ヤンデレだったストーカーちゃんは塩対応彼女になりました……
あらすじ
あなたには元ストーカーの彼女が居た。
彼女はあなたのことが大好きで、砂糖に蜂蜜を加えたかのようなどろどろで甘々な日々を送っていた。
がしかし、唐突にその彼女が冷たくなった。
理由を問い質しても何も具体的なことを言わない。
そういう気分じゃないだけ
しつこいな
うるさい
そういうことを言ってはぐらかす。
愛に疑問を持ち始めるあなたは……新たに寄ってきて慰めてくれた女性に心を許し、彼女と別れることを決意してしまう。
それが、全て彼女の手の平の上であることを知らずに
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本編
「こんにちは~、来たよ~……で、何の用?」
「……は? 何?その顔? ウケる」
「……ふ~ん……あっそ」
「用がなければ呼び出しちゃ駄目? ねぇ……ばっかじゃないの?用が無きゃ呼び出さないでしょうが」
「頭の中お花畑なわけ? 全部燃やして焼け野原にすることをおススメするよ?」
「愛だの、運命だの、絆だの……そういうの、いまどき流行んないんだからさ」
「……で?最初に戻るけど……」
「何の用?」
「…………ふ~ん……あっそ、くだらない。またそんなことで呼び出したんだ?」
「別に、あんたに不満なんかないよ?」
「っていうか、この無駄な時間自体に不満があるけど」
「あんたさ、もしかして……メンヘラって奴?」
「ちょっと冷たく接したら、すぐ不安になって、そういうこと言ってさ」
「そういう男、気持ち悪いよ?」
耳元で
「最っ……低っ!」
離れて
「あたしもね、暇じゃないのよね……そんな用事だったらさ?メールかLINEですませてよ。ま、無視するけど」
「気持ち悪いんだよ、もうとっくに付き合ってるってのに、何回も何回もオレのことが好きか?なんて確認しちゃってさ」
「何のために付き合ってると思ってるの?」
「答えなんてとっくに知ってるじゃない?」
「それともこんな簡単な……1+1=2です、みたいな計算式みたいなことも何度も何度も確認しないと答えに確信が持てないわけ?」
「それって、さ」
「自分に自信がないからだよね?」
「だから……そういうふうに揺れ動いて不安になるんだよ」
「下らないこと気にする暇あったら自分磨きでもしたら?」
「じゃ、そういうことで……あたし、忙しいから」
掴まれた感じで
「チッ……んだよ? 手ぇ掴むんじゃねぇってのっ!ったくっ」
「なんなのよ?さっきからうじうじうじうじと……女々しいにも程がある」
「言いたいことがあるならはっきりと言ったらどうなのさ!?」
「……ふ~ん……そう」
「確かに、言ってたね『ダ~リン♡』って」
「うん、確かにあたしはあんたのストーカーだった」
「あんたの後をつけて、物陰からじっと観察して……毎日手紙をあんたんちのポストにも入れたし、不法侵入して『大好き大好き大好き♡』って寝てる間に添い寝して耳元で囁いたりもしたわね」
「……で?それが?」
「……そうね、幸せの絶頂だった……人生最高の時だった、と言っても過言じゃない」
「けど、ね」
「人の心は移ろい行くもの……いつまでも同じなわけがないでしょ?」
「それとも……いつまで経っても僕たち一緒に居られるよね?とかそんなメルヘンチックなことを信じちゃってるわけ?」
耳元で
「ば~か」
離れて
「そうやって不安に思ってる内はそんな未来は絶対にない、本当はそういうの無理なんじゃないかって不安に思ってるからそういうの言ってるんじゃないの?」
「そうしたいなら、少しは努力でも見せて欲しいよね」
「こうして、愛しの彼を射止めて彼女になったあたしみたいに、さ」
「もっと彼氏として努力したら?」
「……はぁ、結局時間使っちゃった……さっさと帰ろうと思ったのに、さぁ」
「これだから女々しい男は……」
「じゃ、今度こそ帰るから」
「もう、呼び止めないでよね?」