欧州の米軍基地、1か所閉鎖の可能性…トランプ政権がイラン軍事作戦に非協力的な国から撤退検討か
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【ワシントン=栗山紘尚、ブリュッセル=上杉洋司】米国のトランプ大統領と北大西洋条約機構(NATO)のマルク・ルッテ事務総長が8日、米ホワイトハウスで会談した。トランプ氏は、イラン軍事作戦への関与不足に不満を強めてNATO脱退も示唆しており、ルッテ氏は協力姿勢をアピールして翻意を促したとみられる。
会談は非公開で行われた。ルッテ氏は会談後の米CNNのインタビューで、トランプ氏が「多くのNATO加盟国に明らかに失望している」と認めた。その上で、イラン軍事作戦について「欧州の大多数が基地提供や(米軍機の)領空通過に協力している」とトランプ氏に説明したと述べた。
トランプ氏は会談後、「NATOは我々が必要とした時にいなかった。今後必要となった時もいないだろう」とSNSで改めて不満を示した。ロイター通信は、トランプ氏がルッテ氏に対し、ホルムズ海峡の航行の自由を確保するための具体策を数日以内に示すよう迫ったとも伝えている。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、トランプ政権がイラン軍事作戦に非協力的な加盟国から駐留米軍を撤退させ、協力的な国に移転させる案を検討中と報じた。スペインかドイツの米軍基地のうち、少なくとも1か所が閉鎖される可能性があるという。
欧州諸国は事態回避のため、米国とイランの停戦合意に関し、停戦維持に向けた外交に奔走している。終戦への動きを後押しすることで、米欧関係の立て直しにつなげたい考えだ。
フランスのマクロン大統領は8日、トランプ氏に加え、イランのマスード・ペゼシュキアン大統領と電話会談し、終戦実現に貢献する用意があると伝えた。
マクロン氏は同日の防衛・国家安全保障会議で「ホルムズ海峡の航行再開に向け、約15か国が防衛任務の計画策定に参加している」と明かした。
仏外務省によると、これまで有志国会合に参加してきた約40か国のうち、約15か国が艦艇の派遣などで軍事貢献する意思を示しているという。
英国のスターマー首相は8日、サウジアラビアでムハンマド・ビン・サルマン皇太子と会談し、「停戦を維持し、恒久的な平和につなげる努力が必要だ」と呼びかけた。湾岸諸国を歴訪する予定で、中東情勢の緊張緩和策に関与する方策を模索しているとみられる。