第4回アイヌ民族の歴史動かす「潤滑油」 先住権を求めたポンペの90年代

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上保晃平
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 アイヌモシリ――。

 北海道や樺太、千島列島などに先住していたアイヌ民族は、カムイ(神)が普段暮らす世界に対し、自分たち人間の住む大地をそのように呼ぶ。

 民族復権の志半ばで急逝した結城庄司は、ソ連が占領、実効支配する北方四島について、「歴史的に日本のものでもなければ、ソ連のものでもない。明確にアイヌ民族の『アイヌモシリ』である」と「先住権」を訴えていた。

 石井ポンペは、結城が世論を喚起しようと丸木舟国後島に渡ろうとしたのを、共感しつつもいさめたことがある。

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 1970年代、アイヌ民族が抱えた最優先課題は、貧困の解消だった。74年からの道ウタリ福祉対策で、住宅資金の貸し付けや教育対策などが始まった。だが、結城は理想を高く掲げていた。

 80年代には、「北方領土」における先住権をめぐってソ連側と接触もした。結城独自の動きは、民族の最大団体「北海道ウタリ協会」(現・北海道アイヌ協会)を突き動かした。

 ウタリ協会は82年以降、同…

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この記事を書いた人
上保晃平
東京社会部|裁判担当
専門・関心分野
社会保障、障老病異、社会思想

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