沖縄県名護市辺野古沖で平和学習中の生徒が乗った船2隻が転覆し2人が死亡した事故について、共産党の口が重い。抗議船を運航する団体に加盟していたにも関わらず、その事実を事故後2週間以上も隠していた。党幹部は「真摯(しんし)な対応」に言及する。だが、取材で見えてきたのは、「教育」の名を借りた事実上の政治活動のもとで失われた若き命を直視できない無責任さだ。
突如鈍った舌鋒
共産の田村智子委員長は8日、米国とイランによる即時停戦合意を受け、国会内で記者団のぶら下がり取材に応じた。イラン情勢に対する党の見解を滔々と語っていたが、質問が転覆事故に移ると、いつもの鋭い舌鋒(ぜっぽう)は突如として鈍った。
転覆事故は3月16日に発生。抗議船「平和丸」「不屈」の2隻に乗船していた21人のうち、同志社国際高校(京都府京田辺市)の女子生徒ら2人が死亡した。共産が抗議船を運航する「ヘリ基地反対協議会」(反対協)に加わっていたと認めたのは4月2日で、事故から2週間以上も過ぎていた。
党と反対協との関係について、田村氏は2日の記者会見で「私たちも沖縄の現地の党組織に事実の確認を行っている」と述べた。また、3日付党機関紙「しんぶん赤旗」は、田村氏の発言を「反対協が安全上の不備を認めて謝罪し、事故原因究明への全面協力を表明しているとして、『日本共産党としてこの立場で真摯な対応をしていきたい』」と報じた。