2025年も大学入試のシーズンがやってきました。
今回は、大阪大学の理系数学に挑戦します。
<概略> (カッコ内は解くのにかかった時間)
1. 平面ベクトル(25分)
2. 3次関数の極値と通過領域変曲点の軌跡(25分)
3. 空間ベクトルと関数の値域(25分)
4. 広義積分(25分)
5. 確率漸化式(50分)
計150分
<体感難易度>
1<2=3<4<5
阪大のセットとしてみると、全体的に標準レベルかなと言えると思います。
とはいえ、確実に完答しきれる問題は意外と少なく、特に第5問は解くのに随所に工夫や発想が必要となり時間がかかります。
<個別解説>
第1問
平面ベクトルの問題です。方針立ては平易な問題ですが、最後の結果が汚く合ってるか不安になってきます。
(1)AC⊥OBをベクトルで表現して処理すればOKです。
(2)Pの位置ベクトルは比の条件から即座にA,Bで書け、かつRはOB上にあるためOR=rOBと書くことができます。
あとは、AR⊥OPを処理してrを調べればOKです。要求されているのがrそのものではなく、ORの長さであることには注意しましょう。
(3)前述のrが1/2≦r≦1であれば、題意を満たすことになりますので、不等式を解いていくだけです。ただし、最終結果がルートが入ったかなり汚い形になるので、一応見直しは念入りに行うとよいです。
<筆者の回答>
第2問
3次関数の極値と通過領域変曲点の軌跡に関する問題です。
(1) f'(α)=0, f'(β)=0となることから、解と係数の関係を使ってα+β、αβがp,mの式で書けることがポイントです。f(x)は右肩上がりの3次関数なので、極大となるαが、極小となるβよりも小さくなることに注意して、f(α)-f(β)を、α+β、αβ、α-βの式に変形していくことになります。
(2) (1)の結果からmをpの式で書くことができるため、pを動かしたときのy=f(x)の通過領域を考えればいいです。
pの動く範囲に特に制約はないため、y=f(x)をpの方程式と見なしたときにそれが実数解を持つようなx,yの条件を調べればよいことになります。
基本的にy=f(x)はpの2次方程式なのですが、係数が0か正か負かによって場合分けが発生することに注意しましょう。
y=f(x)の変曲点をpだけの式で表現できます。x座標がシンプルな形のため軌跡導出も容易く、pの動く範囲には特に制限もないので範囲の指定も必要ありません。
[訂正]当初「y=f(x)の通過領域を求めよ」と(2)を盛大に誤読し、それに気付かず解いてしまうという致命的なミスをやらかしてしまってましたので、答案を差し替えました。
ご迷惑をおかけし申し訳ありません。先入観って怖いですね。
<筆者の回答>
第3問
空間ベクトルと関数の値域に関する問題です。
まずは∠OAP=30°、y≧0という条件から、xとyの満たすべき条件を調べることが第1歩となります。角度の情報があることから、ベクトルの内積を使えば良さそうですね。
そうして調べると、(x,y)は楕円の一部を描くことが分かります。
さて、この時にf=(x+1)(y+1)の値域を考えるわけですが、楕円と双曲線の組み合わせということで、直線の場合ほど「線形計画法」の考え方がしっくり来ません。
ここは、代数的に処理することにします。
楕円が登場してることから、xとyは三角関数を使ってパラメータ表示できるため、それを使ってまずはfを1文字で表現することを目指しましょう。
あとは微分を使って値域を調べますが、そのパラメータの定義域は十分に検討しましょう。
<筆者の回答>
第4問
広義積分に関する証明問題です。
広義積分とは、この問題のように積分区間に極限の要素が入っているような積分のことを言います。
(1) 両端の分母が1次である一方、被積分関数の分母は2次になっています。となると、分子のsinxさえいなければそのまま積分した形に近いですね。
というわけで、sinxは絶対値1以下という評価で消去してあげれば題意が示せそうですね。
(2)被積分関数の分母の次数が(1)のそれよりも1減っていて、かつ分子もsinからcosに変わっています。ということは、部分積分を噛ましてあげれば(1)の式から導出できそうだと分かります。
(3) 積分と三角関数の積は相性が悪いため、まずは和積の公式でf(x)を和の形に直すのが先決です。
そうやって式変形すると、2x=x'と変数変換することで被積分関数を全く同じ形にすることができます。あとは、積分区間を1~2になるように継ぎ接ぎすることで(2)の形がオマケで登場することが分かります。
<筆者の回答>
第5問
確率漸化式の問題で、おそらく本セットでは最難問かと思います。
(1)まずは文字列の推移を図にすることが肝要です。今回の場合、正6角形状に各文字列を配置できると見通しが良くなります。
とりあえず、残りの文字列についても確率を定義してあげて漸化式を全て立ててしまいます。これで6個の漸化式ができるわけですが、問題はどうやってここからpn,qnだけの式に帰着させるかです。
ここで推移図を見てみると、ABCとCBAを繋いだ対角線について対称になっていることに気が付きます。つまり、BACとなる確率とACBとなる確率、そしてBCAとなる確率とCABとなる確率はそれぞれ等しいことが分かります。これは漸化式を使って実際に値を調べてみても分かります。この事実を使うことで、漸化式を2本減らせます。
この問題の場合は、この状態で番号をずらすことによって、pn,qnだけの漸化式2本を完成させることができます。
(通常であれば、全確率の合計=1という関係を使うことが多いのですが、今回はそれだと式が綺麗になりません)
番号が2個おきの漸化式なので、nの偶奇による場合分けが発生するわけですね(問題文の誘導もそれを示唆しています)。
あとは指示通りpn-qnを計算してあげると、なんとpn-qnが等比数列になることが分かります。
(2) pnを調べたければ、(1)で調べたpn-qnの他にもう1つ等比数列を作っておきたいところです。
なので、適切に漸化式を差し引きすると等比数列になる、と仮定し、各係数を逆算するとよいです。係数の組は2つ出てきますが、そのうちの一つは(1)で調べた場合そのものになります。
ということで、ここから別の等比数列が導出できるため、結果を連立すればpnが求まることになります。あとは、nの偶奇による場合分けを忘れずに。
<筆者の回答>