても、『大丈夫』と言って寝なくて。兄の奥さんから聞いたのですが、ある夜、祖母が白目になっていよいよ危ないという時、母が祖母を温めて前向きな言葉をかけ続けて。そしたら処置の早さがよかったみたいで、顔色が一気に戻ったそうなんです。兄の奥さんは『お母さんは神様なんじゃないか』と言っていました」 一時は綾瀬も実家に戻り、泣きながら祖母にお別れを伝えたが、今ではすっかり復活している。 「寝たきりだと筋力も弱るはずなのに、最近は犬と散歩したり草むしりしたりしているらしくて。もともと祖母はすごく元気なんです。毎日、開脚しながらメイクして、家じゅうを水拭きして、お庭をほうきで掃いて。本当に、おばあちゃんはすごいです」