厳しかった母に反発し“叱らない育児”を決めていた私。
しかし実際の子育ては思うようにいかず、ついに母に弱音を吐くことに。
すると語られたのは、これまで知らなかった“厳しさの本当の理由”でした。
今回は筆者の知人から聞いた親の愛情に気づいたエピソードをご紹介します。
母の記憶
『私は子どもを叱らない育児をする』
そう心に決めていた時期がありました。
私は子どもの頃、母に厳しく育てられていたからです。
門限や成績だけではなく言葉遣いや立ち居振る舞いにもうるさくて、私は少しでも気を抜くとすぐ叱られていました。
一方で妹には優しく接していた母の姉妹への態度の差も、辛く思っていた私。
『私のことは嫌いなのね』とすら思っていたのです。
だからこそ、自分の子どもには優しく、寄り添う母親でいたかったのですが……。
思っているより難しい
実際に育児をしてみると、うまくいかないことばかり。
息子が悪さをしても、叱るどころかどう伝えればちゃんと理解してもらえるのか、その注意の仕方さえ分からないのです。
何がいけないことなのかが伝わらず、どんどんわがままになっていく息子に手を焼いてばかりいた私。
ある日限界を感じ、思わず母に弱音を吐くと、厳しい言葉が返ってきました。
母の愛
「“叱ること”も親の大事な役目なの」
「きちんと子どもを育てる責任を果たしなさい」
その言葉に、幼少期の母の厳しさを思い出して、何だか涙がこぼれそうになっていると……。
「あなたには厳しくしてきたわね」
「でもそれは、あなたが“負けず嫌いで強い子”だったから」
そう言って私の頭を撫でて笑いかけた母。
「厳しくした分、本当に立派に育ってくれたね」
「妹は繊細で、ちょっと叱ると心が折れちゃうタイプだったから褒めて伸ばすよう意識したの」
愛は次の世代へ
思い返せば、私は母から叱られた悔しさをバネに努力し、いろんな経験を積むことができました。
あの厳しさがあったからこそ今の自分があるのだと、そのとき初めて気づき母に感謝できたのです。
それから私は、息子をきちんと叱るように。
すると、息子も何がいけないことか少しずつ理解できるようになり、わがままやトラブルも減りました。
母の愛を大切に忘れないようにしながら、これからも育児を頑張っていこうと思っています。
【体験者:30代・女性パート主婦、回答時期:2026年3月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にFTNでヒアリングと執筆を行う。