福岡市・清川の老舗料亭「三光園」解体 「文化財の価値もあった…」跡地は駐車場に
2020年に営業終了した福岡市中央区清川の老舗料亭「三光園」の建物が昨年、解体された。周辺は明治以降、多数の遊郭や料亭が立ち並び「九州三大花街」と称された。中でも三光園は風情あるたたずまいの数寄屋造りの建物で花街の歴史を今に伝えるシンボル的な存在だっただけに、住民らからは惜しむ声も上がる。(内田完爾) ■駐車場になった三光園跡地【写真】 三光園は100年前の1926年に創業。福博の政財界人に親しまれたが、料亭文化の衰退と新型コロナウイルス禍で客が減り店を閉じた。土地の所有権は福岡市の不動産会社に移り、建物は一時、感染の有無を調べるPCRセンターとして活用されていた。
不動産会社によると、建物は昨夏ごろに解体。現在は駐車場となっており「今後の利活用は未定」という。近くに住む70代男性は「地域の新年会でも利用するなど親しみもあった。内部の調度品も貴重で、残してほしいとの声も上がっていた。寂しいが仕方ない」と話す。 福岡の優れた近現代建築の魅力を発信するNPO法人「福岡建築ファウンデーション」の理事で、建築家の青木仁敬さん(39)は「料亭文化を融合した数寄屋造りで、街の歴史の確かな一ページとして記憶を残すもの。文化財として指定される価値のあるものだった」と評価。妻で照明デザイナーの千春さん(42)も「訪日客も意識し、街全体で旧来の建築物の保存にもっと気を使うべきだ」と訴えた。
西日本新聞社