【ホルムズ海峡の通航料支払い、制裁対象になる可能性】
「通航料を払って日本船も通航すればよいのではないか」という意見もあります。
しかし、海運実務の観点では、そう単純な話ではありません。
Lloyd’s Listは4月7日、ホルムズ海峡通航のための支払いが、船主や保険会社を法的にグレーな領域に置く可能性を指摘しています。
論点は、その支払先がイラン革命防衛隊またはその関連主体に接続している可能性があることです。
この点で重要なのは、イラン革命防衛隊が米国やカナダなど複数の国がテロ組織として指定されていることです。
したがって、これは単なる「通航料の支払い」ではなく、制裁・金融・保険実務の問題に発展し得ます。
米国財務省外国資産管理局も、イラン革命防衛隊またはその職員、代理人、関連先に対する「重要な取引」や「重要な金融サービスの提供」は、制裁対象となり得るとの考え方を示しています。
さらに、P&IクラブのGardは、保険金支払いや補償提供が制裁に抵触するおそれがある場合、補償できない可能性があると定めています。
仮に抑留回避や通航継続に一定の合理性があったとしても、保険がそのまま機能するとは限りません。再保険回収が制裁で妨げられる場合も論点になります。
つまり問題は「船が物理的に通れるか」だけではありません。
「法的に支払えるのか」
「保険が機能するのか」
「金融決済が通るのか」
この3点がそろって、はじめて商業通航は安定します。
少なくとも現時点では、海運実務はこの3点を同時に見て判断しています。
Quote
Lloyd's List
@LloydsList
Making payments to transit the Strait of Hormuz could land shipowners in a legal grey area, particularly given that Iran’s Islamic Revolutionary Guard Corps has been designated as a terrorist organisation by several countries
lloydslist.com/LL1156795/Iran