ToDoリストはタスクを管理するのに便利な方法ですが、ときにはかえって負担になってしまい、生産性よりもストレスを引き起こすことがあります。
今回紹介する「インタースティシャル・ジャーナリング」は、そんな従来のToDoリストの限界を克服しつつ、生産性を向上させる効果的な方法です。
インタースティシャル・ジャーナリングとは?
インタースティシャル・ジャーナリングとは、1日の中で短いジャーナルを書き留めるという、シンプルながら効果的な習慣です。
「インタースティシャル」という言葉は「小さな隙間や間隔」を意味する「インタースティス(interstice)」に由来するもの。
この文脈では、1日の中での休憩時間や別のタスクに移る際の「隙間時間」を使って、短い振り返りやアイデアを書き留めることを指しています。
インタースティシャル・ジャーナリングが非常に効果的な理由の1つは、ジャーナリング、メモ取り、タスク管理、時間管理の要素を1つの効率的なプロセスにまとめていること。
つまり、ToDoリストで作業を管理する代わりに、ジャーナルを使って現在の時間や、いま取り組んだこと、次にやることについての考えを記録するのです。
インタースティシャル・ジャーナリングの5つの利点
やり方の前に、一般的なToDoリストの限界、そしてインタースティシャル・ジャーナリングを使用することの利点を紹介します。
1. 仕事の切り換えを減らす
従来のToDoリストは便利な一方で、仕事の切り換えによる生産性の低下を管理する点においては不十分なことが多いです。
それは、人の注意力はスイッチのように切り替えられないから。タスクから次のタスクへ焦点を移すたびに、注意力の一部は前のタスクに留まります。
インタースティシャル・ジャーナリングは、タスク間に振り返りのための休憩を取って頭の中を整理し、考えをジャーナルに書き出すため、スムーズに次の仕事に移ることができます。
2. 注意散漫の減少
もう1つの重要な利点は、気を散らす行動を防げること。
だらだらソーシャルメディアをスクロールすることであったとしても、何もかも、すべてを記録しなければならないと思うと、より注意深くなり、脱線する前によく考えるようになります。
3. 先延ばししにくくなる
さらに、インタースティシャル・ジャーナリングは、私が先延ばしを克服し、目標に取り組みはじめるのに役立っています。
なぜ先延ばしが起こるのかというと、ToDoリストの項目は曖昧になりがちなので、何からはじめればよいのかわからず、億劫になってしまうから。
ジャーナリングを書くことで、より具体的なタスクに取り組まざるを得なくなり、「何からはじめればよいかわからない」という不安を減らすのに役立ちます。
4. マインドフルネスを促進する
最後に、インタースティシャル・ジャーナリングはマインドフルネスを促進します。
従来のジャーナリングが1日1〜2回の決まった時間に行われるのに対し、インタースティシャル・ジャーナリングは1日を通して行われるため、軽く繰り返しできる儀式のようなものになります。
そのため、いま何をしているのか、どのように感じているのかを記録するのに役立ちます。
要するに、インタースティシャル・ジャーナリングは、生産性と全体的な幸福感を大幅に向上させるのに効果的な習慣なのです。
インタースティシャル・ジャーナリングのメリットがわかったところで、どうやって実践するのかを説明していきます。
ステップ1:ツールを選ぶ
インタースティシャル・ジャーナリングは、特別なツールや複雑な準備を必要としません。
1日を通して使うことになるので、もっとも使いやすく、手軽にアクセスできるツールを使用するのが最適です。つまり、ノートでも紙の手帳でも構いません。
しかし、デジタルで記録する場合、スマートフォンやPCで使用できるメモアプリや、専用のジャーナリングツールもあります。
デジタルでインタースティシャル・ジャーナリングに特化したツールを探している場合は、Logseqがおすすめ。Logseqは、タイムスタンプやリファレンス機能など、この目的に合わせた独自の機能を提供しています。
タイムスタンプは、1日の正確な記録を保持するのに役立ち、あとで進捗状況を振り返る際に貴重な情報となります。一方、リファレンス機能は、記録同士をリンクさせることができ、あなたの思考や活動を包括的に把握できます。
アナログのノートを使用していたり、既存のデジタルツールにこの機能がなくても心配ありません。タイムスタンプを手動で追加することはいつでも可能です。
同様に、インタースティシャル・ジャーナリングをはじめるにあたって、すでに使っている生産向上システムを置き換える必要はありません。むしろ、生産向上システムを補完することができるのです。
インタースティシャル・ジャーナリングを使いながら、タスク管理アプリやカレンダーでタスクや予定を管理します。いま取り組んでいたこと、うまくいったこと、次にやることを記録することで、追加の振り返りを加えることができます。
ステップ2:切り替えの時間にジャーナルを書く
一息ついた瞬間や、日常のタスクの合間の短い時間を見つけて振り返りをすることは、このジャーナリング方法を日課にするために重要。
一息つくことなく次のタスクに飛び移るのではなく、考えを整理し再度集中することで、次の行動を意図を持って計画することができるのです。
1日の中で活用できる重要な合間時間を紹介します。
タスク完了後
タスクが完了したら、少しの間振り返り、考えを記録する時間を取りましょう。これにより、次のタスクに移る前にそのタスクを完全に処理でき、心を整理して次に備えることができます。
タスク開始前
ToDoに取り掛かる前に、何に取り組むか、どのようにアプローチするつもりかを書き留めましょう。これにより、気持ちを切り替えて、次に取り組むことに集中しやすくなります。
さらに、タスクの内容や自分の期待を明確に定義することで、不安を軽減する効果もあります。
休憩時間中
休憩は生産性を維持するために不可欠であり、振り返りにも最適な時間です。
休憩時間を利用して、いま取り組んでいること、感謝していること、または自分の気持ちを簡単にジャーナルに書き留めましょう。
これにより、心をリセットでき、リフレッシュした状態で仕事に戻ることができます。
定期的に見直す
インタースティシャル・ジャーナリングが非常に効果的である理由の1つは、自分の作業日の個人的な記録を構築できることです。1日の終わりや週末に時間を取り、ノートに書いたことを振り返るようにすると効果的。
たとえば、特定の時間帯により生産的であることや、特定の時間に頻繁に気が散っていることに気付くかもしれません。この気付きが、スケジュールや作業習慣を調整し、より高い生産性を得るのに役立ちます。
ステップ3:何を記録するかを決める
インタースティシャル・ジャーナリングの主な目的の1つは、頭の中を整理すること。
これはデビッド・アレンの時間管理メソッド「Getting Things Done (GTD)」の収集(キャプチャー)フェーズと似ています。
マルチタスクは生産性に悪影響を与えるため、頭の中から考えを取り出し、次のタスクに精神的な負担を持ち込まないようにすることが重要です。これにより、次のタスクへの移行がスムーズになり、気を散らす要因が減ります。
スケジュールの中で使える時間が、小さな隙間やタスクの合間しかない場合もあるので、長くて冗長な内容を書くことは、実用的でも有益でもないはず。
短く要点を押さえることが、持続可能にするための秘訣。私の重視しているポイントはこちらです。
現在時刻
まず、現在の時刻を書き留めます。これは、タスクが移行するタイミングやタスクにかかる時間を追跡するための、迅速かつ簡単な方法です。
たとえば、午前11時に記事の執筆を終えたら、その時刻を書き留めましょう。
書いた内容それぞれにタイムスタンプを付けることで、自分の作業日のパターンや、さまざまなタスクにどのように時間を配分しているかを把握するのに役立ちます。
前のタスク
次に、いま終えた作業内容とそれに対する気持ちを書きます。
このステップは重要です。なぜなら、作業を振り返り、前のタスクから残っている考えやアイデアを整理することで、次のタスクに移る際にそのタスクに精神的にとらわれることがなくなります。
たとえば、こんな感じ。
インタースティシャル・ジャーナリングに関する記事の執筆を終えた。最初は考えを整理するのに少し苦労したが、イントロダクションを書いたらスムーズに進んだ。
次のアクション
ここで具体的に書くことは非常に重要です。曖昧な意図を実行可能なステップに変えることで、次のアクションに取り組みやすくなります。
「ブログに取り組む」といった広い内容を書くのではなく、「来週のブログ投稿のアイデアをブレインストーミングする」といった具体的な内容を書くようにしましょう。
その時々の振り返り
最後に、将来のタスクに役立ちそうなアイデアがあれば、メモしておきます。
もし前のタスク中に気が散ったり脱線した場合も、それを記録しましょう。「インスタグラムを20分間スクロールしていた」と書かないといけないと思うことで、そもそも脱線するのを防ぐ効果もあります。
これらの振り返りは、集中力を保ち、時間管理に対する責任感を持つのに役立ちます。
インタースティシャル・ジャーナリングを成功させる鍵は、一貫性。一度習慣化すれば、生産性の向上やマインドフルネスの効果を実感できるようになります。
さらに、定期的にノートを振り返ることで、ワークフローの非効率な点を特定し、必要な調整を行なうことができます。
ぜひ試してみて、自分にどのように役立つかを確認してみてください。
──2024年11月29日の記事を再編集のうえ、再掲しています。
▼アナログでもデジタルでも
著者紹介:Lando Loic
『MakeUseOf』などで活動する生産性向上ライター。Windows Vista時代からテック業界の変遷を追い続け、AndroidからiOSまで公平な好奇心を持って向き合う。ブランドに縛られず、各ツールの利点を最大限に引き出す「効率化の追求」をパーソナルマントラとして掲げる。
デジタルマーケティングの知見を活かしたインパクトのあるコンテンツ制作を得意とし、コンピューターサイエンスを専攻。常に最新技術のアップデートを欠かさないテック・スペシャリストである。趣味は旅行とPS5でのゲーミング。
Source: Logseq
Original Article: I Swapped My To-Do List for This Method, and My Productivity Skyrocketed by MakeUseOf