猪苗代町のメガソーラー、FIT認定取り消し 初の交付金返還命令
福島県猪苗代町のメガソーラー(大規模太陽光発電施設)の事業について、経済産業省は、事業者が再生可能エネルギー特別措置法に違反して固定価格買い取り制度(FIT)の認定を受けていたとして、認定を取り消したうえで、交付金の返還を命じたと発表した。 太陽光発電以外も含め、昨年度分の認定取り消し事業として、6日に発表した。返還命令を受けたのは「合同会社Blue Power猪苗代」で、施設名は「Blue Power磐梯猪苗代発電所」。FITの認定を2014年3月に受けた。当時の申請によると、事業者の住所は東京都港区赤坂で、施設の所在地は猪苗代町磐根。発電出力は2万1700キロワット。 経産省によると、この施設では24年1月に売電を開始。認定時の計画では、猪苗代町の施設と、そこから約3キロ離れた会津若松市の施設を送電線でつなぎ、両施設で発電する事業になっていた。 しかし、実際には送電線路が敷設されず、申請した所在地とは別の会津若松市のゴルフ場跡地にある施設で発電し、売電していた。経産省はこれが再エネ特措法に違反しているとして、昨年7月にFITの認定を取り消し、交付金の返還を命じた。 メガソーラーをめぐるトラブルが各地で増えていることなどを受け、再エネ特措法が改正され、24年度から国が違法業者に対し、不当に得た交付金の返還を命じることが可能になった。この変更に伴い、メガソーラー施設で返還命令が出たのは、この発電所が全国で初めてという。 経産省は、返還を求めた交付金の額を公表していないが、認定時の買い取り価格などから試算すると5億円を超えるとみられる。同社は9日時点で納付していないという。 朝日新聞は、Blue Power磐梯猪苗代発電所を事業展開している再エネ関連会社(東京都)に取材を申し込んだが、9日午後6時時点で返答はなかった。 会津若松市によると、この発電所では昨年5月に、漏電による火災で周囲の一部が焼けるトラブルが起きていたという。また、この再エネ関連会社が西郷村で展開するメガソーラー「Blue Power福島西郷」では、林地開発行為の違反が見つかり、現在は解消されているが、県が21年に造成工事の中止を指示していた。 FITは、再エネを普及させるため、東日本大震災後の12年に、再エネの電気を電力会社が高値で買い取る制度として国が始めた。(岡本進)
朝日新聞社