5. 運用管理補助委託料の最適化(STEP 2〜4)
2026/02/12 公開
5.1 FinOpsのサイクルと特徴
運用保守作業費の改善は年次~複数年度をかけたサイクルで実施する。
- 運用保守契約を締結する際、運用作業項目を明細化し、改善対象とする作業を特定する。
- 対象とする運用作業と最適化アプローチの方法により、最適化を実施するタイミングとサイクルが異なる。
- 業務開始時や契約見直しのタイミングでは、運用作業の明細や見積もり根拠を確認して見積もり金額自体を適正化する。
- 月次や四半期ごとのタイミングで、作業の廃止やフローの見直しにより即座の改善が可能な作業を最適化し、次年度の運用保守業務の仕様書及び契約内容に反映する。
- システム変更等を伴う大幅な運用変更は、翌年度以降に運用保守計画の改善検討をし、その後の契約に反映する等、複数年で取り組むことも検討する。
図5-1 FinOpsのサイクル(運用保守作業費)
5.2 コスト構造の把握(STEP 2)
運用管理補助委託料は運用事業者から提示される見積もりを、要求事項に照らして詳細化することが必要となる。
現在の運用保守契約において、どのような作業にどれだけの工数が費やされているかを把握することが目的となる。
5.2.1 運用保守作業の明細化
運用保守作業一式といった費目での一括契約を避けるため、運用保守作業の明細を作成し、作業ごとに発生するコストや最適化余地を可視化する。
- 作業項目の明細化
- 運用保守作業の委託契約時や業務開始時に、「単純移行で想定される運用作業項目例」を例として、事業者が実施する運用保守作業の明細化を求める。ただし、既存の運用保守計画書・実施要領等に同様の作業項目一覧が含まれる場合はそれらを利用することも妨げない。
- 作業頻度の把握
- 各作業の実施頻度やその要因(定期的に実施する作業や要求仕様で頻度を定めた作業/利用状況によって頻度が変動する作業)を確認する。
- 各作業の頻度の実績は以下のような記録・資料や運用保守作業の報告書を参考に確認する。
- インフラ保守:監視ログ、ジョブ実行履歴等
- 運用補助業務:作業依頼履歴、問い合わせ記録台帳、研修資料等
- 管理業務:課題管理台帳、ドキュメント更新履歴、構成管理台帳等
- 障害対応:障害報告書、インシデント報告書等
- アプリケーション保守:リリース計画書、監視ログ等
- 作業の性質の把握
- 運用保守作業には、定型的な手順に則り定期的に実施するものと、障害などの突発的な事象や問い合わせなどの不定期に発生するものへ対応する非定型な作業が存在する。
- 運用改善においては定型的な作業をコード化・自動化することをまず検討する。これにより定量的に費用対効果を見積もることができる。
- 価格の可視化
- 職員は事業者に作業分類レベル、または必要に応じて作業項目レベルで価格の提示を求め、コスト構造を把握する。
- 事業者は、提示した明細からコード化や自動化が可能である作業やその費用対効果を職員と協議、検討する。
5.2.2 単純移行で想定される運用作業項目例
作業項目を明細化する際の例を以下に示す。
なお、本表は運用作業項目の一例であり、これに則ることを要請するものではない。事業者より類する資料を提示いただき、運用改善を検討されたい。
*地方公共団体でのみ発生する作業項目
| 作業分類 | 作業項目 | 説明 | 頻度 | 定型/非定型 | 価格 | 地方公共団体における作業者 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| インフラ保守 | 環境変更作業 | インフラ環境変更、OS、ミドルウェアのバージョンアップ、作業手順書の作成 | 非定型 | ガバメントクラウド運用管理補助者 | ||
| インフラ監視 | リソース監視、ログ監視、ジョブ監視、セキュリティ監視 | 定型 | ガバメントクラウド運用管理補助者 | |||
| バックアップ | 定期バックアップ、スポットバックアップの取得 | 定型 | ガバメントクラウド運用管理補助者 | |||
| ジョブ運用 | 定期ジョブ運用、不定期ジョブのカレンダー投入 | 定型 | ガバメントクラウド運用管理補助者 | |||
| クラウドリソース管理 | クラウドリソースの管理運用 | 定型 | ガバメントクラウド運用管理補助者 | |||
| ウイルス対策 | エンドポイントセキュリティの管理、パターンファイル管理 | 定型 | ガバメントクラウド運用管理補助者 | |||
| 端末運用 | 運用端末、業務端末、プリンタの運用管理、キッティング等 | 定型 | ガバメントクラウド運用管理補助者 | |||
| ユーザーメンテナンス | アカウント管理、ユーザ追加削除、PW変更、ユーザ棚卸対応など | 定型 | ガバメントクラウド運用管理補助者 | |||
| ネットワーク管理 | ネットワーク構成管理、ネットワーク機器管理、LAN構成管理、CIDR管理 | 非定型 | 回線運用管理補助者 | |||
| 運用補助業務 | データ運用補助 | データ調査、データ補正、オペレーションミス対応 | 非定型 | ガバメントクラウド運用管理補助者 | ||
| ヘルプデスク・研修 | QA受付、回答、問い合わせ状況管理、研修の実施 | 非定型 | ガバメントクラウド運用管理補助者 | |||
| ユーザー運用補助 | 大量帳票印刷、配布対応、外字作成* | 定型 | ガバメントクラウド運用管理補助者 | |||
| 閉庁日オンライン対応* | 閉庁日利用に際するシステム起動停止対応 | 非定型 | ガバメントクラウド運用管理補助者 | |||
| 管理業務 | 課題管理 | 課題管理 | 非定型 | ガバメントクラウド運用管理補助者/ASP | ||
| ドキュメント管理 | 仕様書、設計書類、操作マニュアル等の管理 | 定型 | ガバメントクラウド運用管理補助者/ASP | |||
| システム構成管理 | アプリケーションのバージョン、インフラ構成、OS、PPバージョン、ライセンス、証明書等の管理 | 非定型 | ガバメントクラウド運用管理補助者/ASP | |||
| リリース管理 | インフラ構成変更作業計画と作業管理、アプリケーションのリリース計画と作業管理 | 非定型 | ガバメントクラウド運用管理補助者/ASP | |||
| セキュリティ管理 | 内部/外部セキュリティ監査対応、監査ログ取得、情報提供 | 定型 | ガバメントクラウド運用管理補助者 | |||
| 物理的セキュリティ対策 | 運用環境の物理的点検 | 定型 | ガバメントクラウド運用管理補助者 | |||
| セキュリティインシデント対応 | セキュリティインシデント対応、インシデント管理 | ガバメントクラウド運用管理補助者/ASP | ||||
| 月次稼働報告 | システム稼働状況、障害発生状況の定期報告 | 定型 | ガバメントクラウド運用管理補助者/ASP | |||
| 障害対応 | 障害管理 | 障害履歴、是正対応の管理、障害管理DB | 非定型 | ガバメントクラウド運用管理補助者/ASP | ||
| 障害受付 | オンコール対応 | 非定型 | ガバメントクラウド運用管理補助者/ASP | |||
| 一時対応 | 障害の一時復旧 | 非定型 | ガバメントクラウド運用管理補助者/ASP | |||
| 障害解析 | 障害原因の特定 | 非定型 | ガバメントクラウド運用管理補助者/ASP | |||
| 障害是正 | 障害是正対応、ポストモーテム | 非定型 | ガバメントクラウド運用管理補助者/ASP | |||
| アプリケーション保守 | アプリケーションリリース | アプリケーションの検証、本番環境へのリリース | 非定型 | ASP | ||
| アプリケーション監視 | アプリケーションログ監視、アプリジョブ監視 | 定型 | ASP | |||
| マスタセットアップ | 住所マスタなどのマスタ情報の最新化、システム反映 | 定型 | ASP | |||
| 操作手順書作成 | アプリケーションの操作手順書の作成、更新 | 非定型 | ASP |
5.3 コスト最適化計画の検討(STEP 3)
「単純移行で想定される運用作業項目と最適化アプローチ例」を参考に、以下の観点で最適化可能な作業を検討する。
なお、職員と事業者による検討が難しい場合は、運用保守作業の改善活動を第3者の外部事業者に調達することを検討する。
5.3.1 最適化対象作業の検討ポイント
- 件数ベースの見積もり(N回/月)を実績値(N時間/月)に調整して、各作業の工数を把握する。
- 各作業の工数から運用管理補助委託料の内訳を把握し、最適化対象とする作業を検討する。
- コストが特に高い作業に着目し、工数を削減可能か検討
- 作業項目別の工数とコストを直接紐づけることが難しい場合は、「単純移行で想定される運用作業項目と最適化アプローチ例」を参考に、とり得るアプローチから最適化対象とする作業を特定
- 複数の事業者でいずれも工数を計上している作業があれば、作業範囲に重複がないか検討
- 最適化対象とする作業について、「単純移行で想定される運用作業項目例」等を参考にアプローチ実施後の作業有無や実施頻度の変化を反映した明細を作成する。作成した現状の明細と比較し、費用対効果を検討する。
- 各作業に対し、以下いずれかのアプローチをとることが可能か検討する。
作業項目ごとに考えられる主なアプローチを「単純移行で想定される運用作業項目と最適化アプローチ例」の表に示しているため、検討の際の参考にされたい。- 見積もりの妥当性確認
- 要求仕様の見直し
- 不要な業務の特定・廃止
- 運用フロー、運用プロセスの改善
- 作業の内製化
- 業務の自動化/マネージドサービスへの置き換え
5.3.2 コスト最適化アプローチ例
■ 見積もりの妥当性確認
- 見積もり時点において、以下の観点に従って見積もりの妥当性を確認する。
- 作業費の明細と工数を明確にする。
- システムの種類・規模に対して工数が適正であることを確認する(例えば、大規模システムの作業工数と小規模システムの作業工数が同程度の場合は工数が適正であることを確認する、等)。
- 運用管理補助委託料の年額がソフトウェア借料に対し高額である場合は明細から理由を確認する。
- 工数根拠が過年度の実績を踏まえた係数となっていることを確認する(問い合わせ件数、障害対応件数、定例会議頻度 等)。
- 障害対応工数が固定的である場合、実績に基づいた工数へ見直す。
- 運用保守日数やヘルプデスクのサポート日数・時間が適切か確認する。夜間や土日を含む24/365のサポートは過剰な可能性がある。
- 作業に対する要員単価の妥当性を確認する。
- 作業に重複や不要な作業がないことを確認する。
- プロジェクト内で作業範囲に重複がないか、事業者間での重複も含めて確認する。
- システム運用開始の2年目以降は、運用の安定化・最適化に合わせて見積もりが見直されていることを確認する。
- 問い合わせ・定例会議・報告文書作成等の業務を、運用安定化に伴い縮小可能か検討する。
- 作業の見直しや自動化により削除済み、緩和済みの作業が残っていないことを確認する。
- 作業費の明細と工数を明確にする。
■ 要求仕様の見直し
- 見積もり時点において、見積もり金額算出に係る要件の見直しを検討する。
- システム稼働報告をダッシュボードや管理コンソールで実施することで資料作成工数を削減する。
- システム利用状況は職員がダッシュボード等を用いてモニタリングするとし、事業者の定期報告頻度を削減する。
- サポートデスクや問合せ対応工数について固定的な件数で計上している場合、実態に即した件数に見直す、または対応時間を限定することで対応工数を削減する。
- 障害対応に関して、実績ベースの後払い請求方式を導入する。
- 【地方公共団体向け】アプローチの検討時は以下に留意する。
- サービスレベルの見直し(定例報告会実施頻度等)を検討する場合は、「地方公共団体情報システム 非機能要件の標準について」を参照し、求められる条件を満たす範囲での削減を検討する。
■ 不要な業務の特定・廃止
- ガバメントクラウド移行により不要となったハードウェア関連作業を洗い出し、廃止する。
- ハードウェア保守や定期点検などハードウェア起因作業を廃止する。
- データセンターの法定点検、停電対応などの拠点起因作業を廃止する。
- リモート保守を導入することにより、端末、プリンタのキッティングや管理作業を廃止する。
- 可搬媒体、バックアップ媒体の廃止により、その管理運用を廃止する。
- 冗長となった手動監視、現地作業などを見直す。
- オンサイトでの常駐運用を、リモート運用やマネージドサービスへ移行する。
- 夜間作業を把握し、日中実施や自動実施へ移行する。
- 利用状況や業務状況確認のためのヒアリング訪問を削減する。
- アプローチの検討時は以下に留意する。
- 庁舎拠点やデータセンター拠点に残置するシステムがあり、作業の廃止ができない場合も最適化余地がないかを確認されたい。
■ 運用フロー、運用プロセスの改善
- 運用保守契約に基づき実施される各運用プロセスやフローを継続的に把握し、非効率や重複が見られる場合に事業者へ改善を要求する。
- 報告書や資料の様式を簡素化し、必要最低限の記載とする。
- 障害対応フローが煩雑である場合、フローを見直し工数を削減する。
- オートヒーリングなどを活用し一次復旧にかかる工数を削減する。
- 障害発生時の連絡経路を簡素化し、窓口を一本化する。
- 軽微な障害や問合せについては、エスカレーション基準を見直し、必要以上の報告や二重対応を避ける。
- 軽微な設定変更や定例作業については、大規模変更と同一の承認フローとせず、簡易な手続きを設ける。
- アプローチの検討時は以下に留意する。
- 運用プロセスやフローの非効率は事業者だけでなく利用者側の要件(例:夜間作業の現地立ち合い必須 等)に起因する場合もあるため、改善要求にあたっては要件緩和も併せて検討する。
■ 作業の内製化
- 運用保守契約において委託している作業項目や運用フローの中で、職員で対応可能な定型的な作業を内製化することを検討する。
- これまで事業者が報告していたシステムの運用状況等の内容を職員が自ら確認できるダッシュボード等を整備し、詳細確認の必要がある場合にのみ事業者へ確認する運用とし、報告にかかる作業を減らす。
- これまで事業者に依頼していたデータ取得・提供業務を職員自ら実施できるレポート機能等を整備し、委託する作業を減らす。
- ヘルプデスクへの問い合わせについて、FAQの整備、一次窓口としての職員配置等、できる限り自組織内で解決できる状況を整え、事業者への問い合わせ量を減らす。
- 業務影響等を鑑み職員で実行可能な範囲(EUC等)において、サービス起動停止を職員が実施する。
■ 業務の自動化/マネージドサービスへの置き換え
- コード化や自動化により事業者の省力化を通じて工数を削減する。
- 監視製品をマネージドサービスに移行し、製品ライセンスや保守費用を削減、常駐監視を廃止する。
- バックアップをマネージドサービスに移行し、夜間バックアップから日中バックアップに切り替え夜間対応工数を削減する。
- ライフサイクル管理機能を利用したバックアップ管理運用の自動化により工数を削減する。
- ログ取得など事業者が対応している定型作業をコード化し自動化することで、工数を削減する。
- アプリケーションリリース作業をCI/CDパイプライン化し、対応工数を削減する。
- IaCを導入しインフラ作業を自動化することで対応工数を削減する。
- アプローチの検討時は以下に留意する。
- システム変更を伴うアプローチであるため、複数年での取組が前提となる。
- 初年度には費用対効果や具体的な作業内容を検討し、次年度以降の開発~実装を契約内で取り決める。
- 改善作業を実施する年度では一時的に作業量やクラウド利用料が増加する可能性がある。
5.3.3 単純移行で想定される運用作業項目と最適化アプローチ例
作業項目ごとに、考えられる主な最適化アプローチの例を以下に示す。
| 作業分類 | 作業項目 | 説明 | 見積もりの妥当性確認 | 要求仕様の見直し | 不要な業務の特定・廃止 | フロー・プロセスの改善 | 作業の内製化 | 自動化/マネージドサービス化 | コスト最適化対策の例 | 地方公共団体における作業者 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| インフラ保守 | 環境変更作業 | インフラ環境変更、OS、PP(パッケージソフト/プログラムプロダクト)のバージョンアップ、作業手順書の作成 | ⚫︎ | IaC導入による省力化 | ガバメントクラウド運用管理補助者 | |||||
| インフラ監視 | リソース監視、ログ監視、ジョブ監視、セキュリティ監視 | ⚫︎ | 運用管理製品からダッシュボードへの移行 外形監視への移行 | ガバメントクラウド運用管理補助者 | ||||||
| バックアップ | 定期バックアップ、スポットバックアップの取得 | ⚫︎ | ⚫︎ | マネージドサービスへの移行、夜間から日中バックアップへの変更 | ガバメントクラウド運用管理補助者 | |||||
| ジョブ運用 | 定期ジョブ運用、不定期ジョブのカレンダー投入 | ⚫︎ | ⚫︎ | マネージドサービスへの移行、夜間から日中バックアップへの変更 | ガバメントクラウド運用管理補助者 | |||||
| クラウドリソース管理 | ハイパーバイザクラスタリソースの管理運用 | ⚫︎ | クラウド環境では考慮しない | ガバメントクラウド運用管理補助者 | ||||||
| ウイルス対策 | エンドポイントセキュリティの管理、パターンファイル管理 | コンテナ化、サーバレス化により削減可能 | ガバメントクラウド運用管理補助者 | |||||||
| 端末運用 | 運用端末、業務端末、プリンタの運用管理、キッティング等 | ⚫︎ | リモートアクセス、DaaSへの移行 | ガバメントクラウド運用管理補助者 | ||||||
| ユーザーメンテナンス | アカウント管理、ユーザ追加削除、PW変更、ユーザ棚卸対応など | ガバメントクラウド運用管理補助者 | ||||||||
| NW管理 | NW構成管理、NW機器管理、LAN構成管理、CIDR管理 | 回線運用管理補助者 | ||||||||
| 運用補助業務 | データ運用補助 | データ調査、データ補正、オペレーションミス対応 | ⚫︎ | ⚫︎ | ガバメントクラウド運用管理補助者 | |||||
| ヘルプデスク・研修 | QA受付、回答、問い合わせ状況管理、研修の実施 | ⚫︎ | ⚫︎ | ガバメントクラウド運用管理補助者 | ||||||
| ユーザー運用補助 | 大量帳票印刷、外字作成、配布対応 | ⚫︎ | ⚫︎ | ガバメントクラウド運用管理補助者 | ||||||
| 閉庁日オンライン対応 | 閉庁日利用に際するシステム起動停止対応 | ⚫︎ | ⚫︎ | インスタンスやサービスの自動起動停止機能の活用 職員のセルフサービス | ガバメントクラウド運用管理補助者 | |||||
| 管理業務 | 課題管理 | 課題管理 | 管理資料の共有ツール選定などで効率化可能 | ガバメントクラウド運用管理補助者/ASP | ||||||
| ドキュメント管理 | 仕様書、設計書類、操作マニュアル等の管理 | 管理資料の共有ツール選定などで効率化可能 | ガバメントクラウド運用管理補助者/ASP | |||||||
| システム構成管理 | アプリケーションのバージョン、インフラ構成、OS、PP(パッケージソフト/プログラムプロダクト)バージョン、ライセンス、証明書ほか構成情報の管理 | ⚫︎ | IaC導入による省力化 | ガバメントクラウド運用管理補助者/ASP | ||||||
| リリース管理 | インフラ構成変更作業計画と作業管理、アプリケーションのリリース計画と作業管理 | 管理資料の共有ツール選定などで効率化可能 | ガバメントクラウド運用管理補助者/ASP | |||||||
| セキュリティ管理 | 内部/外部セキュリティ監査の対応、監査ログの取得、情報提供 | ガバメントクラウド運用管理補助者 | ||||||||
| 物理的セキュリティ対策 | 運用環境の物理的点検 | ⚫︎ | 物理環境に対する対応は削減。 | ガバメントクラウド運用管理補助者 | ||||||
| セキュリティインシデント対応 | セキュリティインシデント対応、インシデント管理 | ガバメントクラウド運用管理補助者/ASP | ||||||||
| 月次稼働報告 | システム稼働状況、障害発生状況の定期報告 | ⚫︎ | ⚫︎ | ⚫︎ | ⚫︎ | ⚫︎ | ダッシュボードによる稼働状況の常時モニタリング ライセンス製品からマネージドサービスへの移行 実施頻度の見直し | ガバメントクラウド運用管理補助者/ASP | ||
| 障害対応 | 障害管理 | 障害履歴、是正対応の管理、障害管理DB | 管理資料の共有ツール選定などで効率化可能 | ガバメントクラウド運用管理補助者/ASP | ||||||
| 障害受付 | オンコール対応 | ガバメントクラウド運用管理補助者/ASP | ||||||||
| 一時対応 | 障害の一時復旧 | ⚫︎ | ⚫︎ | オートヒーリングの実装による自動復旧、効率化、リモート化に伴う全体的な障害対策フローの省力化(オンサイト駆けつけの廃止、など) | ガバメントクラウド運用管理補助者/ASP | |||||
| 障害解析 | 障害原因の特定 | ⚫︎ | ⚫︎ | 統合モニタリングの実装による障害原因特定の効率化、効率化、リモート化に伴う全体的な障害対策フローの省力化(オンサイト駆けつけの廃止、など) | ガバメントクラウド運用管理補助者/ASP | |||||
| 障害是正 | 障害是正対応、ポストモーテム | ガバメントクラウド運用管理補助者/ASP | ||||||||
| アプリケーション保守 | アプリケーションリリース | アプリケーションの検証、本番環境へのリリース | ⚫︎ | CI/CDパイプラインの導入による省力化 | ASP | |||||
| アプリケーション監視 | アプリケーションログ監視、アプリジョブ監視 | ⚫︎ | 運用管理製品からダッシュボードへの移行 サービス監視への移行 | ASP | ||||||
| マスタセットアップ | 住所マスタなどのマスタ情報の最新化、システム反映 | ⚫︎ | ⚫︎ | ASP | ||||||
| 操作手順書作成 | アプリケーションの操作手順書の作成、更新 | ⚫︎ | CI/CDパイプラインの導入による省力化 | ASP |
5.4 コスト最適化計画の実行(STEP 4)
運用変更によって最適化可能な作業から最適化し、次年度以降の契約金額に反映する。
本書で示したアプローチのうち「5.作業の内製化」や「6. 業務の自動化/マネージドサービスへの置き換え」は、運用の大幅な見直しやシステム変更作業を伴うため、複数年にわたって最適化に取り組む必要があることに留意されたい。
また、一時的に作業負荷が増大する可能性があることに注意すること。
なお、年度ごとの活動内容は参考例でありスケジュールを規定するものではない。事業者と協議の上、合理的な改善活動を検討されたい。
■ 1年目
- 年度初めに年間の運用保守計画書を提出し、作業項目一覧による可視化を行う。
- 自動化、マネージドサービスへの置き換えを検討する作業を選別し、事業者に対象作業における実績の計測を依頼する。事業者は頻度、工数などから定量的に計測を行う。
- 過年度実績など信頼に足る情報があれば、これを根拠とすることを妨げない。
- 3ヶ月もしくは半年に1回、事業者と作業実績を振り返り改善に向けた分析を行う。
- 運用保守作業、プロセスのモデルを提示し、突き合わせて改善点を洗い出す。
- 作業実績から、自動化、マネージドサービスへの置き換えによって費用対効果が見込めるものを2年目以降の保守契約に運用改善を要件として取り込む。
- 運用保守契約の調達仕様に改善に向けた作業内容を要件として明記する。
- 課題管理、引き継ぎ内容に改善に向けた実行した内容を明記する。
- 別調達として第3者の外部事業者に委託することを妨げない。
■ 2年目
- 運用改善のためのシステム変更を実施する。
- 自動化、マネージドサービスへの置き換えを行なった運用保守作業の実績の計測を依頼する。事業者は定量的な改善効果を計測する。
- 改善効果が見られる場合、経済的に合理的な範囲で運用管理補助委託料の見直しを行い、次年度以降の契約に反映する。
■ 3年目
- 継続的に運用改善が見込める運用保守作業がないか検討、継続改善する。